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全米アマ1、2位ならマスターズに出られる!!日本アマチャンプ・中島啓太(21)に広がる夢舞台!

“世界アマランキング1位”の中島啓太、ついに日本アマ選手権にも初V。(茨城・大利根CC=21・7・2)写真提供:日本ゴルフ協会

アマ世界ランク1位の中島啓太(21、日体大3年)が、ようやくアマの頂点に立ちました。
2年ぶりに開催されたアマ日本一を決める「日本アマチュア選手権」(茨城・大利根CC西)。最終日が降雨中止で大会は54ホールに短縮され、2日目に9アンダー、63でトップに立っていた中島啓太が、3日目のスコア通算10アンダーで初優勝しました。過去2位が3回ある中島が“2位の男”を返上し、うれしい初の栄冠。プロツアーにもたびたび出場して優勝争いの経験もある実力者が、ついに動き始めます。次戦は8月の全米アマ選手権。アマでは世界最高峰のタイトルを狙います。

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今年4月の男子プロツアー開幕戦「東建ホームメイト杯」を思い出します。史上5人目のアマチュア優勝を目指した日体大20歳・中島啓太は、2学年上でプロ転向したばかりの金谷拓実と最終日、最終組を回りました。最終18番では約10㍍のパットを決めるなど、最後まで優勝した金谷にプレッシャーをかけましたが、1打及ばす通算10アンダーの2位に終わりました。「本当に悔しい。でも金谷さんとの1打差には大きな差がありました。いつかはリベンジしたい」と涙を流した中島啓太でした。
昨年11月に松山英樹、金谷拓実に続く日本人3人目の世界アマランキング1位に立った啓太。「将来プロになっていくゴルフ人生において、とらないといけないタイトルだったので、素直に嬉しいでね」と、日本アマチャンプの勲章の喜びをかみしめました。

精悍な風貌も“プロ”の雰囲気がただよう中島啓太。ショットももうプロ級だ(日本アマ選手権=茨城・大利根CC西)提供:日本ゴルフ協会

大会初日はパープレーで32位と出遅れましたが、2日目には63の9アンダーで回り、一気にトップタイに浮上。終日雨の3日目、多くの選手がスコアを落とす中で中島は1つ伸ばすアンダーパー。「ビッグスコアの次の日は難しいけど、天候が悪かったので切り替えてやった」と、躍り出た単独トップの座に自信ありげでした。2位には3打差をつけた翌最終日。朝から雨が降り続く中をスタート。2番では10㍍ものロングパットを早々と決めてバーディーを奪うなど5ホールで一つ伸ばす執念のプレー。5打差と首位を固めたところで、11時10分、中止の決定。「最後までプレーしたかったけど」(中島)と残念がったものの、54ホール短縮の優勝が決まりました。

日本アマで2位が3回。他に2018年(芥屋)は中止になったのだが、そのときも2位だったという。「地元の練習場のおじさんからは“2位の男”と呼ばれてました」(笑)とか。
ようやくそのカラから抜け出した啓太は、これから強くなりそうなムードにあふれています。

オーガスタ・ナショナル女子アマに優勝した梶谷翼

日本のゴルフ界はいま、世界から注目を集めています。松山英樹の世界アマ1位からマスターズ制覇(21年4月)をメインに、金谷拓実(アジア・パシフィックアマ優勝=18年、世界アマ1位)、梶谷翼(オーガスタ・ナショナル女子アマ優勝=21年4月)、笹生優花(全米女子OP優勝=21年6月)・・と続きます。その流れに乗って中島啓太の名前も日ごとに有名になっています。2018年のアジアアマ(インドネシア)では中島が個人で優勝。昨年11月には日本人3人目の世界アマランク1位に浮上したのです。

 

全米女子オープンを制した笹生優花

「松山さん、金谷さん、梶谷さん、笹生さんと活躍されて、注目されると思うので、自分も8月の全米アマはしっかりと自覚を持ってプレーしたい。“世界アマランク1位”として会場入りすることになる。レベルの高い日本アマに勝って、自信を持ってアメリカに行きたい」

全米アマは優勝、準優勝でマスターズの出場権をもらえます。夢の舞台へと中島啓太の前途は次々と広がっていきます。「まだコースの情報など調べてませんけど、間違いなく過酷なコースだと思います。厳しい大会になると思うので、しっかりと準備をしてから行きたい。準備不足では行きたくない。秋には日本オープン、アジアンアマがありますから」ー。

8月5日に中島啓太は夢広がるアメリカへ旅立ちます。

(了)