逆境をバネにした男・イップスとも闘う堀川未来夢、4年ぶりの復活劇!

劇的逆転Vで見事な復活(JGTO提供)

イップスを乗り越え4年ぶりの逆転優勝を33歳の堀川未来夢が果たしました。22年の「マイナビABC選手権」以来となる通算5勝目。3打差4位で出た「中日クラウンズ」(愛知・名古屋GC和合コース、パー70)最終日。7バーディー、ボギーなし。「63」のビッグスコアを出し通算16アンダーでの劇的逆転V。イップスを乗り越えての復活優勝には、低調続きの男子ゴルフ界は湧きました。神奈川・厚木生まれ、日大出身。

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ホリカワ・ミクム(堀川未来夢)。未来に夢を持って欲しい、と父親がつけた名前。その夢を叶えるようなミクムの4年ぶりの逆転5勝目でした。あれは2019年、ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」のプレー中のことでした。突如右手に違和感を覚えたのがその発症。

これはきっとイップスに違いない。プロゴルファーにとっては致命的な出来事でした。

2㍍ほどのパットがカップ3つ分くらい外れる。ロングパットはウエッジを使って打たざるを得ないこともあったとか。どうにもならない状態で、以来パッティングではさまざまなグリップを試し、現在の右手を添えるクロウグリップにたどりついたという。それでもラインや距離によってグリップを変え、右手イップスを外すことが何とかできたとか。また、パットで右手の震えが出始めたら次のティーショットにも違和感が残る。ドライバーを持つと殆どが林の中なので、3W以下のクラブで刻むケースが多くなる。いまもその違和感は消えておらず、ナイスショットをするイメージは持てないままだという。

人気You Tuberでもある(JGTO提供)

最終日の18番(パー4)。一組後ろの細野勇策を1打リードして迎えた単独首位の場面。「ドライバーを持った」という。3Wで刻めば2打目が左足下がりで180ヤードほどが残るのでボギーの確率が高くなる。フォローの風を頼みに、思い切って左クロスバンカー方向を狙って打った。この〝勝負の一打〟はうまく左方向へ飛んで軽いラフへ。そこから打てた2打目がピン7㍍に乗って2パットのパーをセーブできた。「ノーボギーで〝63〟なんていうビッグスコアが出て勝てた。ラッキーでした」と振りかえった堀川でした。

突然のイップスに見舞われながら、前を向いて歩き続けたミクム。「その分逆に練習量が増えた」というからすごい。まさに逆境をバネにしたプロの生きざまでしょう。

ゴルフ人気獲得のため、You Tubeチャンネルで積極的に発信し、登録者は43万超えをマークしています。ゴルフ場に入れば常にギャラリーの方を向いて笑顔を振りまく堀川未来夢。カメラに向かってはピースサインやサムアップ。ホール間ではギャラリーに向かってグ―タッチの連発。ファンサービスと大会を盛り上げる努力を常に惜しまないミクムくん。今季は〝年間王者〟を目指しているという。優勝賞金2200万円のほかに、開催年数40年(40回=中日クラウンズは第66回大会)以上の試合には付加される暦年プレミアムポイントの525PTも獲得。そのトップにも立ちました。男子ツアーには欠かせない男・ミクムをお忘れなくー。

【イップス】主にスポーツで普通にできていた動作が突然できなくなる運動障害。心理的要因が強い。ゴルフでは不安やプレッシャーがきっかけでフォームが崩れたり、体や手指が固まってパターが打てなくなったりする現象のこと。