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飛ばし屋・穴井詩(らら)が小技で勝った!2Rはホールインワン。FRは17番でOKバーディー!

筋肉質な体躯をバネのように使って飛ばす穴井詩。
筋肉質な体躯をバネのように使って飛ばす穴井詩。

飛ばし屋でなる穴井詩(らら=29)が、居並ぶロングヒッターとの優勝争いを見事に制しました。昨年9月のゴルフ5レディス以来の2勝目。プロ10年目の嬉しい″2つ目〝の勝ち星でした。今季から会場を滋賀・瀬田GC西コースに移したセンチュリー21レディスは、″飛ばし屋有利〝の広々としたゴルフ場。2日目を終わってトップに立った穴井詩を追い、川岸史果、葭葉ルミ、成田美寿々といったロングヒッターが上位を占める大激戦。そこから抜け出した穴井は、前日にはホール・イン・ワン。最終日の接戦では17番の大詰で第2打をピン30㌢につけたアイアンの冴えが、光りました。ゴルフは飛ばすだけではないー。

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飛ばし屋ぞろいの優勝戦線。穴井は負けていませんでした。初日は6位スタートの2日目。穴井は1番パー5でいきなり5㍍のイーグルパットを沈めてロケット発進。7番170ヤードのパー3では6番アイアンでホールインワン。2イーグル、4バーディー(2ボギー)の66で一気に単独トップに立ったのです。その2日目、上位に来たのはずらり飛ばし屋ばかり。葭葉ルミ(Dディスタンス1位)、川岸史果(同4位)、成田美寿々(同6位)らが2位タイに並びました。

プロ10年目、飛ばし屋穴井詩がアイアンの切れで勝った!
プロ10年目、飛ばし屋穴井詩がアイアンの切れで勝った!

豪快な飛ばし合いが最終日の見どころかと思われましたが、ゴルフはやはり飛ばすだけでは勝てません。4度目の最終日最終組で待望の初優勝が期待された川岸史果は、15番、16番で約2㍍のパーパットを連続して外し、悲願はまたもお預けになりました。飛ばし屋NO1の葭葉も、75を叩いて3位から13位へ急降下。初日トップで1打差2位グループにいた成田も「バーディーパットが入ってくれない」と、最終日のグリーン上の勝負に勝てず、2打及ばずの3位タイ。
スタート前、3打差以内に9人がひしめいた大混戦を制したのは、飛距離よりすばらしいアイアンの切れをみせた穴井でした。愛知県生まれながら、滋賀県は研修生として下積み生活を送った思い出の地(富士スタジアムGC)。父幸二さんの仕事で13歳で渡米。大学中退してミニツアーも経験した穴井は、07年に帰国して修業を続け、08年にやっとプロ合格しました。筋肉質でバネのような体格から打ち出すフルショットは、280ヤードを飛ばすときもある長打力が売り物。
初日、2日目に上位に来ても、なかなか勝つゴルフができないのが悩みの種でした。2年前から師事する井上透コーチに6月のニチレイでキャディーを務めてもらい、実戦のアドバイスを受けたのも効果がありました。最終日、ユン・チェヨン(韓国)に通算10アンダーで並ばれた17番(パー4)で残り83ヤードのセカンドを58度のウェッジでピン30㌢につけるスーパーショット。このバーディーで通算11アンダーに抜け出して逃げ切ったのです。前日は6番アイアンでホールインワン。最優日は勝負の大詰での絶妙のアプローチ。飛ばし屋が魅せた小技が″勝つゴルフ〝につながったのは、ゴルフの奥の深さを教えられます。

期待の新鋭、川岸史果も4度目の最終日最終組で注目を集めたが″4度目の正直〝成らず。
期待の新鋭、川岸史果も4度目の最終日最終組で注目を集めたが″4度目の正直〝成らず。

「初優勝のときよりも緊張する試合でした。全体的には調子はよくなかったので・・。(飛ばし屋3人の最終組)私はセカンドオーナーと分かっていたので・・。よく話す2人なのでまあリラックスしてやってました。先週は速報ボードを見て崩れたので、もうボードは見ないとやってました。去年初優勝してるんで焦る必要ないんだなと。ウェッジを使うミドルでとれてるのは大きいですね。今年はあと1勝を狙っていきたい。今度はメジャーが欲しい。(11月に30歳に)カン・スーヨン(韓)先輩から、体とか変わる頃だからあまりムリしちゃだめよ、といわれてます」(穴井詩)

昨年、初優勝のときは父親はイタリアに赴任(学校教師)でしたが、いまは帰国中で名古屋に在住とか。今回はコースに応援に来ていて、父親に優勝を見せられたのがうれしいという。苦節10年、やっと2勝目を挙げた飛ばし屋さんに、変化の年がやってきたのでしょうか?

(了)