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黄金世代のリーダーから″日本のNO1″へ。 アマ1勝、プロ3勝。「勝みなみ旋風」の実力!

黄金世代のリーダー格、正確なショットを放つ勝みなみ。

「黄金世代」のリーダー格、勝みなみ(20)が快調に今季2勝目。ツアー4勝目を挙げて日本女子ツアーを盛り上げています。開幕12戦目の「中京テレビ・ブリヂストンレディス」(愛知・中京GC石野)。2日目10アンダー、62のコースレコードをマークして首位に立った勝は、最終日、パープレーで通算14アンダー、2位に2打差をつける圧勝でした。今季は3週前のパナソニック・レディスに勝ったのに続き1ヵ月の間に2勝。申ジエに続き2人目の複数優勝者。賞金レースもトップ申ジエを約300万円差で急追。世界ランク50位以内に入り、30日開幕の全米女子オープン(米・サウスカロライナ州チャールストンCC)への出場も確実で″勝旋風〝を巻き起こす勢いです。

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最終日、13番で並ばれたが冷静なゴルフを続けた勝みなみ。

1学年上の松田鈴英(レイ)、同学年の河本結、新垣比菜、吉本ひかるら同世代がひしめいた中京TVブリヂストンの優勝争い。後半に入り12、13番を連続でとった松田が13アンダーとして首位をいく勝に並びました。残り5ホールでの大激戦です。強気な攻めをみせる河本も15、16番を連取して13アンダーと迫ってきました。この厳しい争いの中で勝がみせた15番(パー3)のバーディーが圧巻でした。ワンオンはしましたが、ピンへは8㍍近いロングパット。緩い上りで最後は下ってスライスする難しいライン。この難解のバーディーパットをズバリ決めたのが決め手でした(平均パット数、現在1位)。これで勝が頭一つ抜け出すと、松田が次の16番で第1打を左OB。1打差で追ってきた河本も17番で1㍍強のパーパットを外す痛恨のボギーで相次いで脱落。以後パーをキープした勝の逃げ切り勝利となりました。

打球を追う勝みなみ。

★勝みなみの優勝コメントです。

「苦しい一日でしたが、結構楽しんでました。もっと(スコアを)伸ばしたかったですけど。13番で並ばれ、その時に何か分からないですけど安心しました。気持ちが楽になったんです。リードしているときより余裕が出たんです。流れはあまりよくなかったのですが、その中でも自分のゴルフに集中できたかなと思います。15番(パー3)はアイアンショットが左の傾斜でボールが落ちていって7㍍くらいかな。結構切れるスライスラインでした。きょうはラインが合っていなくて、あと一筋とか切れてました。その中でもやるべきことはしっかりやって、自分を信じて笑顔で・・と思っていたのですが、15番では一番自分が決めていたところに打てて、ご褒美のようなバーディーがきてくれた。あれが一番効いたと思います。(最後まで松田さんや河本さんが追いかけてきて)全く気になりませんでした。去年エリエールで勝って、今年はパナソニックに優勝して大分楽にラウンドできていると思います。全米女子オープンは行ってみたいです。メジャーでランキング上位の人が出てくるので、自分にはないプレーを絶対にしてくると思う。それを見られるのが楽しみ。私のゴルフ人生は始まったばかりなので、どこまでいけるか知りたいです。国内も若い世代が多くなりましたが、最終的にはその1番手になりたい。1番になりたいと思わない人はいないと思いますので」

最後、勝を追い上げたが、2位にとどまった河本結。

アマチュア時代15歳での1勝を含め、ツアー4勝目を挙げた勝みなみ。昨年オフからはメンタルトレーニングを導入。メンタルひとつでプレーが変わる、とゴルフに向かう姿勢に変化を生みました。ゴルフを「楽しむ」ことがみなみの大きなテーマの一つにもなったのです。今回の若者世代で争った優勝戦線でもまさに激戦を″楽しんだ〝みなみの勝利だったといえそうです。この春、勝はハワイで行われた米ツアーロッテ選手権にスポンサー推薦で初めて海外遠征を体験。国内では日米ツアー共催のTOTOジャパンクラシックには出場しましたが、海外では初の米ツアー参戦でした。このハワイでの試合、体調不良で69位に終わった同じ20歳の畑岡奈紗。上原彩子27位、山口すず夏54位と低迷した中で勝は17位に入りました。「強い風の中でも楽しんでゴルフができた」と、海外での健闘で自信は大きく膨らんだようです。

一旦は首位に並びながら16番で痛恨のOB。涙を飲んだ松田鈴英(レイ)。

今度は日本ツアー4勝を背負っていく全米女子オープン。「うれしいです。初めてのアメリカ(本土)だ!みたいで、すごく楽しみ。ナショナルチームのときはアジア遠征が多かったので。でも米ツアーはまだ本格的に参戦することはないです」というみなみです。1戦1戦自分の足元を見ながら着実に実績を重ねようという考え。国内では賞金女王への夢も現実味を帯びてきましたが「(女王を)獲りたくないといったらウソになるのですが、その気持ちよりも、自分の納得するプレーがしたい。その結果が賞金女王やメルセデスランクトップ(最優秀選手)がついてきたらいいなと思います」ときっぱりいっています。 浮ついた気分は置いて、目標にむかって歩む勝みなみです。今季獲得賞金も約5000万円(賞金ランク2位)。世界ランキングも50位内に歩を進めます。15歳のアマチュアで女子ツアーを制したあの少女が、黄金世代のリーダーからさらに日本を代表するプロへと着実に飛躍するときが近づいたようです。

(了)