
米ツアー最終予選を3位で通過、今季から海外ツアーに本格挑戦している昨季の国内賞金王・金谷拓実(26)。いきなり4試合連続予選落ちの洗礼を浴びて、一時欧州ツアーに出向いたりの約1ヵ月半。出場5試合目の「メキシコ・オープン」でようやく初の予選通過を決めました。「メキシコ」(パー71)では、初日「66」の9位で発進。注目の2日目も3バーディー、1ボギーの「69」で60台をキープ。通算7アンダー、18位で決勝へ進みました。3日目に「72」と落とし好発進にブレーキをかけましたが、最終日には4アンダーの「67」と盛りかして通算10アンダー 。前日の45位から順位を上げて32位でフィニッシュ。長いスランプからのカムバックとしてはまずまずでした。
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「カナダOP」では、南アフリカ20歳の飛ばし屋が、通算20アンダーまで伸ばし初優勝寸前でしたが、プレーオフで敗れる大一戦を見せられました。次々と“若い力”が台頭してくる米ツアーの息吹を、金谷や同僚の久常涼らも痛感したことでしょう。
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「メキシコ・オープン」は、高額賞金のシグネチャーイベント「ザ・ジェネシス招待」の翌週ということもあって、松山英樹はじめ世界ランク上位者のエントリーはほとんどみられない大会でした。スランプの続いた金谷には好材料にも思えましたが、米ツアーは少しの油断もスキもありません。突然のニューヒーローが現れます。その人の名は「アルドリッチ・ポトヒーター」(南ア)。下部の「コーンフェリーツアー」から今年レギュラーツアーに昇格したばかりの20歳。今季のドライビングディスタンス328ydで早くもランク1位の座に座っています。昨季、下部の「アスタラ選手権」2日目には「59」を出して最年少「19歳4ヵ月」、50台での優勝を達成。レギュラー昇格1年目から爆発力をみせつけ、2日目にはボギーなしの10アンダー「61」をマークしました。3日目には6バーディー、2ボギーの「67」とさらに4つ伸ばし、642ydの12番パー5では2オンを決めて“凄さ”をみせつけました。3日目で通算20アンダーまで伸ばす勢い。そんな選手を追って1打差2位には3日目「64」で回った下部組のブライアン・キャンベル(米)がつけているのだから恐ろしい。

最終日は結局、通算20アンダーでキャンベル(米)とポトヒーター(南ア)のプレーオフとなり、2ホール目の18番(パー5)をバーディーとしたキャンベルが優勝。ポトヒーターは2位に終わりました。しかし体格もいい飛ばし屋のポトヒーターは、今年レギュラーに昇格してどこまで暴れることでしょう。金谷や久常にも今年の「メキシコOP」のドラマは、刺激的だったに違いありません。米ツアーメンバーとして戦っている久常は。最終日「68」で回り、通算14アンダーの10位。今季初のトップ10入りを果たしました。
(了)