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目覚めた“鬼のマークセン”!今季5戦目で逆転V。シニア22勝を止めるのは誰?!

世界を渡り歩くマークセン(タイ)のゴルフは57歳になっても力強い(写真:大会提供)

“シニアの鬼”プラヤド・マークセン(タイ)が今季も不気味な逆転Vで“復活”の兆しです。昨季はシニアツアー6連勝を演じ独り舞台の快進撃。4度目のシニア賞金王も手中にして敵なしの強さでしたが、1月に57歳になった今季は静かな序盤戦。が、6月の「スターツシニア」で2位。8月の「ファンケル」では3位。じわじわと本領を見せ始め今季5戦目の「マルハン太平洋クラブシニア」(太平洋御殿場)では最終日6バーディー、ボギーなしの「66」、通算11アンダーで飯島宏明(52)とのプレーオフを1ホール目で制して大会4勝目。自身が持つシニアツアー最多勝利数を「22」に伸ばしました。賞金ランキングも2位に浮上。「マークセン強し」は今季も変わりはありません。

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初日トップで2週連続優勝を目指した宮本勝昌。最終日“鬼のマークセン”の逆転に遭い2打差4位に終わる(「マルハン太平洋シニア」=太平洋・御殿場)

「マルハン太平洋」は2日間競技の短期決戦。初日トップに立ったのは、前週の「ファンケル」で逆転シニア初勝利した宮本勝昌。好調なゴルフを維持して2週連続優勝を目指す勢いでした。マークセンは、この“強敵”も問題にしません。最終日2打差を追ってアウトで3つ伸ばすと、折り返した10、11番でも連続バーディー。ここで首位を捉えると逃げ足の鈍った宮本を尻目にノーボギーを続け最終18番(パー5)では6個目のバーディーで締めて通算11アンダー。「67」で追ってきた飯島とのプレーオフとなりましたが、1ホール目(18番パー5)で4オン2パット(ボギー)の飯島に対し、マークセンは2打目をきっちりグリーン手前まで運び、30cmに寄せたウィニング・パーパットを難なく沈めました。

 

何度目の優勝カップか。「マルハン太平洋クラブシニア」で今季初の栄冠、P・マークセン(太平洋御殿場)

プレーオフとなっても落ち着きはらったマークセンの冷静なプレーは、さすが賞金王4回の貫禄。「優勝は意識しなかった。いつも通り。もしかしたらプレーオフになって飯島さんがミスをしたら・・」という思いだったとマークセン。そのシナリオ通りの展開で勝利を呼び込んだのです。昨年後半はシニアツアー記録の6連勝を達成するなどの強さでしたが、マークセンによれば「いまはあのときよりドライバーもアイアンもパターも状態がいい。パーフェクト!」というから恐ろしい。飛距離の衰えも見られず、57歳になった体力のダウンも感じていないようだ。国内では4戦して2位1回、3位1回(日本プロは2Rから棄権)で今回初優勝ですが、母国タイではすでにシニア競技で2勝。アジアンツアーは6試合ほど出ており、昨季よりもさらに調子を上げていると自負するマークセンです。

 

このところ好成績が続く飯島宏明(52)。ツアー初優勝の日も近い?(写真:大会提供)

ツアー通算22勝は歴代最多。賞金王4回は高橋勝成、室田淳と並び、金井清一が持つ5回に次ぐ歴代2位タイです。今季も獲得賞金2009万3000円とし、1位の宮本勝昌に迫る勢い。
シニアツアーはまだ半数以上の8試合が残っており「日本シニアオープン」などの高額試合もあります。調子を上げてきたマークセンはまださまざまな記録を生み出しそうですが、今年からシニア入りした片山晋呉やシニア2年目の宮本勝昌らの“若手”の反撃が待たれます。プレーオフには敗れましたが、シニア3年目の飯島宏明(レギュラー、シニアとも未勝利。千葉県立東総工高出)も二重丸です。前週の「ファンケル」で3位。「マルハン太平洋」では最終日8バーディー(3ボギー)を奪ってプレーオフ進出して2位と、好成績を連発しています。
「ファンケルで3位に入って気分的にも楽になり、気持ちよくゴルフができています。自分の思うように振れている。パットはもともと得意な方なので・・」と、ポジテイブなゴルフも魅力。正確なアイアンショットを武器に安定したゴルフは昨年最終戦の「いわさき白露」でもプレーオフ負けを喫した男。急成長してきた注目株です。「打倒マークセン」の旗頭になるのはいったい誰か。今季もシニアツアーの大きな見どころです。

(了)