タイで行われていたゴルフ・アジアンツアーの最終予選会で生源寺龍憲(25歳 しょうげんじ・たつのり)、杉浦悠太、鍋谷太一、池村寛世(ともよ)、木下稜介の日本勢5人が2024年シーズンの出場権を得ました。23人が挑戦した日本勢最上位の2位で通過した生源寺は、国内下部ツアーの昨季賞金王。鍋谷は昨季の「カシオ・ワールド」でプロ11年目でツアー初優勝。杉浦は「ダンロップ・フェニックス」で日大4年のアマ優勝でそれぞれ話題となった新鋭です。今季は国内だけでなく、広く海外めざしアジアをターゲットにする若者たちです。
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最終予選会は1月16日から5日間で行われ、第2ラウンドで149位までが第3、4ラウンドに進出。72ホール終了時点で68位タイまでが5日目の最終ラウンドを戦いました。終始好位置をキープした生源寺は、最終日4打差5位から出て一時は単独首位に立つなど6バーディー、1ボギーの「67」と健闘でしたが、通算18アンダーでトップ合格したスウェーデンのクリストファー・ブロバーグに次ぐ2位にとどまりました。生源寺は1998年5月15日生まれの25歳。山口県山陽小野田市出身で岡山・作陽高から同志社大へ。作陽高では女子の渋野日向子と同級生。下には欧州ツアー初制覇の久常涼もいて「上のステージに挑戦している2人に続きたい」と大きな夢を抱いています。20年にQTを経てプロ転向。ABEMAツアー中心だったが、22年の「日本オープン」で自己ベストの12位に入っています。ショートアイアンを得意として昨年はABEMAツアー2勝で賞金王。今季はレギュラーツアーのメンバーにもなりましたが、アジアンツアーの資格も目指し早くも海外への挑戦です。
「今年はアジア、日本を行き来してプレーし両方のシード権をとりたい。予選会はパッティングがよかったので落ち着いてプレーができたが、まさか2位になるとは思っていなかった」とうれしいコメント。
昨年11月、国内ツアーの「ダンロップ・フェニックス」でアマチュア優勝を飾った杉浦悠太(最終予選32位、日大4年)と「カシオワールド」を制した鍋谷太一(21位)もそろって予選会を通過。国内ツアー2勝の木下稜介(6位)、同2勝の池村寛世(35位)も出場権を手にしました。国内・アジアの二股狙いです。
カットライン付近では佐藤大平、浅地洋佑、小斉平優和、阿久津未来也,大槻智春らが当選ラインに及びませんでした。
アジアンツアーは2月15日開幕の「マレーシアオープン」をスタートに、最終的には全23試合が予定され、昨年2月、金谷拓実が制したオマーン大会などの高額賞金シリーズ「インターナショナルシリーズ」が年間10試合含まれるとしています。
賞金総額は昨年を上回る3500万ドル超(約51億円超)の規模になる見込み。「新スケジュールはアジアンツアーの驚異的な成長を反映している」(アジアンツアー首脳)とされ、著しいアジアンツアーの隆盛に勢いをつけています。日本勢が米欧ツアーとは別に“アジア”を狙うゆえんでしょう。注目のツアーです。
(了)