新選手会長・石川遼(26)6季ぶりの日本ツアー開幕戦で早くも〝息切れ″。小平智(28)はマスターズの灯り見えた!

2位に5打差をつけて優勝、マスターズ覇者の貫禄をみせたセルヒオ・ガルシア(スペイン)=シンガポール・セントーサGC(提供:JGTO)

2位に5打差をつけて優勝、マスターズ覇者の貫禄をみせたセルヒオ・ガルシア(スペイン)=シンガポール・セントーサGC(提供:JGTO)

アジアツアーと共催の日本ツアー開幕戦「SMBCシンガポール・オープン」が、気温30度を超える酷暑のシンガポールで行われました。昨年のマスターズ覇者・セルヒオ・ガルシア(38=スペイン)を迎えて世界基準のセントーサGC(パー71)での開幕戦。小平智(28)が通算9アンダーで2位タイに食い込み、高いポイントを得て念願のマスターズ出場資格獲得へ大きく前進しました。選手会長として6年ぶりに日本ツアーへ復帰した石川遼(26)の″初陣〝は通算4アンダーで16位。宮里優作は通算1オーバー、40位で、予選落ちのソニーOP(ハワイ)に続き調子を上げられませんでした。優勝は通算14アンダーのセルヒオ・ガルシア。2位に5打差をつけた貫録の今季初勝利です。

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マスターズ出場を夢見る小平智。シンガポールOP2位で望みも!

マスターズ出場を夢見る小平智。シンガポールOP2位で望みも!

マスターズ出場を狙う小平は「暑さで最後はバテバテ。脱水症状気味だった」といいながらも、パー5の最終18番で残り275ヤードを渾身の力をふり絞って2オン。13㍍のイーグルパットは成りませんでしたが、楽々のバーディーフィニッシュ。この日パープレーの71に戻して2位浮上。52位だった世界ランキングを42位前後に上げ、マスターズへの夢をグンと引き寄せました。年末時点で「世界ランク50位以内」に入れず、新年でのランクアップを目指す小平智には上々の出足です。ハワイでのソニーOPでは最下位で予選落ち。屈辱の汚名挽回をかけたシンガポールでは心機一転を期した小平でした。天候不順による連日のサスペンデッドが続く難しい試合展開。小平は気温30度超の中で必死に頑張りました。1Rは66でトップスタート。2Rは一つ落としましたが12位と踏ん張り、3Rは66をマークして4位と、トップを走るガルシアに食い下がりました。最終日も気温30度の中、前日残した6ホールを加えて24ホールの長丁場を凌ぎ、なんとかパープレーに抑える健闘。優勝のガルシアには5打及びませんでしたが、2位タイは朗報でした。52位だった世界ランクは″マスターズ圏内〝に入ってきました。マスターズ出場権を最終ゲットするには3月25日時点での「世界ランク50位以内」。ここまで「50位以内」を維持できれば、晴れてマスターズ切符をつかむことができるのです。

小平智(左)と石川遼(右)。今季は国内ツアーを引っ張る二人だ。(昨年11月、三井住友VISA太平洋=静岡・太平洋クラブ御殿場)

小平智(左)と石川遼(右)。今季は国内ツアーを引っ張る二人だ。(昨年11月、三井住友VISA太平洋=静岡・太平洋クラブ御殿場)

「まだまだ気が抜けません。これから出る試合は全部一番になるつもりでやる。ガルシアには届かなかったけど、世界基準のコースで上位に入れたのはうれしい。1打1打ムダにしないでこういうゴルフをしていれば、マスターズにも行けると思う」(小平)と、気を引き締めるコメント。昨秋にエースドライバーのヘッドが割れて以来、苦労しましたが、シンガポールへきてようやく頼れるニュードライバーに出会えたようです。

次週25日からは、やはり日本・アジア共催の第2戦「レオパレス21・ミャンマー・オープン」に臨みます。すでに年内でマスターズ出場資格を確保した宮里優作は、ハワイでも予選落ち。シンガポールは40位と連戦で振るわずモチベーションが上がっていませんが、逆に気合が入る小平の戦いぶりはこれからも注目です。

6季ぶりに日本ツアー開幕戦に参戦した石川遼。予選ラウンドは世界ランク10位、昨年のマスターズ覇者ガルシアと同組で緊張度も高ぶった様子でした。インスタートの18番(パー5)ではガルシアがイーグルをとると、石川は3つ目のバーディーで食い下がる。後半3番で遼はダブルボギーを叩きながらも2アンダー、11位と好発進。2Rでは66で首位に立ち、決勝に進むゴルフをみせました。3日連続のサスペンデッドでなかなかリズムをつかめない中で、石川はパターに復調の兆しをみせ、ひところの不振続きのゴルフからは脱出した感はありました。ただ、3Rの残り9ホールからのプレーとなった最終日。連日の30度超の暑さは、遼のゴルフを変えました。

今季は6年ぶりに日本ツアー本格復帰の石川遼。新選手会長の重責も。

今季は6年ぶりに日本ツアー本格復帰の石川遼。新選手会長の重責も。

ショットが曲がり、池ポチャを連発。優勝争いから脱落しました。試合2日前に右肩肩甲骨周辺の筋肉を痛めていたのが再発。「朝から右の肩甲骨あたりがうまく動かず、スイングが悪くなった。トップに入らないままダウンスイングするから、体も開くのが速くなった」(遼)。

それでも最終18番(パ-5)では「脱水状態でボーッとした感じで打った」という10㍍強のバーディーパットをねじ込み、大観衆を沸かせたのは遼らしいフィニッシュでした。最終日パープレーに終わり、通算4アンダーの16位タイ。38歳のガルシアが最終Rは ノーボギーの68で回ったのに比べて26歳・遼のスタミナ不足は否めませんでした。
「米ツアーと遜色のないコース。そこで4日間持たず、最後はショットがバラバラになった。優勝争いができず悔しい思いだった。ガルシアの底力を感じました」と、潔く敗戦の弁を勝った遼。世界のレベルを改めて思い知った開幕戦。今季は選手会長としても日本選手の先頭に立つ石川遼への大きな「喝」でした。

日本ツアーは次週ミャンマーでもう1試合アジアとの共催試合を行った後、4月12日に東建ホームメイト杯で国内ツアーの幕開けとなります。(了)