“無名”の飯島宏明(52)、シニアツアーで惜しい“逸勝”を連発!ツアー初優勝の日は近い!

シニア8年ぶり2勝目を逆転で勝ち取った嬉しい久保勝美(60)=提供:PGA=

シニアツアーは今季6試合目の「コマツオープン」(石川・小松CC)が終了。還暦シニアの久保勝美(60)が通算14アンダーで逆転優勝。8年ぶりのツアー通算2勝目を飾りました。その中で1打差で2位タイに入った飯島宏明(52)が前戦の「マルハン太平洋シニア」でマークセンにプレーオフ負けしたのに続き、今週も素晴らしいゴルフで連続の逸勝。その前の「ファンケルシニア」でも優勝争いの末に3位。さらに昨季最終戦の「いわさき白露シニア」ではプレーオフ負けしており、まさに“悲運の男”の看板を掲げたいほどの戦歴です。シニア3年生ですが、レギュラー、シニアともまだ未勝利。アプローチとパターのうまさは特筆できる腕前で、これまで“惜しい試合”は他にも数知れず・・。いつツアー初勝利を挙げるのか、目を離せない52歳です。

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シニアの“影のヒーロー”飯島宏明(52)。好スコア連発で逸勝続き。ツアーア初勝利はいつ?(フォト提供:PGA)

まず、飯島宏明の今季のシニア成績をお見せしましょう。全6試合に出場。トップ10入りは5回。2位2回、3位1回。開幕戦の「金秀沖縄」は8位でした。4試合目の「ファンケル」で覚醒し2日目、最終日と「68」を連発して優勝した宮本勝昌を脅かし、最後3位タイに入りました。「あの3位が自信になった」(飯島)とコメントしていますが、次戦の「マルハン太平洋」(2日間大会)では通算11アンダーで強豪マークセンと肩を並べてプレーオフへ。1ホール目(18番パー5)でショットを曲げ、4オン2パットのボギーにしてマークセンの軍門に下りました。しかしこの2位で賞金400万円を稼ぎ、賞金ランク5位と堂々の戦いぶり。そして今回ー。3日間とも60台。最終日はノーボギーの6バーディー「66」を出して久保、宮本との優勝争いに食い込みました。最終18番(パー5)もバーディーで締めて惜しい試合でしたが、1打差及ばず久保の逆転優勝に涙を飲みました。

★飯島のコメント
「ショットもパットもきょうはよかったですね。最後は緊張したせいか左に飛んで危なかったのですが、アプローチとパターでうまく拾えました。一日凄くいいゴルフでした。このところずっと調子がいので、来週のシニアオープン、1打でもいいスコアを出して頑張りたいです」

2位タイで得た賞金は372万円。トータル1294万8000円でランク6位につけています。

 

飛ばし屋ではないが、アプローチとパターはシニアトップクラスの飯島宏明。

細身の体ながら切れのいいショットを放ち、レギュラー時代から飛ばし屋ではないが「アプローチとパターでしのいでいくゴルフ。特にパットは得意なほうですね」と自らいっています。千葉県立東総工高出身。スポーツ歴はバトミントンでゴルフは16歳から始めたという。レギュラー時代は2004年のミズノオープン2位以外目立ったものはなし。この試合もプレーオフ負け。昨年シニアの最終戦「いわさき白露」も渡部光洋とのプレーオフでショットを曲げて敗戦。今季「マルハン太平洋シニア」でもマークセンとのプレーオフ1ホール目をボギーにしてまたツアー初優勝を逃がすなど、プレーオフにはツキのない男でもあります。

しかしシニアデビューの2021年、初出場の「日本シニアオープン」で、独走する手嶋多一には届かなかったが、通算10アンダーで3位となり、賞金616万円を獲得して1年目からシード権を確定させたゴルフが「大きかった」と述懐する。50歳前からシニア入りするのを見据えての練習やトレーニングに励み、19年にはレギュラーのQTファイナルを受けて44位となり、下部ツアーにも積極的に出て腕を磨いたという。シニア入りしてからは得意の小技が生き、22年は平均パット数9位。バーディー数は3位でトップ10には3回。賞金ランク10位に入るシニアのトッププレーヤーにのし上がってきました。

 

還暦を迎えてなお健在の久保勝美。ダブルボギー(#13)にも負けずバーディー3つを取り返して栄冠を勝ち取った。

次週はシニアの最高峰「日本シニアオープン」が石川・能登CC(9・14~17)で、続いて10月には「日本プロシニア・住友商事サミットカップ」(茨城・サミットGC)と、ビッグイベントが続きます。登り坂を這い上がってきた“無名”の飯島宏明が、一気に世に出る大チャンスです。見守りましょう。

(了)