
波乱の男子ツアーは最終戦「日本シリーズJT杯」(東京よみうりCC パー70)を終了。28歳の小木曾喬が1イーグル、4バーディー、1ボギーの「65」をマークし通算13アンダーで激戦を制しプロ2勝目を挙げました。1勝目の「ハナ銀行インビテーショナル」は韓国で行われた大会で、日本国内PGAでは初勝利でした。賞金王のチャンスを残していた蝉川泰果は、15番(パー3)でトリプルボギーをたたき、逆転賞金王は成りませんでした。来季からはポイント制に移行されるため、金子が最後の賞金王となりました。
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金子駆大(かねこ・こうた)はすでにただ一人1億円を超える賞金を稼ぎ、賞金ランキングの単独トップを走ってきました。この試合でもよほどのことがない限り初の賞金王戴冠は固い状況でのプレーでした。逆転のある蝉川と同組では、蝉川をさらに意識させたのでしようか、15番のパー3ではグリーンオーバーで崖下に落とす痛恨のトリプルボギー。蝉川は6位に陥落。一時は首位に立った吉田泰基も最後は11アンダーで追いつきませんでした。女子プロの吉本ここねとの結婚を発表した金谷拓実の粘りのゴルフが7アンダー、4位につけました。
激戦を制した小木曾は「ずっと勝ちたいと思いながらここまでプレーしてきました。それが最後になってこんな大きなところで勝てたなんて頑張ってきたご褒美かなと思います。大きな自信 になればいいと思います」と喜びを語っていました。愛知県出身。福井工業大卒。2014年日本アマ優勝。プロ転向2015年。ルーキーイヤーの16年にACNツアーで初優勝。ツアーではなかなか活躍できなかったが、22年にACNツアーで2勝目を挙げるなど徐々に実力をつけ翌23年に開花。「パソニックオープン」では最終日最終組を経験するなど出場24試合すべて4日間戦い抜き、初シードだけではなく日本シリーズJT杯初出場も果たしました。6月 に韓国開催の「ハナ銀行」でついに初優勝を果たしていました。
今季2勝を挙げ賞金ランクトップに立ってきた23歳の金子は、3バーディー、4ボギーの「71」で通算4アンダー。7位タイで終え自身初の賞金王に輝きました。米ツアーで優遇措置も受けられるので、このあとは米最終予選会に挑戦するプランです。5位以内に入れば即PGAツアー選手としてツアー出場が可能です。

名古屋市出身。幼少の頃から祖母と練習場に通っていてゴルフクラブを握ったという。ルネサンス豊田高で腕を磨き、高2の時に「中部高校選手権春季大会」で優勝。高3の20年、プロテスト一発合格。21年にはQTファイナルに進み、22年は「中日クラウンズ」2日目に初めて首位を経験しました。「日本オープン」ではトップ10の3位に食い込み一気にシード選手となりました。24年には「ジャパンプレヤーズ選手権」で石川遼と争って2位。「ANAオープン」でも2位。ショットの数値も 一気に跳ねあがった23歳。世界に出てもひと暴れしそうなハイレベルな選手。楽しみな若手に期待がかかります。
