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「日本ツアーは1日ハマれば勝てる。米ツアーは3日ハマらないと勝てない」ー世界ランカー松山英樹の成長度!

大会平均飛距離300ヤード超のロングドライブでファンをうならせた松山英樹(三井住友VISA太平洋マスターズ)
大会平均飛距離300ヤード超のロングドライブでファンをうならせた松山英樹(三井住友VISA太平洋マスターズ)

日本オープン、HSBCチャンピオンズ(米ツアー)、そして三井住友VISA太平洋マスターズと、この1ヵ月で4戦3勝、2位1回・・驚異的なゴルフをみせた松山英樹(24)の雄姿が、晩秋の富士山に映えました。11年、東北福祉大2年のアマチュアだった英樹が、プロツアー初優勝したこの舞台(静岡・太平洋クラブ御殿場コース)で、5年ぶり一段と成長した「世界の英樹」を見せつけました。この1ヵ月4試合で英樹が稼いだ″月収〝は、3億3420万円。日本ツアーは今季僅か2試合で8000万円を得て賞金ランク5位。週明けに発表される世界ランキングは7位から6位に上がる見込み。今月24日からは国別対抗戦「W杯」(豪州・メルボルン)に石川遼(25)とタッグを組み、日本勢14年ぶりの世界制覇を狙います。

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4日間60台で回った松山英樹。″世界レベル”のゴルフを披露してファンの声援に応える(三井住友VISA太平洋マスターズ=静岡・太平洋クラブ御殿場)=写真提供:いずれもJGTO
4日間60台で回った松山英樹。″世界レベル”のゴルフを披露してファンの声援に応える(三井住友VISA太平洋マスターズ=静岡・太平洋クラブ御殿場)=写真提供:いずれもJGTO

大会新の通算23アンダーでの完全優勝。追いすがった2位の宋永漢(ソン・ヨンハン=韓国)には7打差をつける圧巻。2週前に上海で行われたHSBCチャンピオンズで、米ツアー3勝目を挙げたときとまったく同じ″2位に7打差”の23アンダー。この圧勝続きは、英樹のすばらしい進化を実証するものです。5年ぶりに帰ってきた御殿場太平洋コースを「自分が海外に出ていろんな経験をし成長したのかもしれないが、今年の方が易しかった」と言い放ち、さらに続けて「日本ツアーは1日ハマれば勝てるなと思う。アメリカでは3日間ハマらないと勝てません。その日本で、今週は3日間よかったので・・この差になった」。 かっては二言三言しかしゃべれなかった松山が、記者会見でここまではっきりとモノを言えるようになったことに大きな″変化”を感じさせます。今回の4日間では、計1イーグル、27バーディーを奪う大型ゴルフ(4ボギー、1ダブルボギー)。他を圧倒したのも当然といえるでしょう。

松山英樹、太平洋マスターズも制し、今季日本ツアー2戦2勝(三井住友VISA太平洋マスターズ=静岡・太平洋クラブ御殿場)
松山英樹、太平洋マスターズも制し、今季日本ツアー2戦2勝(三井住友VISA太平洋マスターズ=静岡・太平洋クラブ御殿場)

2位を6打差引き離し20アンダーでスタートした最終日は、序盤でややもたつきました。「日本ツアーの最多アンダーパー記録″28アンダー”を破るには9アンダー。出せない数字じゃない」(松山)と、これを狙ったこともあるでしょう。3日目に右の林に入れた6番、パー5で、最終日は左の林。木の根っこにくっついたボールを「ムリして手を痛めたりしたくなかった」と、アンプレアブルを宣言。4打目のアプローチもグリーン右手前の池に入れるなどしてダブルボギー。続くパー3の7番もグリーンを外してボギー。2ホールで3つ落として2位と3打差まで縮まりましたが、慌てませんでした。次の8番は200ヤード近い第2打を、奥3㍍につけてこれを沈めました。後半に入ると、前半の乱れがウソのよう。11番は5㍍、13番(パー3)はカップ30㌢につけて″お先に”のバーディー。15番、16番は連続バーディーでしたが、難しい16番などは300ヤード超のドライバーをフェアウェイに放ち、残り約140ヤードは9Iで奥3.5㍍。これを決める会心のバーディーでした。終わってみればバックナインは4打伸ばし、04年にダレン・クラーク(英国)がマークした大会記録22アンダーを1打更新。2位に7打差をつけましたが、大会平均飛距離は301.25ヤード。平均パット数も1.6071(2位)と数字にも他を圧倒するものを残しました。5年前より体重は5㌔増の90㌔。体幹を鍛えたその体からは、ショットにもパットにも見るからに安定感を増している松山は、まさに「世界レベル」です。

10番へターンするインターバルでトレーナーから左腕をマッサージしてもらう松山英樹(三井住友VISA太平洋マスターズ=静岡・太平洋クラブ御殿場)
10番へターンするインターバルでトレーナーから左腕をマッサージしてもらう松山英樹(三井住友VISA太平洋マスターズ=静岡・太平洋クラブ御殿場)

★今季日本ツアー2戦2勝(通算8勝目)の松山英樹のコメント。 「海外に行って色々なコースを経験して、簡単ではないですけど、日本のコースが易しく感じるようになったのかもしれません。前半が終わって3打差になったし、ヨンハン(宋永漢)がいいプレーをしていたので、早めに差をつけないと上がりが苦しくなると思った。11番13番のバーディーは大きかった。(ここ4戦中3勝だが)パッティングがよくない日でも、よくない時のレベルが少し上がったかなと思う。去年のドイツバンク選手権(9月)くらいからいい感じで打てるようになってきた。それでも悪い日はあるので、どれだけ波を少なくするか。ずっと練習しています。(ファンの存在は)期待されているのが分かるし、それに応え続けていけるような選手でいたい。期待がなければ、選手としての成長度合いが変わってくると

思う。たくさんの期待をしてくれている人がいるので、それに応えようと必死でやっています。サインも、僕が

10番のパー4をアイアンでティーショットする松山英樹。(太平洋御殿場コース)

1年間日本ツアーでやっていれば、1日1000人以上もやるのは体力的に持たないと思うけど、年間2試合しかしない中で、断っているようじゃダメだと思う。僕を見に来てくれている人には応えようと思ってます。日本に帰って来たときは勝つチャンスがアメリカよりは少し増える。いまここでしっかりとモノにできているのは、いい経験になっていると思います。富士山を眺めると落ち着きますね。(W杯には)しっかりと″自信をもって打てる”というものを、あと1週間で作り上げたい。遼(石川)もそういう気持ちできてくれると思う。優勝争いをしたいと思います」