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相手が嫌がるゴルフを思い出した!やっと挙げたシニア2勝目。永久シード選手・片山晋呉!

アップ・ダウンのきつい難コース、「宝塚クラシックGC」を制覇した永久シード選手・片山晋呉。シニア2勝目。(提供:PGA)

レギュラーツアー31勝の永久シード選手。2023年にシニア入りした片山晋呉がやっと国内2つ目のシニア優勝を果たしました。いまにも勝てそうな試合はいくつもあったのに、シニアの水に馴染まないのか、“逸勝”ばかり。昨年6月の「すまいーだカップ」以来ようやく挙げた2勝目でした。試合は兵庫・宝塚の丘陵にある「宝塚クラシックGC」(6483ヤード、パー71)。今季新設された『ユニテックス・シニアオープン』。手造りのホールがいくつもある晋呉好みのコースで「関西に来たらいつも来ていた」(片山)舞台での快勝。初日からトップタイに立ち、最終日はスタートの1番(519ヤードパー5)でいきなりのイーグル発進。2番(パー4)もバーディーが続いたロケットスタートで1イーグル、3バーディー、2ボギーの「68」。通算7アンダーで久保谷健一、D・スメイル(ニュージーランド)らを競り落とし優勝賞金500万円で今季開幕戦を制しました。

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アップ&ダウンも結構多い宝塚クラシッククラブ。1位タイで出た最終日1番。2打目の残り210ヤードには、使い慣れたユーティリティ。このショットが綺麗な弧を描いて2オン。8㍍のイーグルパットを見事に決めました。朝イチから気分が乗った2番でも、グリーン左サイドからのチップイン。5番のパー5でも気持ちよくバーディーパットが入って、トップ街道を突っ走りました。このオフ、パッティングの練習量とグリーン周りからのショートゲームを凄く増やしたという効果なのか。開幕戦を控えて「自分の中で一番いいパッティングがずっとできるようになっていたんだ」という。何とそのパター、中古品など格安で手に入る“メルカリ”で5000円で買ったものというから分からないものです。片山に言わせるとこのパター、20年くらい前のもので、もういまでは手に入らない代物。それを見つけて買ったのが気に入ったんだとか。「なにがよかったのか。でも、はっきりいえるのは、昔のパターの方が軽いこと。いまはどんど重くなってきて、それにつられて重いのを使ってしまう。もっと軽いものを使いたいなとの思いも続いていて、それもよかったのかな」と振り返る。道具好き、若い頃から一風変わったことがお気に入りの“晋呉流”の真骨頂ともいえるハナシです。

晋呉の話は続きます。

「前の組か、僕らの組しか優勝は出ないコース。ここはビックスコアは出ないのは分かっていたし、自分は絶対優勝争いができると思っていたので、イーグルをとっても連続でバーディーがきても最後まで冷静でしたね。最後の最後パターを入れるまでテンションは変わらなかったです」

個性派“NO1”を自他ともに許す片山晋呉。今季シニア開幕戦を制覇。また楽しいゴルフをみせてくれるか。(写真は23年太平洋マスターズ)

シニア(50歳から)になって勝てそうで勝てない試合が多かったですが、それについても片山らしく話しました。

「去年も勝てそうで勝てない試合がいくつもあった。自分は慣れないとダメという性格なので、シニア1年目はなんだか分からないまま終わって、去年は勝てるかなと思ったけど勝てなかった。ようやく今年は慣れてきて、先輩方との会話もとてもやりやすくなった。自分のしなきゃいけないことも明確にわかって、レギュラー時代はできていた相手が嫌がるゴルフもまたできるようになった。冬の間にいろいろ練習などやったのが良かったのだろうと思う」

シニア3年目。52歳。茨城出身、水城高、日大と進み95年にプロ転向。2000年にはツアー終盤4戦で3勝して初の賞金王。04年からは3年連続賞金王に君臨。08年ツアー25勝となり史上7人目の永久シード選手。日本タイトル4冠。15年には尾崎将司に次ぐ史上2人目の生涯獲得賞金20億円を突破。海外でも01年全米プロ4位。09年マスターズでも4位に入っています。強烈な個性で百戦錬磨、シニア入りで環境の変化に悩んだあと、今シーズンの片山晋呉は、また新たな“顔”をみせてくれるのではないだろうか。(了)