
米国帰りの日本男子、大西魁斗(27)。能登半島&熊本地震の復興支援と銘打った「リシャール・ミル・チャリティー」(石川・朱鷺の台CC、パー70)で、神がかり的な「62」「60」を連日連発。4日間通算21アンダーで大逆転勝利。4年ぶりに国内2勝目を挙げました。国内初勝利の「フジサンケイクラシック」(22年)のあと、23、24年は米国2部ツアーに挑戦。24年の2部「UNCヘルス選手権」で1勝したもののシード獲の維持はできず、今年は2部ツアーから再挑戦。12試合で予選通過は5回ほど。海外での厳しい荒波に加え、今回も最終日、大詰めでの大ピンチを「67」で凌いでの勝利でした。苦戦続きの大西魁斗に待望の光明が僅かに差し込んできたといえそうです。優勝賞金は2000万円。
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大西魁斗。5歳でクラブを握り練習環境を求めて9歳で渡米。13歳でIMGアカデミーに入って腕を磨きました。南カリフォルニア大学時代はオールアメリカンに選ばれたほど。「全米ジュニア」でも活躍。「全米アマ」にも19、20年と出場しています。21年にプロ転向し、日本でプロ生活をスタートさせた多彩なキャリアの持ち主です。22年の国内1勝は、プレーオフ(韓国・朴相賢)を制しての初勝利でした。苦戦が多かった昨年あたりから米PGAツアーで得た教訓がようやく日の目を見るようになったのです。
「自分が決めたルーティンをしっかりとやり切ること。米国のPGAツアーでできなかったことを意識してやるようにしている」と大西。今回、最後まで争った小平智や出利葉太一郎のショットにも惑わされず、ドライバーから目をそらしアイアンで打っていくゴルフもできるようになったという。「基本はフェアウェイをキープすること。特に今回は少し余分に飛んでも、ラフに入ればすぐボギーがくるコースだったから、自分が決めたマネージメントを貫いた」という。今季は8月中旬から主戦場を国内ツアーに移し、10試合目のタイトル獲得でした。ボギーなしの10バーディーなどという、爆発的なスコアも苦労した米国ツアーから得た〝産物〟でもありました。

2日目に出した「62」を上回る3日目の10アンダー、ボギーなしがスゴイ。この日、特に後半の9ホールは劇的でした。16番(パー5)では2オンした下り約8mのロングパットをねじ込む、奇跡に近いプレーもみせました「あれは速いラインをしっかり読めた。重要な距離感もうまく合った。入ってくれてホントによかった」と、勝利を呼び込んだイーグルパットを自画自賛しました。さきの週「日本シニアオープン」で宮本勝昌が勝負のかかる大詰めで15mのイーグルパットを決めた快挙を思い起こさせました。ただ、最終日、2打リードできた最終18番(パー4)。ティーショットを右に曲げ、ボールは立ち木の根元付近に止まるという大ピンチに見舞われました。3オン2パットのボギーで何とか1打差のリードを守り切りましたが、冷や汗のフィニッシュでした。
大西は「重要な場面でいい球を打てなかったのが悔しい」と反省もしきり。4年ぶりの2勝目の快挙にも「気持ちのアップダウンが大きかった。まだまだです」と笑顔はひっこめたまま。〝勝ってカブト〟の魁斗でした。
大物と謳われながら、なかなか勝利に恵まれなかったこの男。苦労した日々はまだ晴れきらないのでしょうか。ようやく明るい兆しもあって、再昇格を目指す米ツアーへの期待もグンと高まりそうです。
