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4万人超を集めた「ZOZO」が賞金加算外へ! 男子ツアー、今季は賞金約10億9000万円減。2増2減の25試合だが・・。

タイガー・ウッズの出場で大盛況だった昨年10月の「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・習志野CC)

日本ゴルフツアー機構(JGTO)は年末に今季のツアー日程を発表しました。試合数は2増2減で昨季と同じ25試合ですが、賞金総額で10億8948円減の32億6060万円と大幅ダウンです。減額の理由は、昨秋米男子ツアーと共催で国内初開催された「ZOZOチャンピオンシップ」が高額賞金のため試合数から除外し、国内賞金ランキング加算を取りやめたため。大会自体は今年も10月下旬に米ツアーと日米共催で国内で開催される予定です。新規参加は日本初のプロアマ形式の「ゴルフパートナー・プロアマ」と「ザ・トップ」の2大会。消滅は、7年間開催された平和PGM選手権。すでに発表されている女子ツアーは37試合。男子ツアーは今季も女子より12試合も少ない日程に。賞金総額でも7億円近く低い額となっていて″女高男低〝のゴルフ界は依然と続きそうです。

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1打1打に″魅せるショット〝を放ってファンを沸かせたタイガー・ウッズ(「ZOZO」で)

タイガー・ウッズの参加で盛り上がった昨秋の「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・習志野)。6年契約を結んでいるため今季も10月に米男子ツアーとの日米共催で試合は行われますが、日本ツアー日程からは外れます。何で?と思われる向きも多いでしょうが、賞金が高すぎるのです。昨年度実績で総額975万㌦(約10億7250万円=優勝約1億9000万円)。たまたまタイガー・ウッズが優勝したからいいようなものですが、仮にも日本ツアーの選手が優勝でもしようものなら、この1発で賞金王が決定しかねません。昨季の賞金王、今平周吾の年間獲得賞金が1億6804万年でしたから、推して知るべしでしょう。昨年もZOZOのあと6試合の国内ツアーが残っていましたが、それらスポンサーにも配慮し、選手の意見も聞いたうえで「総合的に判断した」(JGTO浦山競技運営部長)という。通常の国内ツアーの賞金額の約10倍にもなる飛び抜けた高額賞金(昨季は50%賞金ランクに加算)が、かえってファンの興味を奪い去る結果になる危惧。それを踏まえた今季の日程編成というわけです。

 

20年の男子ツアー日程を発表する青木功JGTO会長(左)。右へ佐藤信人理事、浦山豊競技運営部部長(東京・ANAコンチネンタルホテル東京)

「ZOZO」は、日本ツアーからは限られた18選手だけの出場資格。しかも予選落ちのない大会では、日本ツアー全体からみても不公平感が漂う1戦ではありました。昨年大会は、2日目の雨天中止や月曜日を使ってのギャラリー限定の最終ラウンドを行ったりでしたが、それでも4万人を上回る大ギャラリーを集めた大会だけに、今季からはどんな大会になるのでしょうか。初代チャンピオンのタイガー・ウッズは「今年も参戦したい」とコメントしており「その週には別の大会は行わないという(米ツアーとの)取り決めにもなっている」(浦山部長)という。10月下旬の日本オープンとザ・トップとの間1週(10月22~25日)は空きになっているので、今季の日米共催の「ZOZO」はここで継続開催(千葉県内が有力)される予定です。もし、日本選手が優勝したらどうなるのでしょう?米ツアーですから、米国での出場権は得られますが・・。

 

青木功JGTO会長。

今季の男子ツアーは、このZOZOと平和PGMの2減となりますが、新たにプロアマ形式の「ゴルフパートナー・プロアマ」と「ザ・トップ」の2大会が加わります。トップは、昨年までツアーの東海クラシックの冠で、トップ杯東海クラシックを開催していました。独立して「ザ・トップ」となり、東海クラシックはバンテリンが冠に代わり「バンテリン東海クラシック」と名称が変更になります。

試合数、賞金額と今年も人気の女子ツアーに大きく水をあけられた男子ツアー。昨年、一大盛り上がりをみせた「ZOZOチャンピオンシップ」も、1年限りで今季からは日本ツアー外に去りました。男子ツアーとしてはタイガー・ウッズ並みのスーパースターがやはり欲しい。渋野日向子級のエンターティナーの出現―水面下から飛び出してくる″無名の男〝はいないのか? 実績のある石川遼や池田勇太らの大ブレークでもいいか。それとも、三井住友VISA太平洋マスターズをさらっていった金谷拓実(21歳のアマ。東北福祉大3年)なのでしょうか。

男子ツアーを担う男・石川遼。昨季3勝を挙げたが、賞金ランクは3位どまりだった。

JGTO青木功会長は今季のスローガンを「感動」「歓喜」「感謝」としました。
「選手は、自分の技量、パフォーマンスを見てもらうプロとしての意識を、もっと強く持ってもらいたい。原点に返って欲しい。いまの女子ツアーの活況を見るにつけ″男子は地味で人気もいま一つ〝という声を真摯(しんし)に受け止めなくてはいけない。20年は東京五輪もあるので、これを機に選手ひとりひとりがしっかりとわきまえてもらえれば・・」と一大奮起をうながしていますが、かけ声だけではどうにもなりません。さて、今季の男子ツアー、フタをあければどんな展開が待っているのでしょうかー。

 

池田勇太も今季の大爆発が期待される1人だ。

≪20年男子ツアー、主な日程≫
1月16日~19日にシンガポールで開催される「SMBCシンガポールオープン」(アジアツアーと共催)が今季も日本ツアーの開幕戦。このあと3ヶ月あいて4月16~19日の東建ホームメイト杯(三重・東建多度CC名古屋)で国内開幕。日本ツアー選手権森ビル杯6月4~7日(茨城・宍戸ヒルズ)。日本プロ選手権7月2~5日(栃木・日光CC)。ゴルフパートナー・プロアマ7月8~12日(茨城・取手国際GC)。
日本オープン選手権10月15~18(千葉・紫すみれコース)。ザ・トップ10月29~11月1日(未定)。ゴルフ日本シリーズJT杯12月3~6日(東京よみうりCC)=閉幕。

(了)