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吉田優利(19)「エプソン」と所属契約!渋野日向子の「サントリー」、安田祐香の「NEC」に続き、大物ルーキーに続々サポーター!

今年2月にはISPSハンダ豪州女子OPに出場、腕を磨いた吉田優利(豪ロイヤル・アデレードGC)。

女子プロゴルフの人気を象徴するように、このオフ、若手ゴルファーと契約する企業が続出しています。直近では昨年11月の女子プロテストに合格したばかりの19歳・吉田優利(千葉・麗澤高卒)がプリンターなどで知られる精密機械メーカー「エプソン」(本社・長野諏訪市)と3月3日に所属契約。併せて「ブリヂストン・スポーツ」とはボール・クラブなど用品使用契約を締結しました。2月には同じくプロテスト合格ほやほやの女子大生プロ、安田祐香(19)=大手前大=が「NEC」と所属契約。住友ゴム工業(ダンロップ)とは用品使用契約を結ぶなど、プロとしての実績はこれからという未知数の選手に続々と手をさし伸べているのが目につきます。引く手あまたの黄金世代・ミレニアム世代の女子プロたちを探ってみました。

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アマチュアではNO1の強さを見せた安田祐香。「NEC」と所属契約しいよいよプロとしてのスタートだ。

2000年生まれのミレニアム世代を代表するのが大物ルーキー安田祐香(19)。17年の日本女子アマ優勝、19年はアジアパシフィック女子アマで日本人初の優勝。4月には初開催されたオーガスタナショナル女子アマ3位。19年の海外メジャー、エビアン選手権(フランス)では37位でベストアマ、渋野日向子が優勝したAIG全英女子オープンでは59位と数々の業績を残したトップ・アマ。兵庫・滝川二高から昨春大手前大に進学すると11月のプロテストでは4位合格、QT(最終予選会)は2位で通過。文句のない成績でいよいよ今季はプロとしての晴れ姿を披露する美人プロです。

笑顔が可愛い19歳・吉田優利。

各企業が繰り広げた争奪戦の中から世界的な電機メーカー「NEC」を選んだ安田は「日本を代表するリーディングカンパニーのNECの所属になれてうれしい。NECはJGAのナショナルチームの活動もサポートして下さっていて本当に心強い。将来は米ツアーに行けるように世界ランクも上げていきたい」と、早くもでっかい夢を語っています。クラブなどの用品は老舗のダンロップから供給を受け、所属のNECによれば「長期的な契約」を用意しているとか。プロの舞台で戦う安田祐香には、これ以上はないビッグなスポンサーに守られてのスタートとなります。

豪州遠征で明るい笑顔を見せる吉田優利。(2月、豪州で)

直近で吉田優利の「エプソン」(本社・東京新宿)所属決定も新人にはうれしいサポーターの登場です。エプソンは、国内23勝の横峯さくら(34)とも2007年から所属契約を続けており、今年からは2000年生まれのプラチナ世代(ミレニアム世代)の吉田優利と横峯2人を所属選手としてサポートします。「エプソンの経営理念のキーワードにもある″創造と挑戦〝″驚きと感動〝とも通じるものが2人にはある。それが契約締結の要因」(エプソン)としています。
ゴルフ用具やボールを供給してもらえる用品契約も大事ですが、遠征費用や、獲得賞金の何パーセントかをボーナスとしてもらえる契約が多い『所属』は、選手にとって貴重なもの。優利も「プロ入り初年度からエプソンさんのような企業にサポートしてもらってツアーに参戦できるのは大変光栄。常に挑戦する気持ちを持ってファンに感動を届けられる選手になるよう頑張ります」とうれしい胸の内を語っています。

今年2月から「サントリー」と所属契約した渋野日向子(右)。左はいまもサントリー所属の宮里藍さん。(サントリー契約発表で)

ブリヂストン・スポーツは、ルーキーイヤーだった昨季いきなり1勝(センチュリー21レディス)した大型新鋭・稲見萌寧(もね)ともボール・用品使用契約をしました。賞金ランク13位と華々しいデビューをした稲見は吉田優利ともどもボール、クラブ、キャディバッグ、グローブ、キャップなどをブリヂストンで統一します。期待の2年目です。

吉田は2018年に日本女子アマ、日本ジュニア(女子15歳~17歳の部)を同一年に制覇。ISPSハンダ女子豪州オープン(18年2月=麗沢高2年)では34位タイでベストアマ。19年5月、プロツアーのワールドレディス・サロンパスカップでは4位タイでベストアマに輝きました。19年はさらに予選会を勝ち抜いて海外メジャー、全米女子オープンにもトライ(予選落)するなど、アマチュア時代から国内外で積極的に腕を磨きました。プロテストも一発合格、QTも20位で通過して今季からはプロとしてツアーに参戦します。企業としてもサポートしがいのある逸材といっていいでしょう。

 

ダンロップとの契約解消したあと、ロゴのない真っ白のキャップでプレーした横峯さくら。今年からは「キャロウェイ」と用具契約。
キャップにも「キャロウェイ」のロゴが入る。

安田祐香とは滝川二高のゴルフ部で同期だった古江彩佳(19)。2000年生まれのミレニアム世代を代表する同期生ですが、古江は昨季のプロツアー、10月の富士通レディスで史上7人目のアマチュアで優勝。即プロ転向し、11月のツアー4試合だけで2073円を稼ぐなど(賞金ランク54位)1歩リードした形です。今季は一気に賞金王も狙う一人になりましたが、昨季初優勝をしたのが縁で「富士通」と3月2日にスポンサー契約を交わすビッグチャンスを得ました。富士通では「古江選手の自己研鑽を重ね挑戦を続ける力と、ゴルフに対する前向きな姿勢に
共鳴した」と、スポンサードした動機を話しています。古江は「このオフは充実した練習ができたので、今年は早くプロとしての1勝をしたい」と飛躍を目指します。大きなサポーターを得てどこまで羽ばたくか、興味ある一人です。

98年生まれの黄金世代でひときわ輝きをみせる渋野日向子(21)。この2月1日には大手飲料メーカー「サントリー」と所属契約を新たに結びました。いまも同社所属の宮里藍さん(34)同様、生涯契約を視野に入れた複数年大型契約で話題になりました。昨年8月、海外メジャーのAIG全英女子オープンに勝ってからというもの、渋野を巡っては所属契約、スポンサー契約等のコンタクトを望む企業が40社にもおよんだという。2021年からは米ツアー参戦を希望する渋野ですが、サントリーはそれも了承ずみの契約といわれています。渋野はまた「興和」とのスポンサー契約も2月に交わしました。タイガー・ウッズ、松山英樹らもサポートしているバンテリンなどの「興和」の広告宣伝活動に今年は起用されます。

 

CATレディスで1勝(18年)している大里桃子(21)。今年は「オープンストリーム」(情報サ-ビス企業)とスポンサー契約を交わした。
心機一転の2勝目を目指す。

「キャロウェイ・スポーツ」が3月5日にプラチナ世代の西村優菜(ゆな、19)と黄金世代の一人、田中瑞希(みずき、21)との総合用具契約を発表。ともに昨年11月のプロテストに合格。QTでも西村21位、田中19位で今季ツアー前半戦の出場権をつかんだ新鋭です。キャロウェイは、国内ツアー23勝の横峯さくらと1月には新たにクラブ、ボールなどの用具契約。3月にはキャロウェイアパレルとウエア契約。さくらは今季からキャロウェイのロゴ入りキャップなどキャロウェイ一色で登場します。米ツアー参戦6年目。今年こそ心機一転の米ツアー悲願の初優勝が成りますか、どうか。

他にもすでに18年のCATレディスでツアー1勝している大里桃子(21、所属=伊藤園)は、情報サービス企業の「オープンストリーム」(本社・東京新宿)と3月3日にスポンサー契約。中国人の美人プロ、セキ・ユウティン(21)とは石油製品販売大手の「ミツウロコ」が所属契約を結びました。日本生まれの中国育ち。19年プロテスト8位合格、QT9位と好成績を残しています。うれしいサポートを得て、今季前半戦の出場資格もつかんだ異色・ユウティンの飛躍には期待がかかります。
新たにスポンサーのサポートをゲットした選手はまだまだ他にもいます。最近動きのあった注目選手だけを探りました。新型コロナウイルスの感染拡大が気になるスポーツ界ですが、開幕が待ち遠しい今季の女子プロゴルフです。

(了)