尾崎3兄弟の末弟、ジョー・尾崎こと尾崎直道(53)が、来季も米国シニア(チャンピオンズ ツアー)での活躍が保障されました。シード権を失っていた尾崎直道はチャンピオンズ ツアーのQスクール(11月17日~20日 米アリゾナ州TPCスコッツデール パー71)を受験、14アンダーで2位に入り、上位5人に与えられる2010年の制限なしの出場権を獲得しました。4日間のシビアなQスクールで尾崎直は2イーグル、18バーディー(8ボギー)を奪う会心のゴルフをみせ3日目の10位タイから最終ラウンド「66」で2位に食い込む″まむしのジョー〝らしいゴルフをみせました。優勝は日本ツアーでも3勝を挙げているおなじみのピーター・シニア(豪)の17アンダーでした。
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9年間米国ツアーに参戦してきた尾崎直は06年に50歳を迎えてシニア入りすると、主戦場をそのまま米国シニアに移しました。優勝こそありませんが、07年には2位タイ(ボーイングクラシック)に入るなど20試合中10試合でトップテンに入る健闘をみせました。08年は25試合に出て賞金ランキング31位。今年は18試合で465万5465ドルしか稼げず、賞金ランキングはさらに落ちて111位でシード権を完全に失っていました。今季は帰国して日本のシニアオープンにも出場しましたが、22位タイに終わっていました。
日本では永久シード権を持っている尾崎直です。来年5月には54歳を迎える年齢となって、ぼつぼつ日本ツアーに舞台を移すのか?と思われていましたが、どっこい米国で戦う気力は失っていなかったのです。Qスクールに挑戦し4日間とも60台で回りました。初日は9番、2日目は17番とともにパー5のホールで連日のイーグル奪取。67、69、68で3日目を終わって10位タイでした。無条件で来季の出場権をもらえるのは5スポット(上位5人)です。ここでもうひと踏ん張りができるのが尾崎直です。最終日は5バーディー、ノーボギーの5アンダー66で回りました。通算14アンダーは、トップ通過したピーター・シニアに3打差の2位タイ。お見事でした。この粘りこそが″まむしのジョー〝といわれた尾崎直道の本領です。4日間、2個のイーグルをはじめドライバーのフェアウェイキープ、パーオン、パットと4つの個別部門で1位を占めています。好調を一発勝負のQスクールで発揮したのはさすがといわざるを得ません。78人が進出した最終決勝ラウンドで、5スポットをゲットしたのは次の5人です。
ー17①ピーター・シニア(豪)
ー14②尾崎直道
スティーブ・ハスキンス(米)
ロー二ー・ブラック(米)
ー12⑤ジム・ロイ(米)
日本でのレギュラー時代は日本シリーズ(3回)、日本マッチプレー、そして99年には日本プロ、日本オープンを獲って村上隆、青木功、中嶋常幸、尾崎将司に続く史上5人目の″日本タイトル4冠〝を達成しています。レギュラーツアーは35勝をマーク、賞金王は2回。日本を代表するプレーヤーの一人です。もう古巣の日本でプレーしてもおかしくない年齢ですが、ジョーの米国にかける執念は消えていませんでした。今年は「ザ・ロイヤル・トロフィー」でアジアチームの主将も務めました。
ちなみに、今季の米チャンピオンズ ツアーの賞金王はヘール・アーウィン(米)で獲得賞金は3118万3856ドル。青木功は10試合に出場、賞金ランキングは39位。尾崎直道は111位。