″周吾の逆襲”成るか!2日間の短縮優勝でBSオープン2連勝の幸運児・今平周吾

常に安定したショットを見せながら「優勝」が遠かった今平周吾。やっとツアー3勝目をつかんだ(千葉・袖ヶ浦CC)

やっと勝ちました!昨季、1勝だけで賞金王になった今平周吾(27)が、今年もなかなか勝てなかった日々にようやく終止符です。それも大型台風19号のおかげ?で3日目と最終日が大会中止となり、2日目に1打差の単独トップに立っていた今平に″戦わずして〝36ホール短縮による今季初勝利が転がり込んだのです。昨年も今年も、初勝利が同じブリヂストン・オープン(千葉・袖ヶ浦)という因縁の試合。大会の上位3人の資格で、2週後の日本初開催米ツアー「ZOZO選手権」の出場権も手に。36ホールの短縮で規定により加算賞金は半額の1500万円ですが、賞金ランキングは石川遼を抜いて1位(8738万8000円)に浮上しました。何もかもラッキーがつきまとう今平のBSオープンが不思議です。

 

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10月のブリヂストンOPは昨季も今季もシーズン1勝目。今年は台風で2日間短縮の幸運だった(袖ヶ浦CC袖ヶ浦コース)。

事実上″最終日〝となった金曜日の2日目。最終18番はグリーン右手前に池が広がる最終パー5です。今平は残り245ヤードの第2打。急に降り出した台風余波の大粒の雨の中。5Wで12㍍に2オン。激しい首位争いから狙ったイーグルトライは成りませんでしたが、きっちりとカップに寄せてバーディーフィニッシュ。これがひとり抜け出した通算11アンダーのウィニングパットになりました。1打差の2位には何と4人がひしめく上位陣でしたから、大きな大きなバーディーの上りでした。 この2日目は4バーディー、ボギーなしの67。初日は7アンダーの64で首位に立っていた今平。袖ヶ浦はよほど相性のいいコースなのでしょう。

大会3日目は、すでに前日から中止が決まっていて今平は千葉のホテルにこもって外出もせずに1日を過ごしたという。そこへ早々と最終日(日曜日)も中止の知らせ。知人、友人からはメールやLINEが殺到したそうですが、″前日の優勝決定〝には実感が湧かなかったとか。しかし、やっとこぎつけた今季1勝は、ずしりとした重みがありました。「出来れば4日間、または3日でもやりたかったですけど、優勝できたことはすごく嬉しいですね」(今平)。

初日には約3500人のギャラリーが集まった今年のブリヂストンOP。19号台風で2日間競技に短縮された(袖ヶ浦CC袖ヶ浦コース)。

今季の今平は、これまで内外含めて24試合を戦いました。トップ10入りは、最近の5試合連続があって11度。2位は3回(中日クラウンズ、日本ツアー選手権、パナソニックOP)。常に安定したゴルフで勝てるチャンスは何度もありながら、最後のひと押しが足りませんでした。まさに昨年と似通った展開でイライラのつのるシーズンだったのです。海外のメジャー4戦はすべて出場という自身初の体験もしましたが、4戦とも予選落ち。最後の全英のとき「メジャー4戦、全部で予選落ちしたのは自分だけ、というニュースを見せられて恥ずかしかった」(今平)とか。「来年は全部で予選通過できるように、とりあえずメジャーは全部出場したいですね」ー。

台風一過で試合のなかった日曜日にクラブハウスで行われた表彰式。大きな優勝カップを抱いてようやく今平の顔がゆるみました。

☆大会史上5人目の2連覇を果たした今平周吾のコメント。
「4日間やって勝つのが、本当は気持ちよかったですけど、今年の目標3勝のうちやっと1勝できた。去年もここで勝って、賞金トップになって賞金王がとれた。ことしも同じような流れなので、また賞金王を目指してやっていきたい。今年は賞金も2位に石川遼選手、3位にワタナノンド選手らレベルの高い選手がいる。浅地洋佑選手も2勝していて手強いなという感じです。自分は2位とかチャンスの試合がたくさんあって悪いゴルフはしていないので、そんなにイライラはしていなかったけど、どこかで追いつけるチャンスがあったはず。そういうところを改善しないといけない。予選落ちは絶対にしてはいけないし、決勝ラウンドでもっといいゴルフができるようになればいい。勝負どころでのパッティングをしっかり決められるように改善していきたい」

昨年の今平が練習日にいいアドバイスをもらったジャンボ尾崎。今年のジャンボは腰痛で初日棄権だった(千葉・袖ヶ浦)

2週後に控えている「ZOZO選手権」。その出場権もゲットして期待が高まります。海外の試合では実績を残せていない今平。「どうも海外にいくと体の調整がうまくいかない。時差ボケなのかどうか分からないけど、海外にいくとむくみとか(クラブを)振っている感じが日本と違うんです。キレが悪くなる。今度は日本開催で時差ボケもないし、体は絶好調でいけると思う。トップレベルの選手がたくさん来るので難しいけど、トップ10を目指して頑張りたいです」(今平)。

昨季のブリヂストンOPでは、練習日のコースで偶然出会ったジャンボ尾崎から貴重なアドバイスをもらって初優勝⇒賞金王に結びつけた今平です。今年は2日間の短縮優勝の幸運が舞い込んできた同じBSオープン。何か強い縁を感じさせます。日本の賞金王としてのプライドをかけて、海外全滅の名誉挽回を「ZOZO」にかけます。″周吾の逆襲〝に期待がかかってきました。

(了)