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最高峰「全米オープン」へ、星野陸也、香妻陣一朗も米地区予選突破。 日本勢6人、どこまで暴れられる!?

「全米オープン」米国予選会で6位通過。昨年に続く本戦出場権を得た喜びの星野陸也(米テキサス州ダラス)。

男子ゴルフのメジャー第3戦、「全米オープン」(6月16日開幕、米マサチューセッツ州ザ・カントリークラブ)が近づきました。ゴルファーなら一度は出てみたい世界最高峰の舞台です。世界各地で地区予選が行われますが、5月23日(月)に設営された米国と日本での最終予選会で星野陸也(26)、香妻陣一朗(27)が米国地区で、日本地区では出水田大二郎(29)、杉山知靖(29)、トッド・シノット(豪、30)が本戦出場権を獲得しました。すでに出場資格を得ている松山英樹、アマチュアの中島啓太とあわせて、今年の日本ツアー勢は6人。(残る予選会は6月6日に米国8会場、カナダ1会場で開催)。中でも米国地区で切符をつかんだ星野陸也と香妻陣一朗は前日まで4日間、「全米プロ選手権」を戦ったばかり。最終日までプレーした星野は、前日ホールアウト後、全米プロ開催地のオクラホマ州タルサからテキサス州ダラスまで約420キロを車で約4時間かけて移動し、練習ラウンドなしで臨んで昨年に続く米国での予選を突破しました。

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昨季国内賞金ランク5位、ツアー5勝の実力者・星野陸也。“今年こそ”の海外メジャーだ。

星野陸也、香妻陣一朗のプロゴルファーらしい戦う意欲は素晴らしいものです。「全米プロ」が終わった翌日の月曜日に設営された米国最終予選会。同じ5月23日に日本でも千葉・カレドニアンGCで予選会がありましたが、米国遠征している選手には出場はムリ。それなら米国の予選会でトライしようという計画を立てたのは星野、香妻のほか金谷拓実と木下稜介の4人。香妻、金谷、木下は「全米プロ」で予選落ちしたので早めの移動が可能でしたが、最終日まで戦った星野は全くの“移動日なし”。深夜におよぶ車移動という強行軍でした。

98選手が13枠をかけた1日36ホールストローク競技。香妻は第1ラウンドを4バーディー、1ボギーの「68」。コースが変わる第2ラウンドでは4連続を含む10バーディー(2ボギー)を奪って通算11アンダー。1位タイで通過する大殊勲。星野は第1ラウンドを6バーディー、1ボギーの「66」。第2ラウンドを5バーディー、1ボギーの「67」。通算9アンダー、6位タイで本戦出場を確定させました。移動日なし、ぶっつけ本番の未知のコースで予選をクリアした2人の“執念”と“実力”は見上げたものです。(金谷、木下は予選突破成らず)

「全米オープン」米国最終予選。98選手が挑戦、13枠をかけた1日36ホールの戦いをトータル11アンダーでトップタイ通過した香妻陣一朗。
本戦出場は初となる(提供:PGA)

いつもはみっちり時間をかけて準備する星野が、異国の地で“ぶっつけ本番”の強引なトライに耐えられたことは、貴重な経験となりました。コースが変わる第2ラウンドではグリーンの重さに戸惑ったようですが、それも後半は修正できて自分のゴルフに戻れたという。「いろいろ経験を積んで、自分もタフになったのかな」と自画自賛でした。
「ハードスケジュールの中でやり抜けたのは嬉しかったですね。全米オープン本戦は、今回も難しいコースだしやりがいがある。全米プロで最後、うまくいかなかった(60位)悔しさもあるので、目標を高くもって楽しみたい」と、2年連続3回目の全米オープンに思いをはせる星野です(昨年はトーリーパインズGCで26位)。昨年は東京五輪でも日本代表になった星野。一発、大駆けも夢ではありません。

「全米オープン」日本最終予選で本戦出場権をつかんだ3人。(左から)出水田大二郎、杉山知靖、トッド・シノット(豪)=千葉・カレドニアンGC

星野はいったん帰国し来週の「日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ」(6月2~5日、茨城・宍戸ヒルズ)に出場したあと再渡米します。

一方、米国予選を1位通過した香妻は、今季国内開幕戦「東建ホームメイト」でプレーオフ勝ちしてツアー2勝目を挙げた好調組の一人。トライした「全米プロ」では、カットライン上で迎えた最終18番で池ポチャして痛恨の予選落ち。そのリベンジで挑んだ全米オープンの米国予選。出場98選手中トップ通過はお見事な立ち直りでした。165㌢の小兵が、本戦でのひと暴れが見ものです。

今年6月、第122回「全米オープン」が開催される「ザ・カントリークラブ」(米マサチューセッツ州)

同日に行われた日本予選では23選手がエントリー。上位3人までの出場権をかけての1日36ホールストローク競技でした。昨21年のブリヂストン・オープンで日本ツアー初勝利を挙げた杉山知靖が9アンダーで首位。「ジュニアのころからの憧れていた舞台で光栄。最低でも予選は通過したい」(杉山)とうれしいコメント。8アンダー2位に入ったのは、やはりツアー1勝の出水田大二郎。あとの1枠は3人のプレーオフでシノット(豪)が出場権をとりました。3人とも海外メジャー初出場。昨年は全米予選会首位通過した石川遼(30)は、今年はトータル1オーバーと振るわず、16位タイで3年連続7度目の本戦出場は成りませんでした。

6月16日開幕が楽しみです。

(了)