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青木功会長の後任は“ピンチヒッター”で諸星裕氏(77)。男子ツアー新会長決定は総会当日朝のドタバタ劇!

JGTOの新会長に選出された諸星裕氏(中央)と倉本昌弘副会長(左)、谷原秀人副会長(右)=東京・赤坂=

4期8年を務めて退任した日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功前会長(81)の後任に理事、副会長の経験がある桜美林大学名誉教授の諸星裕(もろほし・ゆたか)氏(77)が選出されました。後任選びは“本命”とみられた倉本昌弘プロ(68)が会長就任を固辞したことから難航し、外部招へいに切り替え、大和証券グループ元会長鈴木茂晴氏(76)との交渉がぎりぎりまで続きましたが、結局折り合いがつかず、総会・臨時理事会当日の朝(都内・3月19日)、諸星裕氏に最終要請をして了解を得るというドタバタ劇でした。島田幸作、小泉直(トヨタOB)、海老沢勝二(NHK会長)、青木功各氏に続く第5代会長で3人目の外部からの就任。任期は2年。副会長には倉本昌弘氏(新任)、選手会長の谷原秀人プロ(留任)ら4人がが就任。今季は昨年より2試合減の24大会とツアー最少試合数に並ぶなど人気低迷の男子ツアー。新体制がどこまで窮地を立て直せるか。注視されます。

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“外部”から招へいされたJGTO諸星裕新会長。

諸星新会長は、JGTOが1999年に発足した当時から14年間、国際関係担当理事や副会長を務めた人物です。日米の大学で通算40年以上にわたって教授や副学長も歴任し、海外生活の長い国際派。米ミネソタ州立大特別功労教授で自身はアメフト出身。これまでサッカーW杯や世界体操の日本招致にも尽力した経緯があります。日本の男子ツアーとも長年接触があることから、今回の会長就任は“JGTO復帰”ともいえる人です。新会長招致には“本命”とされながらも固辞した倉本氏が、選手会からも全権を委任されて自ら会長探しに奔走。大和証券グループ(元)鈴木氏との交渉が難航したことから2週間ほど前、倉本氏は諸星氏に「いま交渉している人が決裂した場合には受けていただけますかと失礼なお願いをしていた」という。で、諸星氏は「ある程度は覚悟はしていましたが、本当にこうなるとはビックリしました。私はピンチヒッターなんです」と、舞台裏を笑って明かしています。
“まさか”と思っていたことが現実となったのは、なんと都内で行われた新会長を決める選手総会・臨時理事会の当日の朝だったという。「会場に来る途中、用賀(世田谷区)あたりで、交渉中の人(大和証券鈴木元会長)を断念した倉本さんから“会長でお願いします”という電話をもらったんです」と新会長。

東京・赤坂のANAインターコンチネンタル東京での総会・理事会へそのまま直行。記者会見にも臨んだ諸星氏。「14年間(JGTOに)いたところだから、ある程度のことは分かっている。米国・欧州ツアー、LIV、韓国、アジアンツアー、そして日本ツアーといろいろ調べました。僕のできることは国際的な部分だから。中国、オーストラリア、インドあたりまで視野を広げてそれぞれのリーダーと話をしていきたい。4月のマスターズにも行き、ジェイ・モナハンさん(米ツアーコミッショナー)にも会いたい」と早速、国際派としての意欲をみせています。

しかし、国内で直面している男子ツアーのシビアな現状打開は難題。さしあたってスポンサー企業と接点を持ち、減少している試合数の回復を図ることが急務ですが、簡単にはいかない事案です。昨年から2試合減って24試合は、これまで4回ある年間最少大会数と同数。副会長に就任した倉本昌弘氏は「これからのJGTOはいばらの道です」と、現状打破へ自らを引き締めています。世界のレジェンド・青木功会長でも思うようにはいかなかったスポンサー獲得がどこまでうまくいくか。プロ以外から登板する新会長の“マジックハンド”に期待です。

新生JGTOの先頭に立てるか。昨年の賞金王・中島啓太。

(了)