韓国パワーさらに強し!全米女子OPを捨てて日本ツアーで勝ったキム・ヘリム(27)。日本ツアー、初参加初優勝の新鋭。

2年連続賞金女王のイ・ボミ(韓国)は今季、やや不調だが・・。
2年連続賞金女王のイ・ボミ(韓国)は今季、やや不調だが・・。

韓国勢強し!日本ツアー初参戦のキム・ヘリム(27=金楷林)、2位に4打差つけて圧勝。サマンサタバサ・レディース(茨城・イーグルポイントGC)は、同じ週に全米女子オープンのメジャーがあり、日本からも賞金上位選手が参加。キム選手も世界ランク34位で出場資格を持ちながら日本ツアーを狙って、優勝賞金1080万円を手にしました。まさにしたたかな韓国勢の一人ですが、日本ツアーのライセンスをとったことでヘリムは来季からは日本への本格参戦を宣言。強力な韓国パワーがまたひとり日本女子ツアーにやってくることになりました。全米女子オープンでも韓国のパク・ソンヒョンが優勝、トップ3位には韓国勢4人が入るなど、世界に広がる韓国勢の強さは静まるどころか、ますます燃え盛る勢いです。

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イ・ボミに代わって今季早くも3勝のキム・ハヌルが台頭してきた。
イ・ボミに代わって今季早くも3勝のキム・ハヌルが台頭してきた。

韓国ツアーからの招待選手キム・ヘリムの強さは、日本勢を圧倒しました。2年連続賞金女王のイ・ボミが、今季やや不調でまだ優勝がないと思えば、キム・ハヌルが代わって早くも3勝。賞金レースを突っ走っています。と思えば、今回はロッテ所属、サマンサタバサのスポンサーシップで招待された日本では聞きなれないキム・ヘリムが圧勝です。通算6アンダーで2日目トップに立つと、最終日はボギーなし、5バーディーの67で回って、2位も韓国のユン・チェヨンに4打差をつける独走ぶりでした。初参戦初優勝は、15年のワールド・サロンパス・カップのチョン・インジ(田仁智)以来のこと。今年はセクシークイーンのアン・シ

今季、セクシーゴルファーで人気のアン・シネ。韓国勢は多士済々だ。
今季、セクシーゴルファーで人気のアン・シネ。韓国勢は多士済々だ。

ネ(27)が日本ツアーで話題を振りまいていますが、今度は実力派ヘリムの登場ですから穏やかではありません。167㌢と上背はありませんが、しっかりした体躯からのきれのいいショットは、ボギーの少ないゴルフでなかなかの安定感でした。中学2年まではテコンドーをやっていましたが「テコンドーは女性としての未来があまり見えなかったので」(ヘリム)と、中学3年にゴルフに転向した彼女です。

プロになったのは高校3年(07年)のとき。スタートが遅かったこともあってゴルフの上達には時間がかかったとか。アマ時代の代表歴はなく「1部2部を行ったり来たりして、そ

日本勢の急先鋒になるかと思えた上田桃子。一時はヘリムを1打差まで追い詰めたが、及ばなかった。
日本勢の急先鋒になるかと思えた上田桃子。一時はヘリムを1打差まで追い詰めたが、及ばなかった。

の間に精神的、技術的なことを多く培ったと思う」とヘリム。昨年になって初めて韓国ツアーで初優勝(2勝)したばかり。今季は現在韓国ツアー2勝して賞金ランク2位。今季は韓国ツアーの賞金女王をめざし、来季開幕からは日本ツアーに乗り込んでくる計画です。

「一生のなかで一番嬉しい日」と、満面の笑みで優勝賞金や副賞のベンツのキーを受け取ったヘリム。親の勧めで賞金の10%を慈善団体などに寄付することを励行しているのは素晴らしいこと。今回も賞金の10%は寄付するという。「ボランティアに参加したり、寄付したりすることはいいことと思って続けています。い

成田美寿々も2日目、最終日と60台でヘリムを追撃したが・・。
成田美寿々も2日目、最終日と60台でヘリムを追撃したが・・。

ままでで3000万円くらいはしてきましから、1億円を目指したい」と、慈善活動にも力を込める″チャリティ・エンジェル(寄付の天使)”さんです。

「今年の初めからこの試合に出ようと準備してきました。日本のことは、以前日本で活躍したジョン・ユンジュプロが厳しさを教えてくれたし、イ・ミニョンプロからは日本での楽しいツアー生活を聞きました。日本はギャラリ―の文化がすごいのと、優勝したら副賞もたくさんあるのが嬉しいです。今回はラフが深かったから、ドライバーショットでフェアウェイキープ率が高かったことがいいアイアンショットが打

若手の筆頭、堀琴音も健闘したが、5位どまり。
若手の筆頭、堀琴音も健闘したが、5位どまり。

てた原因です。得意なクラブはアイアン。苦手なのはパターです。日本の選手は飛距離が韓国の選手よりないですけど、パッティングが上手いので勉強になりました。全米女子OPでも韓国の選手が上位にきていますけど、羨ましいことはありません。きょう日本で優勝できた私が一番幸せです」(キム・ヘリム)

サマンサタバサでは悲願の初優勝をめざした岩橋里衣が初日トップに立って最後まで食い下がりましたが、2位タイが精いっぱい。成田美寿々、永井花奈、上田桃子、堀琴音らも追いすがりましたが、最終日に爆発する力が足りませ

国内の女子プロ人気は上々だが、世界に通じる新鋭はいつ出現する?
国内の女子プロ人気は上々だが、世界に通じる新鋭はいつ出現する?

んでした。最終組で優勝争いをした上田桃子は、一時は1打差まで迫りながら突き放され「情けない。ヘリムはスキのない選手。今度こそリベンジする」と、唇をかみました。同時に行われた全米女子オープンでも、韓国勢がずらり上位を占め、韓国パワーの強さをまざまざと見せつけました。日本から参加した横峯さくら、鈴木愛、宮里美香、川岸史果、森田遥、渡辺彩香は揃って予選落ち。野村敏京、宮里藍は別にして、日本ツアーから参加して予選を通過したのは葭葉ルミただひとりという寂しさでした。

人気だけは高い日本女子。中でも若手選手のブレークに、期待は高まるばかりです。