Daily Archives: 2025 年 1 月 27 日

中島啓太、今季欧州初戦で会心のミラクルショット「アルバトロス」達成! 快挙のあとは予選落ち!とはご愛敬

237ヤードを直接放り込むアルバトロスを演じ、同組のキャディー達からも祝福の握手を受ける中島啓太(右端)=UAE・ドバイ、エミレーツGC=提供:DPワールドツアー

中島啓太(24)が衝撃の初体験、アルバトロス達成!欧州ツアー(DPワ-ルドツアー)を拠点にして2年目の中島。今季自身初戦の「ヒーロー・ドバイ・デザート・クラシック」(アラブ首長国連邦 7378ヤード、パー72)の最終日最終18番(555ヤード、パー5)。残り237ydのフェアウェイからの第2打を5番ウッドで会心の1打。グリーン手前の池をギリギリにクリアしてグリーンエッジまで跳ね、2メートルほど転がってそのままカップインしました。規定打数を3つ縮めるミラクルショットの完成。3バーディー、4ボギーと苦戦していた最終ホールでの奇跡の1打で「70」とスコアを縮め、トータル5アンダー・21位タイでフィニッシュしました。欧州挑戦、幸先のいい2年目をスタートさせた啓太の2年目が楽しみです。

 

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ホールインワンより難しいといわれるミラクルショットで逆転Vなら、もうお祭り騒ぎでしたが、そうは世の中うまくはいきません。この週、中島の初日は「68」と4アンダーのスタートでしたが、2日目、3日目にアンダーが出ず(72、73)苦しい戦い。最終日も1オーバーをたたいて最終18番を迎えていました。「今年はもっとアグレッシブに攻めるゴルフをしたい。飛距離アップをして複数回優勝をめざしたい」と欧州行きの前に語っていたのはつい先日のこと。契約しているテーラーメイド社の新ドライバーに「5番ウッドを新たに加えたい」とも話していました。その新兵器・5Wを握った第2打を「パーフェクト・ショット」(中島)で、池越え237ydを直接ほうり込んだのだからこんな嬉しいことはなかったでしょう。「新しいテーラーの5番ウッドはお気に入りなんです」と嬉しいコメントも発信していました。中島にとってアルバトロスはプロアマを通じて初体験。欧州ツアー8勝目(15アンダー)を飾ったティレル・ハットン(英国)には10打足りませんでしたが、この先、「5番ウッド」の活躍は何度もみられるに違いありません。

2023.9フジサンケイ=JGTO提供

欧州ツアーの公式インスタグラムは衝撃の動画を公開しましたが、映像はボールがカップに吸い込まれる瞬間のものだけ。高額賞金の大会だけにファンからは「だれも(本人を)撮っていないの。どこから打ったの」という声が多々聞かれたのは珍現象。
「DPワールドツアー」(欧州)は、年間ポイント「10位以内」に入れば、翌年の米ツアーへの出場権を獲得できます。中島啓太もそのルートを狙っているのですが、今季第1戦で21位に食い込んだのは悪くはありません。初戦で87.6ptを稼ぎ、57位にランクインしました。昨季は「ヒーローインデアンオープン」で1勝(3月)したものの、足、腰、背中などに痛みが出て休養期間があるなど、体調不良に悩みました。予定していた数より5、6試合少ない22戦に終わったのを反省しています。オフには足腰を鍛え、十分のトレーニングを積んで今季の“リベンジ”を期していまる啓太です。

中島の第2戦は、引き続きアラブ首長国連邦での「ラアス・アル・ハイマ選手権」(パー72)でした。昨年は4位に入っているだけに期待される大会でしたが、初日に「77」を叩いて大きく出遅れ。2日目には6バーディー、1ボギーの「67」で巻き返しましたが、カットラインに1打及ばず通算イーブンパー、74位で意外な予選落ちを喫しました。アルバトロスのあとは予選落ち、というのもご愛嬌ですが、中島の予選落ちは、欧州ツアー昨年9月の「スペインオープン」以来のこと。ゴルフには油断もスキもありません。啓太のアルバトロスは単なる偶然だけではないでしょう。欧州2年目の中島が、一段レベルアップしていることの証明だったに違いありません。(了)