Monthly Archives: 3月 2023

★タイの16歳に独走を許した日本女子アマたち! 荒木優奈、橋本美月、吉田鈴らに試練が!

日本勢最上位の3位に入った荒木優奈。優勝には8打差とどかなかった(シンガポール)

アジア太平洋地域今季最強の女子アマゴルファーは、タイの16歳、エイラ・ガリツキーに輝きました。「アジア太平洋女子アマチュア選手権」が、今年はシンガポールの「アイランドCC」(パー72)で4日間(3.9~12)の激戦が繰り広げられ、ガリツキーは最終日単独首位から出て4つ伸ばす「68」をマーク、2位に5打差をつけるトータル14アンダーの圧勝でした。日本からは21年大会の覇者・橋本美月(東北福祉大2年)ら6人が挑戦。19年の安田祐香、21年の橋本美月に続き3度目の日本勢栄冠を目指しましたが、日本人最高位は荒木優菜(宮崎・日章学園高2年、17歳)で通算6アンダーの3位でした。優勝したガリツキーには「AIG全英女子オープン」「エビアン選手権」「ザ・シェブロン選手権」の海外メジャー3試合や、男子のマスターズ1週前にオーガスタコースで行われる「オーガスタ・ナショナル女子アマ」への出場権が付与されます。

☆★      ☆★      ☆★

 

日本勢の“エース格”だった橋本美月もシンガポールでは振るわなかった。(提供:JGA)

日本からの出場は橋本美月(世界アマランク19位)、荒木優菜(世界アマランク6位、昨年大会3位)、吉田鈴(世界アマランク4位、吉田優利女子プロの妹、18歳)、寺岡沙弥香(世界アマランク10位、22年日本女子アマ優勝、20歳)、上田澪空(みく、東京・共立女子第二高2年)、手塚彩馨(長野・佐久長聖高2年)の6人。うち決勝に進んだのは橋本、荒木、吉田、寺岡の4人(上田澪空と手塚彩馨は予選落ち)。この大会優勝経験のある橋本美月は、今年1月の「豪州女子アマ」にも優勝したばかりで日本勢のエース的存在でしたが、今週は不振続き。代わって日本勢の“柱”になったのは荒木優奈。2日目、3日目に連続して「68」を出し、一気に首位に4打差3位に浮上しました。1月豪州で開催の「オーストラリアン・マスター・オブ・アマチュア」で優勝。「クィーンシリキット・アジア太平洋女子チーム選手権」では日本を代表して戦った選手です。

シンがポールでは28位に終わった吉田優利の妹・吉田鈴(18)。2年目の「オーガスタナショナル女子アマ」でリベンジ成るか?

ところが4打差を追った最終日「朝から肩に力が入ってしまった」と、1番でいきなり3パットボギー。15番(パー4)ではダブルボギー。上がり3ホールで2つ取り返す意地をみせましたが、「パターもはまってくれなかった」と5バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの「72」のパープレーがやっと。ガリツキー追撃は成らず、結果はトップには8打差の3位タイ。日本勢最高位とはなりましたが「去年と一緒(3位)だよ。優勝を狙っていたのに・・」と、悔しさの残る4日間でした。このあとは豪州でのナショナルチームの合宿に合流して「万全な状態に再調整したい」。次戦30日開幕の「オーガスタナショナル女子アマ」でのリベンジを期していました。

 

寺岡沙弥香も初日5位のいスタートだったが、最終日は10位に転落(提供:大会事務局)

吉田鈴もアンダーパーのゴルフができなかった悔しさに唇をかむばかり。パープレーで迎えた17番(パー4)では「バーディーがとりたい気持ちが先にいってしまって」と、ドライバーを右にOB。打ち直しは左のバンカーに入れてダブルボギー。「まだまだ通用しない」と反省ばかりが口をつきました。昨年は「オーガスタナショナル女子アマ」で予選を突破。20位に入る頑張りをみせましたが、今年もその出場招待状を受け取っています。馬場咲希を別格にすれば、現在の日本女子アマでのエース格・橋本美月も含め、気候や芝生の異なる海外での国際試合の経験は一試合一試合が貴重な薬です。今週のシンガポールは日本女子のトップアマたちにはいい体験だったようです。

2位に5打差をつける14アンダーで圧勝。うれしい優勝トロフィーを掲げるタイの16歳、エイラ・ガリツキー(提供:大会事務局)

トップを走ったタイ、16歳のガリツキー。2位は5打差9アンダーでキム・ミンソル(韓国)でした。

(了)