国内のプロゴルフツアーも、来週3月7日から女子ツアーが沖縄で開幕(ダイキンオーキッド)します。男子の国内ツアーは、やや遅れてマスターズ明けの4月17日(東建ホームメイト)からですが、近づく今季のシーズンインを控えてプロたちの契約先の変更や新規契約が相次いでいます。プロにとって所属契約や用具、スポンサー契約は、一年の好不調にも直結する大事なもの。松山英樹(21)が新年に渡米した際、全日本空輸(ANA)とのスポンサー契約を発表、所属のLEXUS(トヨタ)と合わせて強力なサポート態勢を得て米ツアーに乗り込みました。今回、17日には昨季賞金ランク6位の谷原秀人(35)が、プロギアから本間ゴルフに製品使用契約を変更したことを発表。若手のホープ、昨季2勝目を挙げた薗田俊輔(24)も、ブリヂストンからタイガー・ウッズがいるナイキゴルフとの総合契約に変わりました・・。主だった選手と、そのサポート態勢を探ってみるとー。
☆ ★ ☆
「熱意系HONMA、はじまる。」と昨年来、積極的な事業活動を行ってきたホンマが2014年はまた新たな3人のシードプロを「チーム・ホンマ」に加えました。
まずは谷原秀人。
昨年は秋のビッグゲーム「三井住友VISA太平洋マスターズ」で3年ぶり、復活のツアー10勝目を挙げた谷原。フジサンケイ2位、日本シリーズJT杯3位など、苦しんだ左肩痛から脱して大物ぶりを発揮し始めていました。今季も1月の米ツアー、「ソニーオープンinハワイ」では、2日目2位タイにつけるなど日本人最高の10アンダー8位でフィニッシュ。今年、プロギアの顔からホンマの顔にチェンジして素晴らしい出足をみせ、今シーズンの活躍に大きな期待がかかっています。
☆谷原秀人のコメント
「TEAM HONMAの一員になれてうれしい。HONMAのサポートはプロの間でも評判です。自分の要望に対してスタッフのみなさんが的確に対応してくれるクラブの仕上がりには、いつも驚かされます。今年からここにお世話になり、早くこれで優勝したい」
二人目は高山忠洋。
谷原と同じ78年生まれでこの2月に36歳になった中堅選手。一昨年は左手親指の腱鞘炎などの再発で苦しみましたが、昨年は賞金ランク40位。高校球児出身らしい飛ばし屋で、今季は新しいクラブで心機一転、11年の東建以来の優勝を目指しています。もう一人は日本ツアー2勝の黄重坤(ハン・ジュンゴン、韓国)。「ホンマの性能、サポートの良さは聞いています。今年は楽しみ」と、12年のカシオワールド以来の日本ツアー3勝目を目指します。
この新規3人に加え、賞金ランク4位の小田孔明や上井邦浩、上平栄道ら。女子では日本ツアー5勝。賞金ランクは、一昨年2位、昨年7位のイ・ボミ(25、韓国)や笠りつ子、藤田幸希らがTEAM HONMAのメンバーです。イ・ボミは、マスターズGCレディスが開催されている「マスターズGC」(兵庫・三木市)と、この1月に2年間の所属契約も結びました。強力なチーム・ホンマが結成されました。
谷原秀人が抜けた横浜ゴムのプロギアは、昨季「日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズ」でツアー初優勝、賞金ランク12位と活躍した小平智(24)と、ツアー6勝のベテラン平塚哲二(42)との用具契約を新たに果たしました。毎年確実に成長を遂げ、飛ばし屋で今季は賞金王まで狙おうかという成長株の小平は魅力。
「目標は世界ランク50位以内に入ってマスターズに出場すること。プロギアの素晴らしいクラブで目標に向かって頑張りたい」と小平。小平は、1月1日付けで、松山英樹らに続いて日本オリンピック委員会から五輪強化指定選手の認定を受けました。小平はタイトリストから、平塚はブリヂストンからの転身です。プロギアはこれに矢野東を加えた男子プロ3人をサポートします。
次にはタイガー・ウッズのいるナイキ。国内で注視を浴びているのは、プロ6年目の薗田俊輔(24)。杉並学院高で石川遼の先輩。明治大を経て10年のプロデビューは僅か5試合目の「ミズノオープンよみうり」で初優勝。昨年、オフのトーレーニング中に左膝半月板を損傷。2月に手術して序盤戦を棒に振りましたが、復帰僅か4戦目の7月、「長嶋茂雄招待セガサミー」で3年ぶりの復活2勝目を挙げて賞金ランク15位に入りました。ブリヂストンとの契約が続いていましたが、今季からナイキゴルフと総合契約。10日前に開催されたジャパンゴルフフェアでは、同じナイキのタイガー・ウッズと米国フロリダからの衛星中継で″生〝でご対面。「同じナイキファミリーになってくれてすごく嬉しい。一緒に頑張っていこう」と語りかけられて、薗田は大緊張。「緊張してしまって何をしゃべっていいのか、わからない。機会があれば一緒にゴルフや食事をしたい」とスクリーンの前で話すと、タイガーから「分かったよ」とうなずかれていました。憧れのタイガーと同じクラブを手にしての今季の飛躍が楽しみ。薗田も、小平らとともに1月1日付けで、日本オリンピック委員会からリオデジャネイロ五輪強化選手の認定を受けた一人です。
武藤俊憲(35)はツアー5勝を携えてミズノとアドバイザリープロスタッフ契約を結びました。 飛ばし屋の上、安定したゴルフで上位を狙っていける選手です。今季はドライバーからウェッジまでのクラブ、キャディバッグ、ヘッドウエアを″ミズノ〝で戦います。クラブにこだわりの強い武藤です。「打感、打音、操作性ともに素晴らしい」(武藤)と、早くも新しいサポーターへの信頼感を高めています。ミズノの道具で昨年なかった優勝を勝ち取れますかどうか。
女子プロたちの道具、ウエア契約の移動も数多くみられます。昨年ツアー2勝を挙げ、8月の「全英リコー女子オープン」では7位に入ったプロ3年目の比嘉真美子(20)は、ジブラルタル生命保険とうれしい3年(推定)の所属契約を結びました。故郷の沖縄で成人式にも出席した比嘉は「強力なサポートをいただけることになり、身の引き締まる思い」と、喜びを語っています。米国フロリダで親しい宮里美香とキャンプを張って開幕に備えました。世界挑戦への思いが強い比嘉ですが、彼女も日本オリンピック委員会から強化選手に認定されている一人です。
金田久美子(24)は電子機器メーカーで「スタンレーレディス」も開催しているスタンレー電気と所属契約を結びました。昨年まではフリーの身だった″キンクミ〝に、所属会社がついたのはうれしいニュース。脱毛サロンのミュゼプラチナムとのスポンサー契約も決まっており、今年は当たり年になるかも。2011年のフジサンケイレディスで1勝しただけで人気倒れ?を解消しての2勝目がなりますか?
木戸愛(めぐみ=24)は、日本最大の共通ポイントサービス「Tポイント」を展開するTポイント・ジャパンとスポンサー契約を締結しました。12年に「サマンサタバサレディース」に1勝しただけで、昨年もVのなかった木戸は「とても光栄。私もTポイントはTSUTAYAで買い物したり、車のガソリン給油で使ったりしてポイントをためています」と話し、発表の席でTポイント10万ポイントをプレゼントされ、顔を紅潮させていました。同社主催の「Tポイントレディス」が、女子プロ初の佐賀県で開催され(3月=若木GC)、ホステスプロとして出場しますが「ひとつでも多く優勝争いをしていきたいです」と、スポンサーへの思いを込めて奮起を誓っていました。
このほかにもまだ新たな動きはいくつもありますが、さて今シーズン、花を咲かせる選手、笑うスポンサーはだれ?どこ?