
今季、日本から世界の舞台に飛び出した金谷拓実(26)。いきなり4試合連続予選落ちの洗礼を浴びています。米ツアーで3戦予選通過がないまま、3週間出場試合のない米国から欧州ツアー(DPワールドツアー)に飛び「カタール・マスターズ」(ドーハGC)での再起をかけましたが、ここでもカットラインに1打及ばないイーブンパー67位で4戦連続の予選落ち。次の米ツアー戦は2月20日からの「メキシコ・オープン」なのでその間、経験値のある欧州に留まり立て直そうという苦肉の策。国内ツアー7勝、海外1勝(アジアツアー)。昨季は国内で逆転賞金王の栄冠をつかんだ“天才児”が、世界で目覚めるのはいつ?日本では今季「SOMPOひまわり生命保険」との所属契約を締結。さらなる力強いサポートを得たばかりですがー。
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初の賞金王に輝いた金谷は、昨年末、狭き門のPGA最終予選会で3位となって米ツアーの出場権を獲得しました。プロ2年目の21年からは「SOMPOひまわり生命」がスポンサー契約(準所属契約)で、金谷のサポートを続けていました。その金谷が相次いで大きなタイトルをゲット。その期を捉えた「SOMPOひまわり」が、契約もビッグに見直し『所属契約』に格上げしたという経緯があります。

金谷は「今季は念願のPGAツアー出場権も獲得できて、心機一転、心強いパートナーとともに世界の舞台で自分らしく頑張りたい」とコメントしていました。日本男子の注目の人だっただけに“4試合連続予選落ち”のニュースには、驚かされました。日本ではあまりない手ごわい強風。コースの芝の違い等々「ティーショットは凄くいいのに、パッティングが風の中でなかなかうまく打てない。米ツアーは初めての体験ですから、日本とは違ういろいろな環境に早く慣れないと・・」と金谷の苦しい胸中です。「ソニーOP in ハワイ」「アメリカン・エキスプレス」「ファーマーズ・インシュアランス」と立て続けに厳しいコースで“3連敗”。金谷の頭の中はもう真っ白だったに違いありません。
このあと3試合米ツアーでの出場権がないため、金谷が窮地脱出をかけた決断は、欧州行きでした。プロになったあと22年には欧州ツアーを中心に、1年間海外を主戦場にした経験のある金谷です。そしてインターナショナルツアー「オマーン」(アジアツアー)で初勝利したのは忘れられません。金谷が飛んだのは“中東の楽園”ともいわれるカタールの首都ドーハ。ペルシャ湾に面した美しい港町ですが、金谷が勝った「オマーン」とは隣接する地域です。
遠い米国から足を伸ばしたそのカタールでも、金谷の運は開けませんでした。2月6日からの「カタール・マスターズ」(ドーハGC パー72)の試合。2ラウンド目は30位から出ての激戦でしたが、1バーディー、3ボギーの「74」と伸ばせず、イーブンパーの「67位」でまたもカットラインに1打足りず、同僚の桂川有人とともに予選通過は成りませんでした。
1月9日に始まったハワイから、初の予選通過がないまま、1ヵ月が経ちます。欧州で過ごす3週間のあと、次の米ツアーは2月20日開幕の「メキシコ・オープン」です。「この1ヵ月の経験を生かしてもう少し自信をもってプレーしたいですね。米ツアーを本拠地にするのはなにせ初めてですから」ー。苦しみの中から這い上がろうとする金谷拓実の実力を、早く見たいものです。
(了)