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1億円目前、さらに年間2億円超へ、異例のスピードで賞金を積み上げる中島啓太(23)。 どこまで稼ぐか?!

「フジサンケイ」では金谷拓実に敗れたが、着実に賞金を積み上げる中島啓太。前半戦を終わって1億円は目前。年間2億円への期待も!

後半戦に折り返した男子ゴルフツアー、その緒戦は金谷拓実(25)がしびれるパットを次々と入れ、粘り強いゴルフで難関「富士桜CC」(フジサンケイクラシック)を通算8アンダーで征服。2位に4打差をつけて今季2勝目。通算5勝目をあげました。2日目1位に立つなど優勝戦線に加わっていた注目の中島啓太(23)は、最終日1アンダー「69」と伸びず、6打差の通算2アンダー4位タイで終戦。賞金ランキングでは金谷に抜かれて1位から2位に後退しましたが、獲得賞金は484万円を加え、今季出場14試合でトータル9341万円とし、1億円達成に手の届くところまで前進しました。男子ツアーの残り試合は12。中島が残り全試合に出場とは限りませんが、後半戦は優勝賞金4000万円を超える大会が4つもあり、中島啓太が尾崎将司、伊澤利光、池田勇太、松山英樹の先人4人に続く“年間2億円超え”をスピード達成する可能性は、現実味を帯びてきました。

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プロツアー本格参戦1年目で猛チャージの“中島ゴルフ”を展開する男。啓太の行くところギャラリーが急増だ(「フジサンケイ」の富士桜CC)=提供:JGTO=

中島啓太、異例の年間1億円超えスピード達成にあと1100万円余と“王手”がかかっていた「フジサンケイクラシック」。初日2位スタート、2日目4アンダーで首位に並んだ中島に大きな焦点が集まりました。ところが3日目、最終日の決勝ラウンド2日間で2オーバーする大ブレーキ。4打差を追って出た最終日も、あせる気持ちが頭をもたげたのか16番のパー3で5mを決めましたが、17番(パー4)で1.5mのチャンスを外し、18番(パー4)では7mのバーディーパットを沈められず、残った1mもないパーパットをミスするボギーの上がり。中島らしい猛追のゴルフを終盤でも見せられないまま、金谷に逃げ切られました。

 

アンダーパーは8人しかいなかった難コース「富士桜」を通算8アンダーで制した金谷拓実。今季はアジアンツアー1勝と国内2勝で通算3勝目だ。

中島の2学年上のライバル金谷拓実。6月「ASO飯塚チャレンジド」ではその金谷とプレーオフを演じてバーディー決着で感涙した中島でした。アマ時代から「金谷さんの背中を追ってきた先輩」といっている金谷のホールアウトを、今回も先に上がっていた中島は待っていました。そしてグリーン脇で祝福の握手を交わし肩を抱き合いました。今季国内14試合ですでに2勝。トップテン入り10回、予選落ちなし(国内)。着実に賞金を積み重ねてこの大会までに8857万円をゲットしていた啓太です。
口には出していませんでしたが、目前に迫っていた“1億円”の意識は当然あったでしょう。過去国内賞金王に輝いた尾崎将司(2回)、伊澤利光、松山英樹、池田勇太がそれぞれその年に年間2億円超えを記録していますが、1億円クリアを前半戦出場14試合で勝ちとるというのは異例のスピードです。これまで石川遼と松山英樹も高速達成でしたが、中島が次戦15試合目に“1億円”を達成すれば、それに匹敵する早さといえます。

 

難コース「富士桜CC」を粘り強く攻め、4日間オーバーパーを叩かなかった片岡尚之。4打差ながら単独2位に入った。

中島は言っています。「僕がこれからの残り試合全部に出るわけではないと思います。試合を休んでいる間には順位は当然変動もするでしょうから、いまの順位はあまり気にしていません。それよりも休む試合のときはしっかり準備をして、そのあとのトーナメントに優勝までいけたらいいなと思います」
今後の後半戦、賞金も高いけれども今回の「富士桜」のような深いラフ、硬いグリーンなど厳しいコース設定も多くなるでしょう。「ジャパンオープンもそうでしょうし、今回は長く伸ばしたラフから左へひっかけないショットの勉強もしました。秋のトーナメントへ向けて怠りなくやりたいです」(中島)ー。アマチュア時代から並外れたゴルフセンスで内外でスーパーゴルフを演じてきた男です。22年9月のプロ転向からまだ1年もたっていないいま、プロとしてもトップクラスのゴルフを連発する中島です。目前の1億円はもちろん、2億円超へのビッグターゲットを目指してどこまで賞金を伸ばせるのか。
強敵・金谷拓実はじめ、蝉川泰果、平田憲聖、鈴木晃祐、片岡尚之、桂川有人、河本力ら20歳代の若手は他にも虎視眈々と上位進出を狙っています。男子ツアー活性化を支える若い勢力の台頭です。いま、男子ツアーは面白さが倍増しています。

(了)