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“カイトに続け!”米下部ツアーを重視する蝉川泰果、平田憲聖! 平田は国内ツアーカットしてでも行きたい「コーンフェリー」(下部)

22年フジサンケイで国内初Vを挙げた大西魁斗のショット(提供:JGTO)

26歳の大西魁斗(おおにし・カイト)が米下部ツアーから今季米レギュラーツアーに昇格する快挙が、日本男子に強烈な刺激を与えました。カイト(大西魁斗)に続け!の声が聞こえるようです。蝉川泰果、平田憲聖の日本の若手ホープが続々「コーンフェリーツアー」(米下部)にエントリー。国内開幕前の腕試しと米ツアー昇格への近道にもなるとして大人気。蝉川は1月12~15日で開幕するコーンフェリー開幕戦「バハマゴルフクラシック」で25年のスタートを切り、続いて顔幕4戦に参戦します。昨季国内賞金ランク2位の平田は、推薦出場する米ツアー「ソニーオープンinハワイ」と重なり開幕戦には出られないが、下部2戦目の「バハマグレートアバコ・クラシック」(1月19~22日)から5月22日開幕の「ウィジットノキシビル・オープン」(テネシー州)までの11試合にターゲットを置き、その間に米ツアー出場権を与えられる「上位30人」の年間ポイントを稼ごうというプラン。国内ツアーを縮小してでも米下部ツアーで戦ってみようという思い切ったスケジュールを組んでいます。“米下部へ、下部へ”となびく日本勢の思惑や、いかにー。

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大西魁斗(おおにし・かいと)26歳。千葉生まれ。愛知で育つ。父親の勧めで5歳でゴルフを始め、9歳で渡米。南カリフォルニア大2年時にオールアメリカン選出。2021年5月、日本ツアーでプロデビュー。177㌢、74㌔。父・泰斗さんは東洋学園大教授。NHK「ラジオ英会話」講師。プロ転向後の大西は、米国で腕を磨き、22年国内の「フジサンケイ・クラシック」で初優勝。23年からは米下部ツアーに専念。2年目の昨季は21試合を戦い6月の大会で初優勝。10位以内に3度入るなどで年間ポイントランク25位をキープ。「上位30選手」に与えられる今季の米レギュラーツアー出場権を獲得する殊勲をあげました。今年の米ツアーで戦うのは、松山英樹を筆頭に金谷拓実、星野陸也、久常涼に加えて大西魁斗が参入し5人が夢の最高峰を主戦場にします。

国内ツアー4勝の蝉川泰果が、今季は米下部ツアーでシーズンのスタートを切ります。昨季はシーズン前半に主催者推薦などで米ツアー6試合に出場。決勝ラウンドに4大会進みトップ10入りが1回(バイロンネルソン9位)。これにより下部ツアーの限定的な出場資格を得ていたものです。今季出場できそうな試合は、開幕戦などバハマで2試合。パナマで「パナマ選手権」。コロンビアでの第4戦「アスタラゴルフ選手権」の4大会が濃厚。いま蝉川にはフル参戦する資格はなく、多くの試合には出られませんが、少ない試合で勝負をかけようという狙い。しかも中南米やカリブ海での厳しい環境にも耐えなくてはなりません。蝉川も「日本とは違う環境。タフなコンディションに耐えて成績を残さなくてはならない。でもこのチャンスを逃がさず自分のレベルアップにつなげていきたい」と、厳しい戦いは覚悟の上の遠征です。昨年はシーズン中にタレントの久保葵さんと結婚・入籍したことを報告。ゴルフは無勝利に終わり、今年は心機一転の再スタートといえるでしょう。

昨季国内で賞金王を逃がした平田憲聖。今季はシーズン前半、米下部ツアーで長期挑戦する(写真は23年日本プロ制覇のとき=日本PGA提供)

国内ツアーで昨季4勝を挙げ、賞金王を惜しいところで逃がした平田憲聖。今季は「国内ツアーも出ますが、まずはコーンフェリーでやってみたい」と米下部ツアー挑戦の意向を表明しています。昨秋のQスクール最終予選会で8位タイとなり、下部ツアーの限定出場権を得たことが大きく影響したようです。米ツアーの「ソニーオープンinハワイ」に推薦出場したあと、バハマに飛んで下部開幕第2戦から5月下旬までの11試合に出場。4ヵ月の長きにわたり米下部ツアーを転戦するというから驚きです。国内ツアーは4月10日に開幕しますが、日程が重なる数試合は米下部を優先する計画。その間に年間ポイントランク「上位30人」(米ツアーに上がれる)を狙うプランです。
米下部ツアーは10月中旬に終了するため、国内は10月16日開幕の「日本オープン」はじめ7試合前後のビッグ大会には出場可能と踏んでいるようです。女子ツアーが13人、男子ツアーが5人、合わせてすでに18人の男女日本勢が海を渡る今季。ゴルフ界のワールドワイドも広がる一方ですが、“カイトに続け!と「米下部重視」の男子ゴルフには興味深々です。

(了)