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愛らしい藤田光里(20)が入れた勝利の″下りフックライン”とは? またもかわい子ちゃんの台頭で、ウハウハの女子プロ界!

 

プロ3年目、愛らしい藤田光里、女子プロツアーで人気を集める藤田光里。
プロ3年目、愛らしい藤田光里、女子プロツアーで人気を集める藤田光里。

プロ3年目、期待を一身に受けていた20歳の美形プロ・藤田光里(ひかり)が、今季8試合目で劇的なツアー初優勝を果たしました。フジサンケイレディス(静岡・川奈ホテルGC富士コース。24~26日)。終盤、6人が6アンダーで並ぶ大混戦。その18番で右奥のグリーンエッジに外した第3打目。パターで転がし5㍍強のフックラインをきれいに決める決勝のバーディー。7アンダーに抜け出した光里は、歓喜のバンザイで大江順一キャディー(36)と抱き合うドラマを演じました。これが入らなければ、史上初(88年、ツアー制施行後最多人数)の6人によるプレーオフが決定的だっただけに、まさに劇的なフィナーレ。前週の菊地絵理香に続く北海道出身プロの2週連続初Vですが、屈指の美人プロの台頭で女子プロ界は今季もウハウハのツアーが続きます。

☆     ★     ☆

ショットも本格派で安定したゴルフを身に着けた藤田光里のドライバー。
ショットも本格派で安定したゴルフを身に着けた藤田光里のドライバー。

5回目の最終日、最終組。今季は、2位に終わった2週前のスタジオアリス以来2度目の最終組でやっと光里は勝ちました。2日目からトップに立ち、最終日も後半に入るまで先頭を走った同じ最終組の一ノ瀬優希(26)が、11番で1㍍足らずのパーパットを外してから勝負が分からなくなりました。3打差3位からスタートした光里は、前半で3バーディーを挙げてピタリと首位に追随。追ってきた同期の松森彩夏(20)に一時はトップを奪われましたが、慌てませんでした。15番で痛い3パットボギーがあり6アンダー。川奈の難しい終盤でどの選手もスコアを落とします。最後6アンダーで並んだのは先にホールアウトした松森彩夏、イ・ボミ(韓国)、表純子。それに最終組の藤田光里、一ノ瀬優希、金ナリ(韓国)の6人。

光里の18番。アップヒルでグリーン手前には大きなアリソンバンカーが口を空けているタフな最終ホール。「セカンドはミスショットなんです。本当は(グリーン)センターに打って、2パットでプレーオフかな、と思っていました」(光里)という。そのセカンド(残り148ヤード、7番アイアン)は、やや右にそれてグリーン右奥のエッジに外れたのでした。「(ライはよかったので)迷わずパターでした。ラインは下りのフック。カップの手前で曲がるのは嫌だったんで・・。絶対にショートはしないと決めていた」という思い切りのいい一打は、難解な川奈の高麗グリーンのフックラインに乗って、カップに消えました。最終日、光里が奪った4つのバーディーは、すべてフックライン。「(3つ目のバーディー)7番で1.5㍍を入れたときもフックだったので、″きょうは下りのフックラインが入るね〝ってキャディーさんと言ってて、最後も気持ち悪くなく打てました」(光里)。すべていいラインについたこの日は、光里に勝利の女神が味方していたのでしょう。

打球の行方を追う藤田光里。
打球の行方を追う藤田光里。

★ プロ3年目、実質ツアー2年目で初Vをつかんだ藤田光里の優勝コメント

「ジュニアのときにプレーオフは経験したことはありますが、今日もプレーオフになってもおかしくないと、覚悟してました。入った瞬間、頭の中が真っ白になっちゃって・・。去年の暮、クラブが振れなくていいショットができなくなった苦しい時期が頭に浮かびました。去年は8月のmeijiカップの最終日。4番で右にプッシュしてからクラブ握るのが怖くなった。どこに上げて、どこに降ろしてきたらいいのか。立ち方も分からなくなって、頭がパンクしそうでした。いまはやっと1試合1試合、いっぱいいっぱいですけど、前向きになってきました。バーディーパットを決められなくて、くじけそうになっても、キャディーさんに″ここで折れなかったらいいことあるかも・・よ〝って言われて、耐えてこれました。手首が痛いときがときどきありますけど、いまは大丈夫。一つ目の大きな目標をクリアできたので、迷うことなく2勝3勝とできれば・・。いまは海外のことは考えてません」

森田理香子、香妻琴乃らととに女子プロゴルフの美形組、藤田光里が初優勝。
森田理香子、香妻琴乃らととに女子プロゴルフの美形組、藤田光里が初優勝。

この若さでスランプに遭遇するのも早過ぎ?ますが、それも″軽傷〝にとどめてよくぞ乗り越えました。meijiカップで恐怖心が芽生えて以降、13戦で8度の予選落ちという洗礼。昨年のシーズンが終わったあとは、1週間クラブを握らずに過ごしたり、1月に行ったグアム合宿でも、ゴルフをやりたい気持ちになるまでボールは打たず、イスに座って人のショットを見ていたそうです。アマチュア時代は中3から北海道女子アマを5連覇するなどの天才肌をみせ、安定感のあるショットメーカーとして若くして北海道では名をとどろかせた光里です。2013年にプロテスト一発合格。同年のファイナルQT(予選会)を1位で通過。新人戦の加賀電子カップも優勝とすばらしいプロデビューを飾ってきました。昨季は2位、3位、5位が1回ずつで賞金ランク38位。今季も出足には苦しみましたが、ここ2戦は2位(スタジオアリス)4位(KKT杯バンテリン)と上位に絡み、ついに初優勝へと花を咲かせました。

愛らしいルックスでツアー屈指の人気を誇る光里プロ。妹の美里さんは昨季途中まで姉のキャディーを務めたりして美人姉妹と騒がれましたが、いまはモデル業に専念。現在は、以前に宮里藍のバッグを担いだこともある大江順一さん(36)が帯同キャディーになっています。顔や形が美形であるだけでなく、スイングも本格派でしっかりしている光里プロの前途は洋々です。重圧から解放されたこれからの戦いは見ものです。中学時代、北海道で試合があった石川遼を追っかけ、サインしてもらった手袋をいまも大事に持っているとか。気分転換は読書とドライブ。それにネイルアートだそうです。