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渋野日向子が3戦連続の予選落ち!米ツアー3年目も試練は続く。今週は初の「マッチプレー」に挑戦。這い上がれるか、しぶこ!

米ツアー3年目、4戦して3連続予選落ちと苦戦は続く渋野日向子(4戦目の「フォード選手権」)

米女子ゴルフツアーで3年目を戦っている渋野日向子(25)が大苦戦です。今季4戦目の「フォード選手権」(アリゾナ州サビル・クラブ パー72)、2日間126位で惨敗の予選落ち。これで今季4戦して3連続予選カット。初戦の「ホンダLPGAタイランド」は予選落ちのない大会で下から3番目の69位。実質的な“予選落ち”ですから、全試合ともいいところなしのシーズン序盤戦になっています。4戦で10ラウンドしてアンダーパーは初戦タイの2日目1回だけ。2019年「全英女子オープン」を制して11位まで上げた世界ランキングも、いまや135位。今シーズンは始まったばかりですが、ゴルフの内容もよくなくて先行き明るさが見えません。「米国撤退」の厳しい声も聞かれるしぶこ、大ピンチです。

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スイング改造を重ねる渋野日向子。いまだに安定したショットが決まらない

アリゾナの砂漠エリアの乾燥でボールも飛び、バーディー合戦が演じられた「フォード選手権」。初日からオーバーパー73で123位と出遅れたしぶこさん。2日目は予選通過を目指して攻めのゴルフに徹しましたが、今度はグリーン上が悩みの種でした。ピンレベルの段に乗せながら入れ頃のパットが入らない。スタートの10番でピン左サイドに作ったチャンスに、バーディーパットが2㍍オーバー。返しも外して3パットボギー発進。この日の象徴的な出だしで2日間を通じてパー5で一度もバーディーを奪えず、結局2日間バーディー、ゼロ。1R31パット。2R33パット。通算1オーバーでの敗退。「5㍍くらいのチャンスが何回かあったのに、すべて決められなかった。グリーン上が合っていなかったですね。ショットはマシだったのにもったいない」(しぶこ)と、うつろなまなざしで嘆き節でした。

ショットもさることながら、チャンスにつけたパットが決まらないのは、多分にメンタル面の影響が気になります。「バーディーをとりたい」「勝たなければ・・」といった思いに常に迫られているのが、僅かな手元の狂いにつながるのでしょう。
昨季もスイング改造や左手親指痛に悩み、トップ10が1度しかなかったシーズンで、途中5連続予選カットを味わうなど安定しないゴルフが年間を通して続きました。最後は年間ポイントランキング83位に下げ、『80位以内』に与えられるシード権を喪失したしぶこ。今季は“準シード”の立場で、出場できる試合が限られています。1戦1戦が大事なフィールドなのです。それだけにかかってくるプレッシャーも少なくないでしょう。

今季、初戦の「ホンダLPGAタイ」を69位で終えたあとは「ブルーベイLPGA(中国・上海)も101位で落ち、米本土に戻った「朴セリ選手権」も120位。そして「フォード選手権」127位。ショットもパットもうまくかみ合わずオーバーパーゴルフを続けてカットラインから大差で圏外にはじき出されています。シーズンはじめとはいえやや深刻な状況といってもいいでしょう。

今季はフルシード権を喪失したしぶこ。“準シード”の立場で出場試合は限定されるから厳しい

しぶこは今シーズン、辻村明志コーチに師事してスイングチェックを続けています。毎年のようにスイングに手をつけ“改造”を試みてきたしぶこですが、それがかえってスイングを安定させないのではないか、といった声が聞かれます。確かに、しぶこのスイングは年々変わってきているのが素人目にも分かるほどの変化です。ドローボールをマスターしたいというのがしぶこの究極の願望。辻村コーチの指導を受けているのも、同コーチが上田桃子や吉田優利らドローヒッターを指導しているからだといわれています。常に上を向いて進歩したいのがプロゴルファー。しかし、スイングに手をつけるには“危険度”も十分警戒しなければならないことでしょう。

全英女子オープンに勝った時(2019年)のしぶこブームからはや5年。しぶこも25歳になりました。もうそろそろ安定した“しぶこゴルフ”を定着させてもいいはずです。「米国撤退」⇒「日本ツアー復帰」か、などといった声も聞こえてきますが、若手の台頭でレベルアップしている国内女子ゴルフでは、いまの渋野では勝てないともいえるでしょう。試練が続くしぶこさんの苦しみ。原点に戻ることができるのか。そんな時間の余裕はもうないのか。

傷心のしぶこの次の試合は、4月3日からの「Tモバイル・LPGAマッチプレー」(ネバダ州シャドークリークGC)。96人のフィールドで3日目まで54ホールストロークプレー。マッチプレーに進出する8人を決めて決勝で戦います。しぶこにとってマッチプレーは初めての経験。「初体験でどういう感じになるか分からないけど、練習ラウンドをしっかりしていい気持ちで試合に臨みたい」と、決意のほどをコメントしています。予選ラウンドをクリアしてマッチプレーでの決勝に進むことができれば、気分一新でのしぶこゴルフも期待できます。注目です。

(了)