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“2勝したら本物!”大物感ただよう逆転娘・20歳の成田美寿々。五輪の金に向かってゴー!!

1勝目はまぐれ、2勝したら本物!と父親からハッパをかけられていた成田美寿々。その2勝目を堂々の勝利でつかみ、これからが楽しみ!
1勝目はまぐれ、2勝したら本物!と父親からハッパをかけられていた成田美寿々。その2勝目を堂々の勝利でつかみ、これからが楽しみ!

 大物感ただよう20歳!成田美寿々のプロ2勝目は派手な6打差逆転劇。しかも初体験のプレーオフを勝ち取ったものでした。涼しい軽井沢でのNEC軽井沢72。初日53位の出遅れを帳消しにして余りある、2日目、最終日の連続65。通算14アンダーでリ・エスド(韓)とのプレーオフは2ホール目、リが先にバーディーパットを外したあと、ピン奥6メートルからのバーディーパットを見事に決め、成田は力強いガッツポーズでした。千葉・市原市出身、167センチ、60キロの大型プレーヤー。昨年10月の富士通レディスで初優勝しながら、規則変更で優勝経験者で初めてプロテストを受験。8月上旬に2位で通過したばかりのホヤホヤプロです。その美寿々の夢は、米ツアーでもメジャータイトルでもなく、「16年のリオデジャネイロ五輪に出て、金メダルをとって有名になりたい」というオリンピック志向の変わり種。金に向かって動き始めたユニークな大物新鋭です。

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 プロ初優勝だった昨年10月の富士通レディスは5打差8位からの逆転優勝。今回の2勝目も6打差6位からの大逆転。初日53位からのせり上がり優勝は、ツアー史上最大差の逆転で、まさに“逆転娘”の異名がつきそうな成田です。昨年の1勝目のとき、父親・俊弘さん(58)から「1勝目はまぐれ。2勝目を挙げたら本物」と、厳しく突き放されましたが、今回の優勝には「上位が伸びないラッキーはあったけど、努力してきたあとがみえる。素直に褒めてやります」と、俊弘さんからも成長のお墨付きをもらえました。

167センチの恵まれた体躯から、ロングドライブを飛ばす成田美寿々。
167センチの恵まれた体躯から、ロングドライブを飛ばす成田美寿々。

 7月30日から8月1日にかけて実施されたLPGA最終プロテスト。従来はツアー優勝者は実技免除でしたが、11年7月の規則改正でこれが撤廃され、協会会員になるためには優勝者もプロテスト実技の受験が必要になりました。2011年に一度受験して不合格になっている成田は、昨年10月にツアー優勝しながら初のテスト受験者。2位での合格でしたが、今回はツアー会員となって初のツアー優勝と、初物ずくしの美寿々です。今年2月には渡米して合宿。パットの名手、デーブ・ストックトン氏(米国)からコーチを受け、技術・メンタル両面での指導を仰ぎました。その成果でしょうか、今季はパッティングアベレージも急上昇。好成績にもつながっています。特に夏場に入って前半の不振から抜け出し、6月はニチレイ、アース・モンダミン、日医工とアンダーパーのゴルフを続け3試合連続で5位。今回の優勝へのジャンプ台にしました。

 千葉の拓大紅陵高で本格的にゴルフと取り組み、日体大へ入学。昨年からは休学してゴルフに打ち込んでいます。今年2月にはゴルフトーナメントを支えるスポンサーが選ぶ「GTPA2012年ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に男子の藤本佳則、女子の斉藤愛璃とともに選ばれ、大きな期待がもたれる新鋭として今シーズンにのぞんでいます。
 プロ2勝を挙げた成田の当面の目標は、オリンピック選手に選ばれるためにも国内メジャーのタイトル。国内女子ツアーは9月中旬まで箱根と北海道での試合が続きます。その最後にあるのが、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(恵庭CC)。爆発力を秘めた逆転娘の一皮むけたゴルフが、楽しめそうです。