Daily Archives: 2013 年 10 月 7 日

“お化けクラブ”ゼクシオ8代目は「重ヘッドクラブ」!14年間売上NO1を続ける人気商品は、まだ止まらない?!

ダンロップスポーツが自信満々で“8代目”のゼクシオ・エイトを新発売。記者発表会で挨拶する野尻恭社長(7日、東京・東京ドームホテル)
ダンロップスポーツが自信満々で“8代目”のゼクシオ・エイトを新発売。記者発表会で挨拶する野尻恭社長(7日、東京・東京ドームホテル)

 “お化けクラブ”ゼクシオ、8代目が12月7日から新発売されます。2年に1度のモデルチェンジですから、都合15年目の市場を迎える超人気クラブです。ダンロップスポーツ社を支え続けているといっても過言でないこの商品、これまで14年間で200万本(ウッド系)を超えるビッグな販売実績を残しています。これにアイアン等も付随して売れ続けているのですから、まさに“お化け”のヒット商品です。8代目モデル「ゼクシオ・エイト」とは一体どんなクラブなのでしょう?そして、売れ続ける秘密は?・・。

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8代目のニューゼクシオを手に記者発表の臨んだ左から中嶋常幸、ダンロップスポーツ野尻恭社長、横峯さくら(7日、東京ドームホテル)
8代目のニューゼクシオを手に記者発表の臨んだ左から中嶋常幸、ダンロップスポーツ野尻恭社長、横峯さくら(7日、東京ドームホテル)

 アベレージゴルファーに愛用してもらって、「買ってよかった!」といってもらえるクラブづくりをコンセプトに、ゼクシオの歴史は始まりました。2000年のことです。当時、団塊の世代を主なターゲットにしたクラブでしたが、その年代にとどまらず、ゼクシオ人気は若いゴルファー層にもじわじわと広がっていきました。当時ダンロップとクラブ契約をしていた片山晋呉が、ゼクシオ誕生に一役買ったという評判もアマチュアゴルファーには嬉しい情報で、多くの愛好者を広げていきました。体格も大きくなくて一般アマチュアに似通った体つき。パワーヒッターでもなく、正確なショットを思い通りのところに運んで行って好スコアにつなげていく片山ゴルフは、アマチュアには憧れのプロでもありました。ちょうど2000年というのは、最大約6500万円差をつけられていたシーズン終盤のビッグゲームに、片山は4戦3勝(年間5勝)という驚異的な戦績を挙げて大逆転の初賞金王になった年です。その片山プロがアドバイスを加えて生まれたゼクシオは、まさに好タイミングでもありました。以来14年、7代のゼクシオが誕生しましたが、各代ごとに30万本超のウッド系と10~12万セットのアイアンを売りまくりました。14年間、連続してウッド系とアイアンセットのトータルで店頭売り上げシェアNO1をキープしてきた“お化けクラブ”。5代目の時には「なぜ、だれもがXX1Oを買うのか」(パーゴルフ刊)という書籍まで世に出されたほどです。

ゼクシオ8シリーズの中でも注目のニュードライバー。
ゼクシオ8シリーズの中でも注目のニュードライバー。

 一般アマチュアだけでなく、多くのツアープロがゼクシオを使用していますが、横峯さくらは2代目からの愛用者。引退した古閑美保もデビューしていらい一貫してゼクシオ党でした。今年、米女子ツアーで賞金女王を確定的にしている朴仁妃(パク・インビ=韓国)もその一人です。男子プロでは、中嶋常幸が4代目からもう8年も使用しており、シニアになったあと06年には、ゼクシオ4代目を駆使してレギュラーツアーの三井住友VISA太平洋マスターズに優勝しています。今回のゼクシオ・エイトのドライバーを握った中嶋は「外観がきれい(偏光塗料をつかっていてドライバーのヘッドは、基本のネイビーから紫色に変化する)。クルマにたとえたらイタリアの名車、フェラーリーみたいな高級外車だね」と、コメントしています。横峯さくらは「ヘッドがキラキラしていてきれい。テストで打ってみてドライバーの飛距離は10ヤード伸びた」といっています。

 では、その「ゼクシオ・エイト」のドライバーは、どこがどんなにいいのでしょう?7代目と比べながら主だったところをチェックしてみましょう。

手術した左膝のリハビリ中でまだ球は打てないが、「イタリアの高級車みたいなすばらしいクラブ」と、ニュークラブを握ってみた感想を語る中嶋常幸プロ。
手術した左膝のリハビリ中でまだ球は打てないが、「イタリアの高級車みたいなすばらしいクラブ」と、ニュークラブを握ってみた感想を語る中嶋常幸プロ。

 「お客さまからの、もっと振りやすく、もっと遠くへ気持ちよく飛ばしたい、という要望に応えるために開発してきました」(ダンロップスポーツ山田照郷広報部長)という「ゼクシオ・エイト」。その第一には、新発想の「スイング慣性モーメント」をとり入れています。プロや上級者は、コックを上手に使いクラブを体に近づけてダウンスイングすることでヘッドスピードを上げています。回転の中心に近いところでクラブを振ることで、効率よくクラブを回転させてヘッドスピードを上げているのです。これがうまくできない一般アマチュアとの違いから生まれるヘッドスピードの差を、クラブによって近づけようというのが「スイング慣性モーメント」です。それに基づくクラブ設計で「いつものスイングをするだけで、さらなるヘッドのスピードアップができる」と、ダンロップスポーツでは強調しています。

 「ゼクシオ・エイト」の特徴は、さらにヘッド重量を7代目モデルより1g重くしていることです。逆にグリップの重量を10g、シャフトも1g軽くし、クラブ全体では10gの軽量化になっています。シャフトの重心位置を10mm手元寄りにしたこととも相まって、スイング慣性モーメントが小さくなりヘッドスピードがアップします。ヘッドが重くなったことでクラブバランスは、従来のD1からD3に。が、クラブ全体では軽くなっているのですから明らかにヘッドを利かせたショットができ、ボール初速が上がります。ヘッドのスイートエリアも10%拡大。とくにトーとヒール側に広がっているのが特徴です。

「キラキラするヘッドがキレイ。試打したら7代目より(ランを含めて)10ヤード伸びた」と、来季からの使用が待ち遠しそうな横峯さくらプロ。
「キラキラするヘッドがキレイ。試打したら7代目より(ランを含めて)10ヤード伸びた」と、来季からの使用が待ち遠しそうな横峯さくらプロ。

 シャフトは、宮崎で生産されたゼクシオオリジナルで、従来モデルよりも手元と先端を柔らかくした剛性分布で、より高い打ち出しを体感できます。クラウン肉厚を7代目より薄肉化し、余剰重量をソール後方に配置して重心位置がより深くなりました。それらを総合して、ゼクシオ・エイトは7代目のゼクシオ・セブンより5ヤード飛距離を伸ばしたデータが出ています。ゼクシオ独特の「キーン」という心地よい打球音はソフトなフィーリングでそのまま残し、高く残響の長い爽快なゼクシオサウンドを楽しめます。

 ヘッドの色は濃いネイビー。ヘッド体積は460cm3と変わりませんが、クラウン部はフェース際ぎりぎりまで塗装を伸ばしてフェースが大きく見えるので、より構えやすくなっています。価格は、ゼクシオ誕生の初代からずっと変わらず8万円プラス消費税です。「8万円」は、もちろんいまでも高級クラブのプライスですが、初代から15年間不変というのは、一体安いのでしょうか、高いのでしょうか?

ドライバーからフェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンと勢ぞろいしたゼクシオエイト。新発売は12月7日。
ドライバーからフェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンと勢ぞろいしたゼクシオエイト。新発売は12月7日。

 すっかりゴルファーにはおなじみになった「XX1O」(ゼクシオ)のネーミングは、何の意味で誰が創り出したのでしょう? これは、初代が出た2000年1月に、ネーミング会社のプロフェッショナル女性が創作したものです。「XX1」は21世紀。「O」はGOING ON のOを取り、「21世紀に突き進め!」を表しているそうです。

 この“お化けクラブ”、ドライバーだけのヒットではなく、フェアウェイウッド、アイアンも並行して売れてきたのがまた凄いところです。今回もドライバーのほか、“芯を外してもグリーンは外さない”のふれ込みのアイアンに、フェアウェイウッド、ユーティリティの「ゼクシオ・エイト」がそれぞれ新発売されます。ゴルフクラブのヒット商品は、他に「ビッグバーサ」(キャロウェイ)、VIQ(ブリヂストンスポーツ)・・などもありましたが、まさに21世紀の王者となったXX1Oの勢いは、とどまるところを知らないのでしょうかー。