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「金」に最短、絶好調・畑岡奈紗(22)!病み上がりの松山英樹(29)はどこまで? 大改修された霞ヶ関攻略が見もの!

東京五輪に向けて19年にコースの大改修を行った埼玉・霞ヶ関CC(東コースの名物ホール、パー3の10番)

東京五輪のゴルフ競技が始まります。男子は7月29日(木)開幕。女子は翌週8月4日(水)にスタートです。ともに個人だけで4日間72ホールストロークプレー。各国から男女60人が参戦。舞台は埼玉・川越市の名門・霞ヶ関CC東コース。2019年、オリンピックに向けたコース大改修を行った同コース。世界の強豪が集まる中、日本は女子で2週前のマラソン・クラシックで米ツアー4勝目を挙げ、いま絶好調の畑岡奈紗(22)に金メダルの期待がかかります。男子では新型コロナウイルス検査で陽性反応を示し全英オープンなどを欠場した松山英樹(29)が、どこまで復調してくるか。酷暑のなか、シビアな戦いとなりそうですが、女子は稲見萠寧(21)、男子は星野陸也(25)と、もう一人ずつの奮闘にも期待がかかります。

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新型コロナウイルス感染でまる1ヵ月戦列を離れていた松山英樹。どこまで回復して五輪を戦えるか?

コロナ禍で戦列を離れていた松山英樹の復調がどこまで回復しているのか。いま焦点はここにあります。7月2日、米ツアー、ロケットモーゲージ・クラシック(ミシガン州デトロイト)の2R前の検査で、新型コロナウイルス陽性が判明。即2Rから棄権した松山です。マネージメント会社によれば当時「平熱ながら喉の痛み、頭痛、倦怠感、吐き気を感じていた」という。フロリダにある自宅で静養をつづけ、10日の時点でも陽性反応がありました。全英オープンなど4試合の欠場は致し方ありませんが、7月29日からの五輪ゴルフ競技に向け“五輪ピンチ”の観測も流れました。しかし「五輪欠場」のアナウンスはないまま、五輪開会を迎えたのが現状です。五輪欠場の場合は補欠最上位、金谷拓実の出場が予定されていましたが・・。

日本男子、松山英樹と組むのは25歳の星野陸也。全英OPではリンクスの洗礼を浴びて惨敗だったが「反省して次に生かす」と、東京五輪を見据えた。リベンジに期待が集まる。

最新情報は、早藤将太キャデイーのインスタグラムです。それによれば「先の全英オープン(7月15~18日)の直前から松山は練習を再開した」というものです。「11日間の隔離を経て、検査も2回陰性に転じ、すでに元気を取り戻して暑さの中、練習を続けています」とありました。ここまでくれば、松山の五輪出場は確定的でしょう。舞台となる霞ケ関はアマチュア時代から松山はよく知っているコースです。五輪用に大改修はされたのも、もちろん承知しています。多少の戸惑いはあるでしょうが、松山にとってホームの利は変わりません。星野陸也の若い力とともに、マスターズ・チャンピオン英樹の復活ゴルフに期待しましょう。

 

 

 

 

2週前には米ツアー「マラソンC」で米通算4勝目を挙げた畑岡奈紗。いま絶好調で東京五輪を迎える。

男子のエースが松山なら、女子の大エースは畑岡奈紗です。5月の米ツアー、マッチプレーあたりからクラブの握りに修正を加えたことでテークバックが安定してきたそうです。6月には日本の笹生優花と全米女子オープンの大舞台でプレーオフを演じました。惜しくもこの大魚は逃がしましたが、米ツアー本格参戦5年目畑岡のゴルフは、一段と精度を上げています。2週前のマラソン・クラシックでは初日にボギーなしの10バーディーで、米ツアー自己ベストの61をマークしています。「アイアンショットが、バーディーチャンスにたくさんつけられるようになってきた」(畑岡)。世界ランキングは9位。先週のエビアン選手権は欠場して来週の東京五輪に備えています。霞ケ関はすでに練習ラウンドしている畑岡「ジュニア時代からプレーしてますが、改修で五輪仕様に変わっています。日本のコースの雰囲気は残っていますが、ちょっと海外っぽい感じが強くなった」と、変貌した霞ケ関を見据えています。

畑岡は昨年からリディア・コらを指導した米国のコーチ、ゲーリー・ギルクリスト氏に師事、スイングチェックを怠っていないのが、結果に残せているという。前回16年のリオ五輪でゴルフ競技が復活。それを機に畑岡は自国開催の東京五輪への思い入れは強くなったようです。「近づいた五輪前のタイミングで(マラソンCに)勝てたのは自信になりましたね。ショットやパットの精度を今一度上げて、霞ヶ関に入りたい」と決意のほどををみせています。もう一人の稲見萠寧を従えての、奈紗の世界レベルのゴルフを見せてもらいたいものです。

今季5勝と大ブレイクした稲見萠寧。世界ランクも上げて畑岡奈紗に次ぐ日本代表に。五輪での爆発に期待が集まる(19年GTPAのルーキーオブザイヤーに選ばれた時の表彰式で)

改修された霞ヶ関CC。ワングリーンになったグリーンには、大きな傾斜、うねりをつけ、段差もあって難しくなった。マスターズが行われるオーガスタ・ナショナルのグリーンのうねりも有名ですが、場所によっては「あれ以上」という選手もいます。ピンポジションに合わせて同じ面に乗せないと、3パットやそれ以上の悲劇にもなりかねない。グリーン周りには深いバンカーが待ち受けていて、転がし上げるより高く上げて止まる球で攻めるのが得策といえそう。近年の“飛ぶゴルフ”に合わせて、フェアウェイバンカーも新設されています。霞ヶ関はもともとが多くの樹木でセパレートされた林間コース。この日本らしさはそのままですが、全体的にはアメリカンスタイルが採り入れられたといっていいようです。
加えて埼玉・川越は、“暑さ”で日本一といわれる熊谷地区に近い埼玉県南西部に位置します。連日の酷暑は免れそうにありません。無観客試合でギャラリーはいませんが、プレーヤーはじめキャデイーや関係者の熱中症対策は重要。芝生のはね返りも強いゴルフコースの暑さは、勝負さえも左右しかねない難敵と考えていいでしょうー。

(了)