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プレーすることのない“異例”の優勝。台風を味方?に4勝目をつかんだ平田憲聖(23)

36ホール短期決戦Vの平田憲聖。

若手を“代表”するショットメーカー、平田憲聖(23)が、台風10号に翻弄されながらも36ホールの短縮競技をモノにする幸運児となりました。「フジサンケイクラシック」(山梨・富士桜CC、パー70)は初日から連日悪天候に見舞われ、ツアー5年ぶりの36ホール決戦。最終日の日曜日は第2ラウンドを残していた54人が“2日目”をプレー。前日に36ホールをすでに終えていた平田憲聖は、プレーすることのない“異例”の優勝がクラブハウスに届けられました。平田は第2Rでボギーなしの7バーディー「63」をマークし、通算9アンダーで暫定単独首位。この9アンダーに届く選手が最終日に出ませんでした。平田は「長嶋茂雄セガサミーカップ」(7月)に続く今季2勝目。23年の「ミズノオープン」、「日本プロ」を加えてツアー4勝目と勝星を増やしました。「69」で回ったショーン・ノリス(南ア)が通算7アンダーで2位。さらに1打差の3位が「66」とスコアを伸ばしたレフティー、細野勇作(21)。規定により、加算される優勝賞金額は50%で1100万円。

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今季2勝目。通算4勝を挙げて賞金レースも上位へ。平田憲聖。

日曜日、戦わずして優勝が転がり込んできた平田憲聖。この日は午後のスタートを想定。「9時ごろ起床すればいい」とゆっくりしていたというが、目が覚めたのは早朝6時。ホテルの窓から空模様を見て気が気ではない。携帯を操作したりして落ち着かない時間を過ごしていたという。
「空模様やゴルフのことが気になって結構ドキドキ。いままで3勝してるけど、一番緊張した朝だった」という。36ホール短縮が決まり、8時過ぎにコースへ。

“雨”には縁がつよくて自称「雨男」だとか。しかしゴルフの方は順調そのもの。大阪学院大高では「関西アマ」、大学時代は「日本学生」を制しており、アマ時代から“関西に憲聖あり”といわれてきました。大学生プロとして臨んだ22年は「日本ゴルフツアー選手権」7位など1年目からシード入り。23年の「ミズノオープン」では、同い年の中島啓太をプレーオフで下し、7月には「日本プロ」のビッグタイトルを蝉川泰果らを抑えてつかみとるなど、賞金ランク6位に食い込み」ました。

 

最終日、プレーせずに優勝が転がり込んだショットメーカー・平田憲聖。

今季は7月「長嶋茂雄セガサミー」で蝉川泰果らと競り合って勝利するなど、13試合に出てただ一人予選落ちはなし。粘り強さを武器として、さらに今シーズンは足腰の筋力アップ、柔軟性に力を入れて鍛え、飛距離を10ヤード近く伸ばしたという。早くもツアー4勝を挙げてすっかりトッププレーヤーの仲間入りを果たしています。今回、5打差の3位から出た前日の第2ラウンドだけは、晴天だった。コース改良を加え、深いラフなど一段と難しさを増したモンスターコースをものともせず7バーディー、ノーボギーで回った前日のスコアが平田圧勝の原動力。中でも勝負を決めたのは、最終ホールとなった最終9番。「あす(日曜日)最終日のプレーがなければ第2ラウンドの結果で勝負は決まる。何が何でも首位に立っておきたい。ショートだけはしないように打った」と、見事に決めた8㍍がウイニングパットになったのです。

その思い通り36ホール競技となって、自らはプレーすることのない“異例”の最終日に。仲間から浴びせられたウォーターシャワーが気持ちよさそう。
「きょうはプレーしたかったけど、素直な気持ち、嬉しいです。タフなコースで優勝できて自信になりました」。

中島啓太、蝉川泰果らと同じ2000年生まれ。賞金ランクは7位から4位へ。賞金王も見えてきたが、「賞金王は魅力的だけど、でもそれを目指して戦うのではなく、毎日毎日をいつも通り戦いたい気持ちはかわりません」と憲聖。恐ろしいニューパワーだ。

(了)