賞金はコンパクトでも意義は大きい「選手会主催試合」。白熱戦を制したのは生源寺龍憲のニューヒーロー!

賞金ランク1位を突っ走る(JGTO提供)

選手会が主催する「ジャパン・プレーヤーズ・チャンピオンシップbyサトウ食品」なる珍しいトーナメントが栃木・西那須野CC(パー71)で開催されました。2021年に始まり今年で5度目と続いています。「切り餅」や「サトウのパックゴハン」で有名なサトウ食品の特別協賛を得ているとはいえ、高額な賞金はムリで賞金総額5000万円、優勝1000万円のコンパクトな大会ですが、選手自らがこぞって試合を盛り上げようというという前向きなトーナメントがファンに受けているようです。昨季は人気の石川遼が実行委員長を務め、通算21アンダーで自ら逆転優勝してみせるなど大いに盛り上がった1戦でしたが、今年はその石川遼は残念ながら予選落ち。勝負の厳しさを味わいました。試合は最終日2位で出た生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり 27)が6バーディー、ボギーなしの「65」で回り通算23アンダーで逆転勝ち。開幕戦の「東建カップ」以来のツアー2勝目を挙げ、賞金ランク1位を突っ走っています。

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今季は“日替わりヒーローか”と思わせるような目まぐるしい大会模様を呈しました。その中で、石坂友宏(25)が2日目「63」を出して通算14アンダーのトップグループにからんできたのが注目でした。3日目の混戦の中ではプロ7年目の吉田泰基(たいき 27)が9バーディーボギーなしの自己ベスト「62」の猛チャージで首位に1打差の2位に急浮上。ツアー初優勝に接近してきましたが、ここでも石坂は通算18アンダーで単独トップを守り、初優勝への執念を感じさせました。しかし最終日。8位にいた大岩龍一が“日替わり大会”を締めくくるように大チャージ。しかし、16番でラフからのセカンドを3メートルにつけてバーディーとした生源寺が、大岩との一騎打ちを1打差で制しました。

「この優勝は凄く自信になる」と生源寺(JGTO提供)

「最終日のバックナインは苦しかったが、うまく耐えられた。この優勝は凄く自信になる。早く2勝目がしたかったので、きょうは素直にうれしい。集まってくれたギャラリーの方々に選手みんなを応援してとお願いしたいです」と生源寺。プロ仲間からは18番でウィニングパットを決めた直後、ウォーターシャワーで祝福されました。特別協賛のサトウ食品とは中西直人、片岡尚之らがスポンサー契約。今季は大会実行委員長を阿久津未来也が務めるなどの協力体制で試合にのぞみました。賞金はコンパクトでもこうした大会も貴重な存在といえるでしょう。

生源寺龍憲は山口県出身。岡山・作陽高では渋野日向子と同級生。同志社大商学部卒。23年は下部ツアー2勝で賞金王。昨年ツアーの賞金ランクは29位。特技は書道で7段というから、手先の起用さでパターにも通じるのでは。飛ばし屋でもあり男子ツアーのニューヒーローをこの大会は生みだしました。  (了)