6月の「全米シニアオープン」で2位に入っていた藤田寛之(55)が、10月下旬の米シニアツアーのプレーオフシリーズにも挑戦。第2戦の「シモンズバンク選手権」(米ア―カンソ―州)で通算14アンダー3位タイでポイントランキングを32位にアップ。上位36位までが出場できる最終戦に進出を決めました。これによって来季のフルシード権を手にしました。
いったん帰国した藤田は、“2週間で日米で3試合”をこなす離れ技を演じて、とんぼ返りで渡米。7日から始まるプレーオフシリーズ最終戦にも参戦するというから注目です。
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強行軍をいとわない藤田は、米シニア最終戦「チャールズ・シュワブ選手権」(アリゾナ州フェニックス11月7~10日)が控えていながら、エントリーしていた日本のシニアツアー「コスモヘルスシニア」のためいったん帰国。休む間もなく1週間のうちに再び米アリゾナ州フェニックス行きというハードスケジュールに挑んでいます。
国内シニアツアーは「コスモヘルスシニア」を含めて残り2試合。藤田はその一つ、2日間大会の「コスモヘルス」(埼玉・鳩山CC)に出るための一時帰国でしたが「自分の都合で急きょエントリーをキャンセルするのは失礼だから」と、律儀な藤田らしい行動。「コスモヘルス」では2日間通算4アンダー、20位でした。前試合「シモンズバンク選手権」のあと米国に留まっていれば、1週間ゆっくりできたのに米国⇔日本をとんぼ返りして今週7日(木)からの米シニア最終戦に挑もうという藤田です。
今季の藤田が米シニアに挑戦できるチャンんスをつかんだのは、6月、プレーオフで惜しくも優勝を逃がした「全米シニアオープン・2位」の実績でした。藤田はこの2位でポイントを稼ぎ、45位に。プレーオフシリーズでは、第2戦の「シモンズバンク」3位などで頑張りポイントを上げ、最終戦進出に必要なポイント36位以内に入ったのです(32位)。並行して来季のフルシードも決めたのだからお見事でした。
55歳の藤田が米シニアフルシードを獲得したことで闘志が再燃したようです。「出られる試合は全部出たい。(来季は)シーズン2戦目となる2月のモロッコでの試合からできれば出たい」とプランを立てているようです。
来季の米シニアツアーは28試合。開幕すれば日本に度々帰ってくることはムリ。どうしても米国に拠点を置かなければならず、いまのところ練習環境もいいテキサス州ダラスが候補に上がっているという。藤田のメインキャディを務める小沼泰成さんと、英語が堪能なマネジャーと3人チームで広い米国を転戦する予定だそうです。
藤田の2024年の米シニアツアー出場は5試合だけでした。「シニアオープン2位」が光っていますが、これまで米シニアに参戦した日本選手は青木功が9年間で通算9勝。井戸木鴻樹が2013年にスポット参戦でメジャーの「全米プロシニア」に勝っています。藤田は「期待はしてもらっていいけど、自分の目標は楽しむこと。シードとかをあまり考えず、1年間チャンピオンズツアー(米シニア)を十分楽しんできたい。それでいい結果がついてくればいいじゃないですか」とコメントしています。
日本のレギュラーツアー18勝。40代で12勝。43歳でレギュラー賞金王に輝き、シニア入りしてからは3勝。23年には念願の「日本シニアオープン」を手にし「最高のタイトル。ゴルフ人生の誇り」と喜びを表現していた藤田寛之です。そんなレジェンドが意欲的に新たに挑む米シニア。楽しみ以外ありません。
(了)