開幕戦のダイキンオーキッドでは優勝争いに絡めなかった全美貞(ジョン・ミ・ジョン=30、韓国)が、開幕2試合目のヨコハマタイヤPRGRレディスでは早くも今季1勝目を挙げ、賞金女王の貫録をみせました。通算9アンダーで韓国の先輩、ヤング・キム(33)とプレーオフ韓国対決、1ホール目にキムが1メートル強のパーパットを外して決着。2打差の3位から出た全の逆転勝利でしたが、、昨季は35戦中、16勝を挙げて、15勝の日本選手を上回った韓国パワーは、今年もまた猛威を振るいそうな予感も。日本ツアー通算22勝の全は、昨季、年間最優秀選手賞の副賞でCLSクラスのベンツを贈られましたがが、今回も優勝賞金1440万円のほかに副賞のベンツBクラスをゲット。文字通りの“ベンツハンター”でうれしい悲鳴も聞かれました!
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今年もどう見ても韓国勢はやはり強そう!の感しきりでした。全とキムのプレーオフ韓国対決を含め、ベストテンにはやくも5人の韓国選手が顔をそろえました。昨年の賞金女王・全が優勝。賞金2位のイ・ボミもちゃんと2打差の4位タイに食い込んでいました。前日1打差の2位につけ5年ぶりのプロ2勝目を期待された原江里菜は、最終日にスコアを伸ばせず4位タイで涙。開幕戦優勝の森田理香子が、67で若さの突撃をみせましたが、1打差の3位どまり。プレーオフには参加できませんでした。
先週から両足首痛を訴えて開幕戦は21位に終わった全ですが、今週は見事に調整して初日から安定度抜群のゴルフを取り戻しました。初日は68で2打差の2位タイにつけ、2日目は70で2打差の3位タイと一息いれましたが、最終日は5バーディー、2ボギーの69。3日間を着実にアンダーパーで回るショットのキレ、安定感は一段と図抜けています。昨季は4勝。平均ストローク(70・1788)は、不動裕理が03年にマークした70・2727を上回るツアー記録。平均パット数(1・7299)と、1ラウンドあたりの平均バーディー数(3・9337)でもトップを占めて“最優秀”に輝きました。昨年からとり入れているメンタルトレーニングの効果も、技術に加えて鬼に金棒の強さを増してきたといえそう。30歳になり、ますます脂がのりきったゴルフを身につけてきました。プレーオフでも1ホール目、10メートルのロングパットを2打で収めてお先にパー。これをみたキムは1メートル強のパーパットを外しました。韓国時代は「声もかけられなかった先輩」(全)というキムですが、いまや全の強烈なプレッシャーにねじ伏せられたプレーオフでした。
日本女子ツアーは3年連続で韓国勢(アン・ソンジュ、アン・ソンジュ、全美貞)に賞金女王を奪われています。昨季は賞金ランク上位10人のうち、5人の韓流パワーであふれました。“打倒韓国”“ストップ・ザ・韓国”が、今季の日本女子ツアーの大きなスローガンです。開幕戦で森田理香子が日本勢1番手で立ちふさがりましたが、第2戦では早くも女王・全が日本ツアー参戦以来、自身最速の開幕2戦目Vで巻き返してきました。通算30勝でもらえる永久シード権に、いま最も近づいているのが全で、“あと8勝”の通算22勝。「私の目標」といってはばからない大きなターゲットへ、今季は何勝まで近づけるでしょう? 早くも賞金2000万円に乗せる賞金トップで、大ブレークの様相をみせている森田理香子。ベテラン・全を頭に、今年も多士済々の韓国勢・・開幕から早くも日韓のアツい火花が散ってきました。