男子ゴルフ選手会長の谷原秀人(43)が話題の「LIVゴルフ」第6戦に出場するもようです。10月7日(金)から3日間、タイ・バンコクのストーン・ヒル(パー71)で開催される「LIV招待」第6戦の出場48選手が発表され、日本勢ではただ一人、谷原秀人が自身4度目の出場が確認されました。これまで「LIVゴルフ」に出場した日本選手はリーダー格の谷原のほか香妻陣一朗、木下稜介、稲森佑貴の計4人でしたが、第4戦以降は出場要請がなく、第6戦で谷原が久々名を連ねたものです。これまで3試合での谷原の獲得賞金は6000万円を超えています。同週には国内ツアー、JGTO主催、選手会共催の「For The Players By The Players」(群馬)があり、また物議をかもしそうですがー。
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サウジアラビア政府系ファンドを資金源に、グレッグ・ノーマン(豪)がCEOを務めるLIVゴルフ。ビッグマネーの賞金をバックにし、今年6月にロンドンでシリーズ第1戦を立ち上げたあと、第2戦(米オレゴン州ポートランド)、第3戦(米ニュージャージー州ベッドミンスター)、第4戦(米マサチューセッツ州ボストン)、第5戦(米イリノイ州シカゴ)とシリーズを続け、今回はアジアに移りタイ・バンコクで第6戦を迎えます。シリーズ1年目の今季は計8試合が予定されており、第7戦はサウジアラビアのジッダ。第8戦は米マイアミで行われます。
大会は予選落ちがなく、3日間54ホールのストロークプレーと、4人1組12チームによる団体戦を同時進行で行います。団体戦は、初日、2日目が各組上位2人のスコアを合算。最終日は上位3人のスコアを合わせた3日間の通算ストロークで争います。賞金総額は、2500万ドル(約36億円)、優勝賞金は個人戦400万ドル(約5億7600万円)、団体戦は300万ドル(約4億3200万円)のビッグマネーが用意されます=1ドル144円換算=。
LIV新リーグに異議を唱えている米PGAツアーは、8月下旬に米ツアーメンバーに対して「LIVゴルフに参戦した“移籍選手”の米ツアー出場は停止処分とする」との通達を出し、沈黙を保ってきた非PGAツアーメンバーの国内男子ツアー選手に対しても「LIVゴルフに参戦した選手は22年度中は米ツアー出場を認めない」との通告を8月29日、日本ゴルフツアー機構(JGTO)を通して通知してきました。従って10月13日から日本で開幕する米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」には谷原秀人、木下稜介、香妻陣一朗、稲森佑貴のほか、ショーン・ノリス(南ア)、スコット・ビンセント(ジンバブエ)の日本シード選手が出場停止の対象となっています。
米ツアーからの通達を受けた日本選手のうち木下稜介(31)は、9月上旬すぐさま「LIVからは手を引き、(以前から希望している)米ツアーに気合を入れ直してトライしていきたい」と表明、今後のLIVゴルフ出場を見送る考えを示しました。有名選手のLIV参加が増えてきたこともあり、当初LIVゴルフに参戦した日本選手への出場要請がこなくなり、第4戦以降は日本選手の参戦は途絶えていました。舞台が米国からアジアシリーズの第6戦に移り、今回日本勢を引率していた谷原だけの再登場となったものです。
しかし、国内ツアーでは同週には「For The Playersー」(群馬・THE RAYSUM )が組まれており、この試合は選手会がJGTOと共催する大会。選手会長不在の大会では恰好がつかないとの声も聞かれます。
一方、海外志向だった谷原は、05年には米ツアー参戦。06年の全英オープンでは5位と健闘。18、19年は欧州ツアーを本拠として戦ってきた経緯もあります。新シリーズ「LIVゴルフ」参戦には開幕当初から興味をみせ、第1戦のロンドンでは38位。第2戦の米ポートランドでは16位。第3戦米ベッドミンスターでは47位と、上位はありませんでしたが、3試合に連続出場、獲得賞金は約6500万円にも上ります。パット巧者といわれ、12年から3年連続で国内平均パット数1位の実績も持っています。もう43歳になりましたが、昨秋は11月に「三井住友VISA太平洋マスターズ」、12月の最終戦「ゴルフ日本シリーズJT杯」とビッグ大会を相次いで制するなど、まだまだ健在です。
いろいろ問題は抱える新リーグ「LIVゴルフ」ですが、国際派・ベテランのひと暴れを期待する向きも少なくありません。7月の第3戦以来の日本選手の出場に注目です。
(了)