「マスターズ」の快挙に続けるか?全米女子オープン、日本予選でも5人が出場権!

全米女子OPの日本予選を突破した5人。左から小暮千広、勝みなみ、三宅百佳、仲西菜摘、川満陽香理(JGA提供)

女子ゴルフの海外メジャー「第76回全米女子オープン」(カリフォルニア州オリンピック・クラブ)の日本予選が4月末に行われ、5人が通過しました。5枠の出場権をかけアマチュア45人、プロ63人の合計108選手が36ホールストロークプレー(横浜CC)で争ったシビアな戦い。33歳ツアー未勝利の川満陽香理(かわみつ・ひかり=沖縄・宮古島出身)が、同じく沖縄出身で今年国内のプロテストを受験中の仲西菜摘(21)と並んで通算2オーバーで首位を通過。2打差の3位に三宅百佳(みやけ・ももか=26)。残り2枠は5オーバーの勝みなみ(22)とアマチュアの小暮千広(17)=茨城・明秀学園日立高3年=がプレーオフを制して決まりました。勝みなみは3度目の本戦出場切符ゲットです。この5人以外に、2020年大会で10位以内(4位)に入った渋野日向子、20年LPGAポイントランキング30位以内の畑岡奈紗、今年のオーガスタ・ナショナル女子アマ優勝の梶谷翼(兵庫・滝川二高3年)がすでに出場権を得ています(他に古江彩佳、稲見萠寧、鈴木愛、笹生優花らも世界ランキング50位以内で有資格の可能性あり)。本大会は6月3日~6日に行われます。

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全米女子OPの日本予選をトップ通過した川満陽香理(神奈川・横浜CC)=提供:JGA=

米国西海岸サン・フランシスコ郊外に広がる名門コース、オリンピック・クラブ。男子の全米オープンなどメジャーの舞台となってきたコースに、今年は米女子の最高峰ゲーム「全米女子オープン」が繰り広げられます。「びっくりです。一生に一度は出てみたい大会だった。それに出られるんだから本当に楽しみ。通用しない自分を再確認する旅になるかもしれないけど、それでもやってみたかった。よく準備して全力でやってみたい」と、33歳にして現実となった夢に表情をくしゃくしゃにしたのは、トップ当選の川満プロ。沖縄・昭和薬大付高から立命館大に進学。07年には「日本女子学生」優勝。11年に3度目でプロテスト合格。プロ11年目でいまだにツアーでは未勝利。主に下部ツアー(ステップアップ・ツアー)で戦い、予選2日前の4月24日、佐賀・武雄GCでの下部ツアーで10年ぶりの2勝目を挙げたばかり。日本予選では横浜CCの東・西両コース36ホールを冷たい風の中、73、73の2オーバーで戦い抜きました。横浜では16年11月に結婚したシャフトメーカーに勤務の夫、貞包聡介さん(37)がキャデイーを勤め「内容はバタバタしましたが、主人と気楽に回れたのがよかったです」と夫唱婦随の勝利。「マスターズ」を制した松山英樹と今年から契約した目沢秀憲コーチ(30)に、昨秋から指導を受けています。「同じ教え子として恥ずかしくないゴルフをしたい」と川満。今季の国内予選会も75位でレギュラーツアーにはまだ3試合しか出場していません。そんな苦労人の川満に巡ってきたビッグ・チャンス。今年は2部ツアー優勝、全米女子OP日本予選トップ通過・・と明るい陽射しがさしてきたシーズンです。ひのき舞台で川満の“一発勝負”を見守りたいものです。

3度目の全米女子OP出場権をつかんだ勝みなみ。「今年こそ」と大舞台でのブレークを目指す!」

同じトップ通過の仲西菜摘(21)も沖縄出身。いま国内のプロテスト受験中で、5月には2次があります。「横浜では出だしで下りの15㍍が入ったんです。日本のプロテストにも合格してツアーで頑張りたいです」と、突然のメジャー挑戦のチャンスにすぐには実感が湧いてこない感じ。3位通過の三宅百佳(ももか)は香川西高出、まだ実績のない26歳。「信じられないほどびっくり。全米女子オープンなんて想像もつかない」と、こちらもプロ5年目にして初体験のメジャー挑戦に興奮気味でした。5オ-バーで3人中2人のプレーオフを勝ち抜いた勝みなみ(22)。3度目の全米女子オープン出場権ですが、今年も国内ツアーではまだ調子が出ていません。前回も予選落ちだった晴れ舞台では「目標の最低ラインは予選通過」とリベンジを期します。「米国へ行けば気分も違う。できるだけ上位へいって、いろんな選手のいいプレーを見て勉強したい」。国内では黄金時代の代表格です。これまでの多くの経験を生かした成果を、もうぼつぼつみもせてくれてもいいころです!国内ツアーでは同週になったヨネックス・レディスをパスして米国へ向かいます。

全米女子オープンは女子ゴルフで最も歴史のあるメジャー大会。1946年に第1回大会が行われ、会場は毎年変わります。第76回大会の今年は、サン・フランシスコですが、昨年はテキサス州のヒューストン・チャンピオンズGCでコロナ禍により12月に延期されて開催。日本の渋野日向子が2R、3Rで単独トップに立ち大騒ぎとなりました。荒天で1日延期となった最終日に74とスコアを落とした渋野は、惜しくも2打差の4位で終わった大会でした。日本選手では、87年に岡本綾子がプレーオフでローラ・デービスに敗れ、2位となったのが最高。2014年から米国以外の日本や英国などで最終予選が行われ、世界に広く門戸を開いています。今年はコロナ騒ぎの中、ゴルフ界は梶谷翼(アマチュア)、松山英樹が、世界を驚かす“日本パワー”をみせつけました。さて、次なる女子プロの朗報が届きますかどうか?!

(了)