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海外志向の桂川有人(24)に到来したビッグチャンス!「全米オープン」米国予選トップ合格で本戦切符をつかんだラッキーボーイ

22年1月、「SMBCシンガポール・オープン」で2位タイに入り、上位4人に与えられた「全英オープン」の出場権を獲得。ピンフラッグを掲げる桂川有人。憧れのセント・アンドリュースでの本戦は47位だった。今季はこれに続く海外メジャー2戦目の挑戦。

今季、米下部ツアー(コーン・フェリーツアー)を主戦場にしている桂川有人(24)が、滞在中の米国で「全米オープン」最終予選を勝ち抜き、カリフォルニア州の名門「ロサンゼルスCCノースコース」で6月15日開幕の大舞台に臨みます。米国最終予選は、6月5日カナダも含め10会場で用意され、1日36ホール勝負のハードなフィールド。桂川はノースカロライナ州オールド・チャタムGC(パー72)で参戦。第1ラウンドを「64」、第2ラウンドを「68」。通算12アンダーでトップタイで通過。上位5枠に割り当てられた本戦への出場権をつかみ取りました。大西魁斗も同会場で挑戦しましたが、通算8アンダーで上位5人に入れませんでした。これで今年の「全米OP」日本勢は、昨年全米オープン4位の松山英樹に加え、先日日本予選をクリアした石川遼、永野竜太郎の4人が晴舞台へ出場します。

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昨年4月「ISPS HANDA 日本・欧州」(茨城・石岡)でツアー初優勝したときの桂川有人。

ノースカロライナ州オールド・チャタム・クラブでの36ホール勝負。76人が参加したこの会場。“上位5枠”を目指した桂川は、最初の18ホールを7バーディー、ボギーなしの「64」と好調なスタートをみせ、波に乗った第2ラウンドも5バーディー、1ボギーの「68」。パトリック・カバー(米)と並ぶト-タル12アンダーのトップタイでホールアウトしました。

愛知出身。中学を終えた桂川はひとりフィリピンに渡り、マニラ近郊でゴルフ留学。通信制の高校で学びながら、3年間ゴルフの腕を磨きました。帰国後は日大に進学。桂川のゴルフ人生は一気にヒートアップします。18年には「日本学生」で優勝をつかみますが、その2日目には「60」をマークして非凡な一端をみせつけました。ナショナルチームでも活躍したあと、20年にはプロ宣言。21年には国内下部の「ABEMAツアー」で勝ち、レギュラーツアーに上がった22年は開幕戦の「東建」でいきなりプレーオフで惜敗。

 

 

22.4「ISPS HANDA 欧州・日本」で国内ツアー初優勝。優勝カブトをかぶる桂川有人(茨城・石岡)。

3戦目の「ISPS HANDA 欧州・日本」では早くも初優勝と、階段を急角度で登っています。22年シーズンは、パーオン率は歴代最高の75.585で1位。平均ストローク4位(70.268)。トータルドライビング1位(ドライビングディスタンスとFWキープ率をポイント換算したもの)・・と各部門で上位につける質の高いゴルフで最優秀新人賞を受賞。賞金ランク5位でフィニッシュでした。

 

 

 

各部門で精度の高いゴルフが持ち味の桂川有人のスイング(提供:JGTO)

22年秋には、海外志向の強い桂川は本場・米国の下部ツアーをターゲットに選びました。僚友・大西魁斗とともに米下部QT(予選会)を受験。最終日にはベストスコア「64」で2アンダーとしましたが、出足のつまずきもあって45位。8試合には出場が約束される「11~40位タイ」に1打届かず、出場試合数は未定となりましたが、桂川はシーズンが始まっても米国に留まって出場機会をうかがう日々を過ごしていました。

そんな桂川にビッグチャンスが到来しました。日本地区予選を回避し、米国での最終予選会を選んだのも正解だったのでしょうか。フィリピンへのゴルフ留学にはじまり、プロになってからはすぐに米ツアーの下部を狙っての渡米と、海外には恐れをみせない桂川です。今度はいきなりやってきた最高峰「全米オープン」の舞台です。高精度のゴルフを身につけてきた桂川有人の“一発勝負”が楽しみです。石川遼が夢にまで見てきたという超名門「ロサンゼルスCC」での全米OPのステージは、今週始まります。

(了)