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開幕2戦とも韓国勢が制覇!女子ツアー、今年も韓国パワーが炸裂か。鈴木愛、横峯さくらが立ちはだかったが・・

プレーオフの″鬼〝、アン・ソンジュ(韓国)、鈴木愛との決戦も1ホールで決着。1年ぶりのツアー24勝。
プレーオフの″鬼〝、アン・ソンジュ(韓国)、鈴木愛との決戦も1ホールで決着。1年ぶりのツアー24勝。

女子ツアーは、開幕戦のイ・ミニョン(25)に続き、第2戦もアン・ソンジュ(30)の貫禄勝ち。今季も吹き荒れそうな韓国
パワーです。一人この壁に立ち向かったのは賞金女王の鈴木愛(23)ですが、プレーオフ1ホール目であっけなくアンの実力にねじ伏せられました。高知・土佐CCで3日間行われたヨコハマタイヤPRGRレディス。日本勢は、米ツアーの賞金シードを昨季で失った横峯さくら(32)が、鈴木の後を追って健闘、優勝した14年11月以来の4年ぶりのトップ3入り。しかし、日本でのシード権は持っていないさくらですから、なかなか前途は厳しいものがあります。ストップ・韓国勢の夢は、今年果たせるのでしょうか、日本女性軍団?!

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開幕戦のダイキンオーキッドを制し、今回も5位に食い込んで国内賞金レース、トップに立つイ・ミニョン(韓)。今季の賞金女王候補だ。
開幕戦のダイキンオーキッドを制し、今回も5位に食い込んで国内賞金レース、トップに立つイ・ミニョン(韓)。今季の賞金女王候補だ。

太平洋を眼下にのぞむ土佐CC。初日は最大瞬間風速20㍍を超える強風に見舞われてアンダーパーは4人だけ。厳しい条件の中、上位でスタートした日本勢は佐伯三貴、横峯さくら、川岸史果。これにピタリついてきたアン・ソンジュ、開幕戦を制したイ・ミニョンの韓国パワーが最後は優りました。初日は5位タイ、2日目3位タイと満を持していた鈴木愛が、最終日の前半、7、8、9番で3連続バーディー。大詰めの16、17、18番の上がり3ホールで再び3連続バーディーでスコアを伸ばし「65」のベストスコア(11アンダー)でアンに追いついたのはさすがでした。昨季の開幕戦、ダイキンオーキッドに勝って以来、1年間優勝から遠ざかっていたアン・ソンジュ相手のプレーオフは、勢いに乗っていた鈴木が優位かと思われました。しかし、18番(パー4)、アンが4㍍に2オンさせたのに対して同じフェアウェイから打った鈴木の9番アイアンはグリーンに乗っただけでピンに寄せることが出来ませんでした。

最終日、バーディーラッシュでアン・ソンジュ(韓)に追いついたが、POで敗れた無念の鈴木愛
最終日、バーディーラッシュでアン・ソンジュ(韓)に追いついたが、POで敗れた無念の鈴木愛

「セカンドは129ヤード。アゲンストに感じたり、感じなかったり。9番で抑えて打ちたかったのですが、風に迷って打ちきれなかった。あのショットが悔しいです。でもきょうはナイスプレーが多かったので悔いはないです。優勝するには凡ミスをなくさないと。あとひと押し、どこかで1打縮めないといけなかったです」(鈴木愛)

最終日に9個のバーディーを奪い(2ボギー)「65」を出した鈴木は頼もしいですが、最後のところで競り勝てませんでした。15㍍も残した第1パットは1㍍ショート。アンは、着実に4㍍フックラインのバーディーパットを沈め、1ホール目にして日本の賞金女王を下しました。
「愛ちゃんは調子がよかったので、正直負けるかと思っていた。愛ちゃんに勝ててホントにうれしい」(アン)。1年ぶりの勝利でツアー24勝目を挙げた実力者は「30勝(永久シード)は意識しますが、キツイですね。今年のテーマが″楽しく行こう!〝なので、次は25勝目を目指していきたい」とも。プレーオフは、これで1勝4敗の愛に対して8勝3敗と強いアン。「神様でもついてるかもしれませんね」と快笑でした。

米ツアーのシードは失ったが、日本で再起を図る横峯さくら
米ツアーのシードは失ったが、日本で再起を図る横峯さくら

1年間遠ざかっていた勝利を引き寄せた今年のアン・ソンジュは、また″強敵〝に戻るでしょう。賞金ランクは2位に上がり女王を狙ってくる選手です。開幕戦に勝ったイ・ミニョン(25)は今週5位タイ。昨季は来1年目で賞金ランク2位。今季の開幕戦Vで早くも3勝。1953万3333円を稼ぎ賞金ランク1位に立っています。イ・ボミにやや陰りがみえている今季、賞金女王候補にのし上がってきたイ・ミニョンです。賞金女王を2年連続で狙う鈴木愛がランク3位に食い込んでいますが、4位には申ジエ。5位にはユン・チェヨン。8位にはベテラン李知姫と、トップテンにはすでに韓国勢5人が占め、日本選手の入り込むスキがありません。昨年、日本選手として4年ぶりに賞金女王を奪い取った鈴木愛が、今年も頑張りそうですが、日本の若手にいま一息の成長が待たれます。次々と輩出してくる韓国勢の包囲網をどう払いのけるか、見ものです。

国内では推薦出場しながら、米ツアー復帰の夢を捨てない横峯さくら
国内では推薦出場しながら、米ツアー復帰の夢を捨てない横峯さくら

いまひとり注目を集めたのは横峯さくらです。昨季は米ツアーの出場資格を失い、帰ってきた日本ツアーでもシード権がありません。今回も主催者推薦で出場、3日間ともアンダーパーで回って久々の大きな声援を受けました。最終日、最終組でアン・ソンジュ、申ジエの韓国勢と同組で回り、一時は首位に1打差まで迫りましたが、いま一つ迫力が足りませんでした。最後は2打差の単独3位。560万円の獲得賞金は貴重なものでした。

通算9アンダーで14年11月の大王製紙エリエール以来のトップ3入り。「スコア的にはナイスプレーでしたが、1回もトップを捉えることが出来なかったのは残念。でも3日間アンダーだったのは久しぶりで自信になりました」(さくら)と、推薦を受けた主催者にも少しは顔が立ったと笑顔でした。

米ツアーの賞金女王にもなった申ジエ(韓)、いまは日本での女王を狙う実力派
米ツアーの賞金女王にもなった申ジエ(韓)、いまは日本での女王を狙う実力派

昨季は主戦場の米ツアーでは17戦して予選落ちが11試合。全くいいところなく賞金シードを失いました。オフには米合宿でスイングの修正に取り組み、その成果が少しずつ表れてきているようです。14年に結婚したメンタルトレーナーの夫・森川陽太郎さん(36)との二人三脚がまだ続いています。 今季は日本での再起を図りながらも「とりあえずはアメリカに専念することになるでしょう」(さくら)という。5月以降には出られる試合もあるそうで、そこまでは日本で頑張り、再渡米の予定だとか。米ツアーに執念を燃やすさくらの復活を祈るしかありません。今週は国内の開幕第3戦、Tポイントレディス(大阪・茨木国際)を目指しています。(了)