4人の子だくさん、梁津満(リャン・ウェン・チョン=中国)、2600万円をゲット!海外勢止めるのは、だれ?男子ツアー開幕。

今季、男子国内開幕戦、チャンピオンに輝いた梁津満(中国)=東建ホームメイト杯、三重・東建多度CC名古屋

今季、男子国内開幕戦、チャンピオンに輝いた梁津満(中国)=東建ホームメイト杯、三重・東建多度CC名古屋

国内男子ゴルフツアーが、遅まきながら13日に開幕。またも外国人パワーが炸裂。
1月に海外2試合で開幕した男子ツアーは都合3戦とも外国人の優勝。昨季最終戦、日本シリーズJT杯の朴相賢(パク・サン・ヒョン=韓国)から4試合連続で外国選手が勝ち、女子に続き男子ゴルフも海外勢打倒が今季の大目標になりました。東建ホームメイト杯、勝ったのは最終日、首位で出た中国の梁津満(リャン・ウェン・チョン)。68で回って通算16アンダー(大会最多アンダーパー、最少ストローク)の圧勝。日本ツアーで戦う38歳のベテラン。15年の日本ツアー選手権以来の2勝目でしたが、4人の子供を抱えるパパが頑張った久々のV。3年後、42歳になる東京五輪には「絶対出たい」と、息巻く中国パワーの鼻息には、日本勢も負けてはいられません。

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個性的なスイングで長打を飛ばす梁津満(三重・東建多度CC名古屋)写真提供:JGTO

個性的なスイングで長打を飛ばす梁津満(三重・東建多度CC名古屋)写真提供:JGTO

中国・広州にある梁の自宅には、12歳の長男を頭に、8歳、5歳と、まだ1年4ヵ月の一男三女がいる子だくさん。中国アマを3連覇してプロに転向。日本ツアーに初めてやってきたのは04年でしたが、アジアンツアーやワンアジアツアーなどとの掛け持ちで転戦、その両ツアーで賞金王にも輝いています。10年には全米プロにも挑戦、3日目にコースレコードの64で回って8位に入る活躍をしました。日本では15年の日本ツアー選手権で、2位に5打差をつける完全優勝。それまで2位が5回、3位が7回と惜敗続きだったうっぷんを晴らしました。
この優勝で5年シードを得たのを機に、出場試合を絞って家族と一緒にいる時間を多くとるようにしました。そのせいか、日本で1勝した後は低迷が続き、昨季は15試合のうち7試合で予選落ちなどの苦戦続き。賞金ランクも60位とギリギリのシード確保でした。梁(リャン)の名前も薄れがちだった今季、海外開幕のシンガポールOPでも予選落ち。ところが日本国内でのスタートで久々のしぶといゴルフを取り戻しました。最終日、前半は足踏みしながら、バックナインに入った12番(パー5)でバーディーを取ると、14番、15番と連続でピンに絡ませて連続バーディー。ここで単独トップを奪い返し17番(パー5)ではグリーン外からパターを使って寄せる小技でバーディーを重ね、完全に突き放しました。

最終日、一時はトップに立ち、4年ぶりの3勝目を目前にしたが、終盤梁津満に逆転を許し2位にとどまった藤本佳則(東建ホームメイト杯) =写真提供:JGTO

最終日、一時はトップに立ち、4年ぶりの3勝目を目前にしたが、終盤梁津満に逆転を許し2位にとどまった藤本佳則(東建ホームメイト杯)
=写真提供:JGTO

☆梁津満の優勝コメント
「前半、勝ちたい気持ち、負けたくない気持ちで安定したゴルフができなくて苦しかった。後半12番のバーディーで調子が上がってきた。最後までの展開は読めなかったけど、1打1打に集中してスコアを落とさないようにと頑張った。藤本(佳則」さんより一緒に回っていた藤田(寛之)さんがライバルと思ってやっていた。後半はスコアも伸びてきて、自分のライバルはだれか、というのも分かってきた。ツアー選手権に勝ったあと調子を崩しましたが、今回の優勝は自分にとってすごく自信になった。まだ完ぺきには程遠いので安心はしていません。今週は谷原秀人さんや池田勇太さんもいなかった。これらの人とも一緒にプレーして上位にくれば、もっと自信がつくと思います。藤田さんもお子さんが2人いると聞きました。自分もいい父親になれるようプレーも頑張っていきたい。2020年の東京五輪には参加したいと思ってますから」

優勝賞金2600万円は、4人の父親にとってビッグなプレゼントです。アジアを中心に世界を股にかける″渡り鳥〝のタフな生きざまには、日本選手も負けていられません。
海外開幕のSMBCシンガポールOPはプラヤド・マークセン(タイ)、レオパレス21ミャンマーOPはトッド・シノット(豪)。そして国内第1戦の東建は梁津満。男子ツアーも日本勢は優勝できず、昨季の最終戦から海外勢に蹂躙(じゅうりん)されっ放しです。
東建でも優勝を含めベスト15のうち9人は外国勢。優勝した梁津満のほか3位に入ったジュビック・パグンサン(韓=38)は12年から日本ツアーのシード選手(未勝利)。4位タイの任成宰(イム・ソンジェ=韓、19)は昨年、高校生プロとして日本ツアーに参戦。181㌢、82㌔の体躯から放つ飛距離はA級。いきなり賞金ランク59位でシードをとり、2年目を迎えています。8位タイのS・Hキム(韓=31)は、15年から日本ツアーのシードを守っている選手。歴代賞金王、金庚泰(キム・キョンテ)とは同い年で、ジュニア時代からの好敵手です。同じく8位タイのC・キム(韓=27)。韓国生まれながら2歳でハワイに移住。のちアリゾナ州に移り、アリゾナ州立大在学中の10年にプロ転向。日本ツアーにはQTを経て16年の賞金ランク69位で初シードを手にしました。188㌢、105㌔の巨体から16年にドライビングディスタンス歴代最高の311.29ヤードを記録した選手です。8位タイのドンファン(韓=30)は日本でもおなじみ。06年から日本でシード選手。09、10年2年間の兵役で日本を離れ、3シーズンぶりの復帰となった11年にはトーシンで日本ツアー2勝目を挙げました。その後、米ツアーのQTを通過して米ツアーで戦いましたが、今季5年ぶりに日本のQT10位で12年以来の国内ツアーにカムバック。第2戦のミャンマーOPでは73位と振るいませんでしたが、東建では8位に入って存在感を示しました。15位のスンス・ハン(韓=30)。13歳で渡米してゴルフを始め、米下部ツアーやアジアンツアーでプレー。日本ツアーにも14年に参戦。成績を出せないまま15年のQTに挑戦してトップ通過。16年には腕を上げて賞金ランク47位。晴れてシードを得た苦労人です。
下位にも実力を秘めた選手がいます。今季海外第2戦のミャンマーOPに勝ったトッド・シノット(豪=25)は、33位タイで振るいませんでしたが、ミャンマーOP優勝の資格で、今季は日本ツアーに初参戦する新鋭です。豪州・メルボルン生まれ。15年にプロ転向して豪州ツアーにとどまらずPGAツアー、中国、欧州、アフリカなど世界各国で武者修行している渡り鳥。出場権を得た日本ツアーで大暴れするかもしれない秘密兵器です。

多士済々の外国パワーがひしめく日本ツアー。日本人選手のだれが、この勢いを止めるでしょう?いよいよ始まった国内ツアーに注目です。