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池田勇太、プロ16年目初の賞金シード落ち!“難病”との戦い、来季はどうなる?!

ダイナミックな池田勇太のスイングもすっかり影を潜めた。

国内ゴルフの男子ツアーは次戦の限定選手出場「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を残し、全日程を終了しました。大詰めにきてハプニングが続出。賞金シードでは永久シード保持者の片山晋呉(50)が25シーズンで初めてストップ。ツアー通算21勝の池田勇太(37)もプロ16年目で賞金シードを失う初体験を味わいました。来季の賞金シード選手は「65位」までですが、出場義務試合数不足の外国選手3人が除外されるため、実質「68位」まで。賞金シード落ちは17人。初賞金シードに参入する“新顔”は、賞金王が決まった中島啓太(23)ら14人。新旧交代の波は一段と激しいものとなりました。

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顎関節のバランスが崩れるという“難病”に苦しむ池田勇太。

シーズンの終わりがくるとシード権を巡る“泣き笑い”は恒例のことですが、今回池田勇太の“陥落”は、ショックをかくせませんでした。2009年「日本プロ」のメジャーをとって華々しくプロデビューした勇太です。09年、10年には各4勝で年間最多勝をマーク。09年の「日本プロ」に続き14年には「日本オープン」を取り、両メジャーを20代で制するのは74年の尾崎将司以来6人目のことでした。13年からは3年間選手会長を務めて新規大会の立ち上げなどにも尽力し、16年は史上4人目の年間獲得賞金2億円を達成、賞金王にも輝きました。その年、リオデジャネイロ五輪にも出場。17年には当時史上最年少の31歳で生涯獲得賞金10億円を突破。19年まで11年連続で優勝を記録するなど、石川遼と男子ゴルフの人気を2分する飛ばし屋・勇太でした。

19年の「~全英への道~ミズノオープン」の21勝目を最後に、コロナ禍で男子ツアーも大打撃をうけた2000年あたりから勇太の体調にも微妙な変調が忍び寄ってきたのです。顎(がく)関節のバランスが崩れる「顎偏位症」で大きく体調を乱し、21年から22年は予選落ちが目立つようになりました。今季も試合には何とか顔を出しましたが、11回の予選落ち。6~8月の夏場には5試合連続予選カットの苦境にさらされました。今回のツアー最後となった「カシオ」もシード圏内のランク63位で力をふり絞って出場、予選は通過しましたが、最終日に「77」と崩れて最下位の61位で終戦。ランクはまた下がりギリギリ圏外の69位まで落ちて、連続賞金シードは14シーズンで幕切れとなったのです。

「やるだけやったから仕方ない。シードを意識していたわけじゃない。優勝するつもりで出ているんだから」と、あくまでも強気な勇太でしたが、思うようなゴルフができない辛さ、苦しさは想像に難くありません。今シーズンは「シードがあったから出場したけど、なければムリをして出ることもないんだよ」と話し、体調がよくないことはその言外にもうかがえる状態です。

片山晋呉も賞金シードは25シーズンで失ったが、「永久シード権」を保持しているのでレギュラーツアーには出場可能だ。

この12月22日には38歳を迎える勇太。来シーズンの試合出場はどうなるのか。「永久シード権」を確保するにはあと4勝が足りません。いまの状態で出場権を行使するには賞金シードは失っても「生涯獲得賞金25位以上」の特別シードを使うか、ファイナルQT(出場予選会=12月)を受験するか、などがあります。シーズンが終わったばかりで池田は来季からの予定については「これから考えればいい」と、態度を明確には示していません。
難病克服へ、来年は「手術を含めた治療」に専念する考えも胸中にはあるようです。アマチュア時代から数々の栄光を味わってきた「池田勇太」には人生の一大事といってもいいでしょう。一日でも早い体調の回復を願ってやみません。

また片山晋呉は賞金ランク68位の微妙な立場で、レギュラーの「カシオ」を捨て、シニア最終戦の「いわさき白露シニア」でのシニア初優勝を狙いましたが、37位タイ。シニアの賞金ランクは11位にとどまり「ランク4位以内」に与えられた海外シニアメジャー「全米プロシニア」「全米シニアオープン」の来季出場権は得られませんでした。ただしレギュラーの方で「永久シード権」を保有している片山は、レギュラーの賞金シードはランク74位まで落ちて失いましたが、試合出場は可能です。

(了)