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石川遼(27)、岐阜ではまさかの予選落ち。千葉OP、岐阜OPでみせた明と暗!「来年はマスターズ」へ、試練は続く?!

千葉オープンを昨年に続き制覇した石川遼。

石川遼(27)がツアー外競技の日神カップ千葉オープンに昨年に続き大会2連覇を果たしました。18日に開幕する国内男子ツアー「東建ホームメイト杯」を目前にしての優勝は、願ってもない出来事。折しも海外ではゴルフの祭典マスターズが開催されており、09年から13年まで5年連続で出場した思い出のマスターズへ「来季の再挑戦」を明言して驚かせた遼クンです。ところが千葉から1日置いて挑戦した同じツアー外競技の岐阜オープン(13、14日)では予選通過ラインに1打及ばず通算2オーバーでまさかの予選落ち。昨年はこのシリーズ、1週で2試合連勝して話題のウィークだったのに、今年は厳しい明と暗をみせつけました。本番へ向かって一体どちらが本モノなのでしょうか?!

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ドライバーの行方を見定める石川遼。来年の今頃は「マスターズに挑戦したい」と明言したが・・。

「ゴルフの祭典」マスターズ(米ジョージア州オーガスタ)が華やかに行われていた同じ週に千葉・平川CCでひっそりと行われた地方試合の千葉オープン。石川はくちびるをかみしめてこのローカル試合に出てきました。17歳だった2009年、前年の国内での活躍が評価され特別招待選手としてマスターズに初出場(予選落)。以来5年連続でオーガスタの舞台に立ち、11年にはアマチュアで出場した松山英樹の27位を見下ろす20位(3アンダー)に入る健闘をみせました。13年を最後にその夢舞台も遠い存在となっています。千葉オープンでは初日に2位に5打差をつけた首位の座を、最終日に木下裕太(32)に追いつかれ、プレーオフ3ホール目に4㍍のバーディーパットを決めた遼が苦しみながらの勝利をつかみました。
「きのう、きょうでどうしてこんなに変わってしまうんだろうというぐらいゴルフがうまくいかなかった。コンディションも相当難しかったのですが、自分が消極的なプレーで、こんなゴルフだと誰かに逆転されるというのが見え見えだった。そんな中で最後の4ホールは切り替えてやっといいゴルフができた。プレーオフも3ホール目でティーショットもセカンドもいいショットが打ててチャンスをもらえました。きのうできていたことが、きょうはできない。技術的に下手になったというのではなく、いろいろな要素があったと思う。でもそれが分からないんですよね」(遼)。

ドライバーも何度か右にそらし、アイアンも右にすっぽ抜けた球がありました。身体が開いて上下の連携がうまくとれていない打ち方になってしまう。パットもチャンスに決めきれない。この試合、最終日も7番のボギーに続いて重要な後半になって3ホールもボギーにして追いつかれました。「きょうは必ず勝たないといけないとプレッシャーをかけてやったんですけど、それに負けそうになるシーンが何度かあった。でも最後まで諦めずにやってよかったと思う」。最後は勝てた喜びでホッとしながらも、遼からは次々と反省の言葉が飛び出しました。

千葉オープン初日には素晴らしいゴルフで8アンダー、64を出しました。賞金加算でもない地方試合なのに、勝負の最終日となるとアンダーパーが出せずプレーオフにまで持ち込まれる。メンタル面の戦いにややもするとひ弱さをみせてしまう遼のゴルフ。ましてや世界のメジャーは妥協を許してくれないシビアな舞台なのは遼には十分分かっているはずです。

ジュニア育成などを目的として自ら提案して立ち上げた「フューチャーゴルフ」で挨拶する石川遼(4月6日、千葉・太平洋クラブ成田で)

「そう、来年のいまごろはマスターズに出場しているのが目標です。日本で一番になって、また世界の選手たちと戦いたいと思って、今は頑張っています」。今年のオーガスタで米ツアー関係者が「リョウはどうしたの?」といっていたと聞かされた石川は、マスターズ選手に復帰する思いを一層つのらせたようです。「日本で賞金王になるというのではない。日本で賞金ランキング1位になっても、他の選手の方がうまいという人がいればダメだと思う。世界に行くためには、自分が一番強いと思える納得する日本一になりたいと思います」(遼)。

09年に若き賞金王になってから今年で10年目。その間米ツアーも5年間経験して辛酸をなめました。18年から日本ツアーに本格復帰して今年は2年目を迎えます。年齢も27歳となり、選手会長という要職にもついている今季です。国内復帰した昨年からはスイングの見直しも行い、パッティングも中尺パターのシャフトを左腕に密着させて打つ「アームロック式」を採り入れるなど、ニュー石川遼への″進化〝に努めています。このパッティングスタイルも「ひとつのことをやるには長いスパンでやらないと分からない。平均パットの数値を今年は0.1でも改善できる方法じゃないかと思って取り組んでいる」といっています。

選手会長としてシーズン表彰式で挨拶に立った石川遼(オフに都内のホテル)

千葉オープンから中1日で出場した岐阜オープン(岐阜・各務原CC)。昨年、千葉OPと岐阜OPで連続優勝。1週間でV2を果たした縁起のいい地方試合ですが、今年の岐阜では疲労もあったのか、初日から大苦戦。ドライバーショットが乱れてOBを出し、5㍍のバーディーチャンスから3パットボギーをたたくなど、ゴルフの難しさに翻弄(ほんろう)され、予選通過ラインに1打足りずにコースを去りました。次週18日からは国内ツアーの開幕です。前哨戦2試合で甘辛両方を体験した遼クン。一体どちらの遼が本モノなのでしょうか。「来年はマスターズ」とのろしを上げた27歳。その大目標に向かって″大人のゴルフ〝をツアー本番では見せてくれるのでしょうか?!

(了)