Daily Archives: 2017 年 1 月 10 日

今季も男子ツアーを上回る史上最高賞金総額。年間休みは1週だけの全38試合。隆盛続く女子ゴルフツアー!

5年連続賞金アップの17年女子プロゴルフツアー日程を発表するLPGA小林浩美会長(左)と鈴木美重子副会長(右)=都内のホテル
5年連続賞金アップの17年女子プロゴルフツアー日程を発表するLPGA小林浩美会長(左)と鈴木美重子副会長(右)=都内のホテル

人気の女子プロゴルフツアー、ついに優勝3600万円のビッグゲーム誕生!17年度の女子ツアー日程が発表され、賞金総額は5年連続アップの37億1500万円。試合数は前年と同じ38試合で3月第1週の開幕から11月最終週の最終戦まで、試合のない週は6月から7月にかけての1週だけ。高額賞金の試合も増え、最高賞金大会は、LPGA創立50周年を迎える記念大会、9月のメジャー、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯。6000万円アップでツアー史上最高額の2億円(優勝3600万円)になりました。選手のモチベーションも高まる女子ツアーですが、低調続きの男子ツアーとは対照的なウハウハ景気に沸く今季日程の注目点を探ります。

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賑わう女子プロツアーの会場(昨年のワールドレディス・サロンパスカップ=茨城・茨城GC)
賑わう女子プロツアーの会場(昨年のワールドレディス・サロンパスカップ=茨城・茨城GC)

まさに右肩上がりの続く女子プロ界です。試合数は「38」で据え置かれていますが、賞金額はこの5年間年々増額を続け、今季は昨年比2億9053万円増の37億1500万円に達しました。賞金アップした試合は5試合で、日本女子プロコニカミノルタ杯(9月7~10日、岩手・安比高原)が6000万円アップの2億円。アース・モンダミン杯(6月22~25日、千葉・カメリアヒルズ)とNOBUTAグループ・マスターズGC(10月19~22日、兵庫・マスターズ)がともに4000万円増で1億8000万円。大東建託・いい部屋ネット(7月27~30日、山梨・鳴沢)は3日間大会から4日間になって4000万円増の1億2000万円。TOTOジャパンクラシック(11月3~5日、茨城・太平洋・美野里)はドル建ては変わらず1053万円増の1億6500万円とスケールアップしました。

2年連続賞金女王。人気と実力で稼ぎまくるイ・ボミ(韓国)
2年連続賞金女王。人気と実力で稼ぎまくるイ・ボミ(韓国)

小林浩美会長がかねてから唱えている「世界レベルに高めるため」の4日間競技への変更は、少しづつ成果をみせ、今季もさきの大東建託・いい部屋ネットが加わり、1試合増の12試合になりました。小林会長は「毎年沢山の試合をいただき、スポンサーの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。これからも皆さんの期待に応えてツアー強化につとめ、グローバル社会に伍していけるように努力したい。今年協会が50周年を迎える記念大会、日本女子プロ選手権は、アジアから参加している選手も多いですし、日本一の試合からアジアのメジャーといわれるようにしたい」と、新たな抱負を語っています。2011年に就任し今季7年目(2年任期の4選が内定)となる小林会長。その間、女子プロ界は上昇の一途をたどってきただけに、意気揚々たるものです。

昨季、日本勢トップの賞金ランク3位と健闘した笠りつ子。賞金1億円プレーヤーになった。
昨季、日本勢トップの賞金ランク3位と健闘した笠りつ子。賞金1億円プレーヤーになった。

樋口久子前会長らが50年前に立ち上げた細々とした女子プロゴルフは、その後岡本綾子、森口裕子、大迫たつ子、ト阿玉(台湾)、不動裕理・・といったスター選手の出現を経て、バブル崩壊後には宮里藍をはじめとする魅力的な若い女子プロたちの誕生で、女子人気はうなぎのぼりに上昇を続けました。企業スポンサーの根強い協賛もつかみました。12年前の05年には20億円余だった賞金総額は、いまや40億円にも手が届きそうな隆盛を誇っています。さらに注目すべきは、91年に設立された下部ツアー「ステップアップ・ツアー」の人気もここへきて急上昇していることです。4年前の13年には年間10試合で賞金総額は1億5500万円だったのが、今季もまた3試合増えて21試合。女子プロの卵たちが展開する下部ツアーにまでスポンサーの目は拡張され、賞金総額も年間4億円が投じられる時代になりました。当然、選手のモチベーションは高まり、一部ツアーへ腕を上げてくる新顏たちが次々と続いています。

昨季初優勝組の一人、松森彩夏。賞金ランク14位で賞金5000万円超を稼いだ。
昨季初優勝組の一人、松森彩夏。賞金ランク14位で賞金5000万円超を稼いだ。

人気を保つ女子プロ界。昨季、2年連続で賞金女王に輝いたイ・ボミ(韓国、28)は、一昨年の2億3049万円余に続き 昨季は1億7586万円余を稼ぎました。11年に日本ツアーにデビューし、最近5年間で4度の1億超え。生涯獲得賞金はすでに7億円を突破するビッグマネーを得ている魅力満載の国内女子ツアーです。昨季、ツアーで8人もの初優勝者が出現したのも、選手のやる気を刺激されたたまものでしょう。

一転して男子ツアーは、女子の38試合に対して12試合少ない26試合。しかもうち2試合はアジアンツアーとの共同主管大会。国内試合に限れば24試合という少なさです。開幕(国内)も女子より1ヵ月半近く遅い4月中旬。6月は僅か1試合、7、8月は各2試合ずつという歯抜け日程が組まれています。年間を通して試合がないのは1週だけという女子日程の隆盛さが際立っています。賞金総額でも男子ツアーの35億9475万円を1億円以上上回る37億1500万円をキープしている女子ツアーは、まさに春爛漫。それに見合った選手たちの好プレー、高度な試合展開を今年も期待したいものです。

≪2017年国内公式戦(メジャー)日程≫

★ワールドレディス・サロンパス杯
(5・4~7、茨城・茨城GC西)
★日本女子プロ選手権・コニカミノルタ杯
(9・7~10、岩手・安比高原GC)
★日本女子オープン選手権
(9・28~10・1千葉・我孫子GC)
★LPGAツアー選手権・リコー杯
(11・23~26、宮崎・宮崎CC)