Daily Archives: 2024 年 11 月 25 日

石川遼の大逆転賞金王は? パー5で「10」を叩いて立ち直った粘りの男は? 最終戦「日本シリーズJT杯」は今週28日から

賞金ランク2位の金谷拓実。1位平田憲聖とは僅かに288万9657円差。最終戦がみもの

今季のゴルフ男子ツアー賞金王争いは、最後まで大激戦となりました。今週の最終戦「日本シリーズJT杯」の優勝賞金4000万円の行方次第では、賞金レース6位にいる石川遼が大逆転劇を演じる可能性がでてきました。現在288万9600円差の2位金谷拓実始め、今平周吾(ランク3位)、先週「カシオワールド」で勝った岩田寛(ランク4位)、木下稜介(ランク5位)までも逆転賞金王への望みを残しています。1位にいる平田憲聖が最終戦でいくら上積みするかによって大きく変わります。賞金7位の清水大成は「カシオ」の3日目、7番パー5で「10」の大叩きをしながら初優勝へ踏みとどまって驚かせました。最終日18番(パー5)では2オン。逆転のイーグルチャンスで10㍍から3パット。1打差2位で終わる“涙”もありました。

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「カシオワールド」(Kochi・黒潮CC)1打差3位から最終日をスタートした石川遼。3日目までノーボギーのゴルフを続けていましたが、最終日2番パー3でバンカーに落として初ボギー。このラウンドでは4つのボギーを犯してスコアを伸ばせず、3打差の11アンダーで優勝を逃がしました。ホールアウト後は珍しく涙が止まらず「きょうは自分のゴルフができなかった。今週はいい感じでゴルフができていてパーオンもロングパットも順調にできていたのに、最後にミスショットが出てしまった。強い風が吹いていたが、自分で難しくしてしまった。こういう日はいいマネジメントができなくなるので、もっと落ち着いてやるべきだった。朝から、ペースをつかめなかったのが悔しい」と、あくまでも自分を戒めた遼。涙ぐむほどの悔しがりようは、ホストプロでもあり、いかにこの試合に好調を維持しようと心していたかでしよう。

今週の最終戦「日本シリーズJT杯」での大逆転賞金王成るか。石川遼

次週はいよいよ今季最終戦の「日本シリーズJT杯」です。2015年、2019年に優勝している石川の東京よみうりでの「日本シリーズ」は、3回目のVを目指します。3週前の「三井住友VISA太平洋」(御殿場)で今季2勝目を挙げ調子は上向いている遼ですが「ショットは先週(ダンロップフェニックス)よりよくなっている。次週に向けていい材料もあるし課題もみつかっている。先週が(逸勝)悔しくてたまらないんですが、今週は“やってやる”という気持ち」と気合いを入れ直しています。賞金ランキング1位との差は2648万円余。最終戦では勝つことが必須条件となりますが、遼の1発勝負がみものです。

もう一人悔し涙を拭ったのが清水大成(25)です。プロ5年目。東福岡高から日大。2017年の「日本学生」で1年生王者。ベースボールグリップで今季は好調。トップ10「8回」。平均飛距離7位(301yd)。平均パット数1位(1.68)。バーディー数2位、イーグル数4位。賞金ランキング7位(11月24日現在)。今年は全米オープンにも出場(予選落)。ツアー未勝利。

「カシオ」3日目、パー5で「10」を叩きながらバーディーフィニッシュ。小さなガッツポーズする清水大成(カシオワ-ルド)

「カシオ」3日目のこと。首位と1打差2位から出た清水大成は、7番パー5まで好調にきながらこのホールで大叩き。第1打を右の林へ曲げ、いったん隣の4番ホールへ出して、林越えの3打目でグリーンを狙ったが失敗。2度ロストボール。1打罰を加えて打ちなおした5打目も紛失球となりさらに1打罰のあと、ようやく7打目で正規の7番ラフへ。8打目でグリーンに乗り、2パットでまさかの「10」。「1打差の2位」は一気に「6打差」に広がり「もう打ちに戻りたくない」と意気消沈でしたが、キャディーから「3日目で6打差なら、普通は諦めないでしょう」と気合いをいれられ気を取り直したという。「また元のスコアに戻ってこられれば」と思いながらプレーしたとか。バックナインに入ってからも強い風の中、粘り強いプレーを続け、3バーディー、1ボギー。最終18番ではバーディーフィニッシュで1オーバーの「73」。スコアを落とした同組のソン・ヨンハン(韓国)に再び1打差に迫る11アンダーで最終日へ向かったのです。
その最終日は首位へ1打差で最終18番(パー5)へ。長打力を生かして2オンした約10㍍。初優勝の夢が膨らみイーグルなら逆転優勝の大チャンス。第1パットを約5㍍オーバー。返しのバーディーパットも外すパー止まりで涙しました。それでも「70」で回って通算13アンダー。1打差の2位でホールアウトでした。

驚異の粘りでランクを上げ、今週の「日本シリーズJT杯」にも晴れてエントリーできる“話題の男”にも注目です。(了)