Daily Archives: 2015 年 4 月 20 日

女子プロの下部ツアーを制した16歳のアマチュア、新垣比菜!王国・沖縄からまた一人・・

ステップアップ・ツアー「ラシンク・ニンジニアRKBレディス」に勝ち、優勝杯とベストアマチュア杯を 抱える喜びの新垣比菜(福岡・福岡CC和白コース)
ステップアップ・ツアー「ラシンク・ニンジニアRKBレディス」に勝ち、優勝杯とベストアマチュア杯を
抱える喜びの新垣比菜(福岡・福岡CC和白コース)

宮里藍や美香を生んだ女子プロ王国・沖縄から、また一人将来が楽しみな女子ゴルファーが頭角を現しました。16歳のアマチュア、新垣比菜(あらかき・ひな=沖縄・興南高2年)がその人。4月中旬に行われた女子プロゴルフのステップアップツアー(下部ツアー)の今季開幕戦、ラシンク・ニンジニアRKBレディス(福岡CC和白コース、パー72)で、初日からトップに立った新垣が、2日間通算イーブンパーで完全初優勝。2位に4打差をつける強さでした。史上3人目の同ツアーアマチュア優勝(昨年のABCレディスの堀琴音、2010年のANAプリンセス杯の高橋恵に続く)の快挙。2位タイに入った柏原明日架、吉野茜とともに5月に開催されるツアー「ほけんの窓口レディス」への出場権が与えられました。

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女子プロ界はツアー人気に追随して下部ツアーの活況も目立ちます。今季のステップアップツアーは、昨年より2試合増の12試合が4月から10月下旬まで6ヵ月に渡って組まれています。その開幕戦が4月15~16日に行われたラシンク・ニンジニア・RKB(賞金総額:1500万円)。上の本ツアー出場を目指してしのぎを削るし烈な登竜門。若手はじめ、ツアーのシード権を失った″実力者〝も大勢参加してくる大会です。
新垣は、中学生のころから沖縄の新しい星として注目を浴び、地元で開催されるツアー開幕戦のダイキンオーキッド(沖縄・琉球GC)には、小6・12歳の最年少選手として初参戦しました。中2だった13年から、高2になった今年までは3年連続でローアマを獲得するまでに成長。それも予選を通って下の方の順位ではなくて、13年度は5アンダーで28位、14年は1オーバー、21位、15年1オーバー、33位とすべて中団につけているのは、実力のほどがしのばれます。

史上3人目のアマチュア優勝を果たした新垣比菜の力強いショット(ラシンク・ニンジニアRKBレディス)
史上3人目のアマチュア優勝を果たした新垣比菜の力強いショット(ラシンク・ニンジニアRKBレディス)

そして今年4月、初出場のステップアップ・ツアーで、ついにプロを追いやってのアマ優勝を果たしたのです。2日間競技でしたが、初日から1アンダーで単独首位。2打差をつけた2位グループには7人がひしめく大接戦でしたが、2日目(最終日)は風速5.6㍍の強い風の難しいコンディションでスコアが伸びません。新垣もショットがぶれて苦しい戦いでしたが「パットが入ってくれてよかったです。ショットが風でやられていたので・・。ハーフターンしたとき、スコアボードを見て(2打差だったので)ヤバいなと、ちょっと焦りましたけど、このコースはインの方が難しいって分かっていたので、みんなも伸ばすのは難しいだろうと思ってました。我慢してれば大丈夫かな、このままいけば勝てるかなとも思いました」(新垣)。

9ホールを残して″優勝〝の意識が頭をもたげたとたん、10番11番で連続ボギー。13番でも第2打をバンカーに落としてボギーとスコアを落とし、冷や汗ものでした。しかし、ピンチにも耐えられるタフさを、比菜は持ち合わせています。大詰が迫った15番でセカンドショットをチャンスにつけ、バーディーとして踏ん張ります。「あれでそのあとはしっかりいけました。16、17、18番はパーでいければいいかなと思っていたのに、まさか17番でバーディーがとれるとは思わなかったです」と。17番でもダメ押しのバーディーを奪うあたりは、比菜のゴルフの強いところです。この大詰の逆襲で2位には4打差をつけてステップアップツアー初出場初優勝を飾ったのです

アマ新垣比菜の優勝コメント。

「うれしいですね。アマチュアでプロの試合に勝つことが夢でした。きょうは自分のゴルフをすることだけを考えてやっていました。この優勝を今後につなげていきたいですね。きょうはお母さん(純子さん、47歳)の誕生日なんです。けさ、LINEで″誕生日おめでとう〝って送ったら″ありがとう、頑張ってね〝って返信がありました。沖縄で待ってるお母さんにいいプレゼントになったと思います。1ヵ月前から飛距離が上がってきてました。ヘッドスピードを上げることを意識してクラブを振ってきましたから・・。ドライバーで10ヤード伸びて250ヤードぐらいになったた思います」

ステップアップツアー史上3人目となるアマ優勝を達成した新垣比菜。母親の誕生日に最高の贈り物でしたが、自身でも忘れられない1日となったことでしょう。宮里藍、美香はじめ諸見里しのぶ、上原彩子、比嘉真美子ら沖縄出身のトッププロに続いて「新垣比菜」がそのあとを継ぐのは、そう遠い日ではないでしょう。

女子プロツアーは、昨季KKT杯バンテリンで15歳の高1アマ、勝みなみが並みいるプロを押しのけてツアー優勝。シーズンを通して話題をさらいました。これに刺激されたように昨年は若手選手、とりわけ有力アマチュアの活躍が目立ちましたが、その余波は今年も途絶えることがありません。昨年活躍したアマチュア、柏原明日架、堀琴音、森田遥、保坂真由・・らは続々プロ入りしましたが、続く女子の金の卵はあとを絶ちません。
今季序盤戦で特に目立つのは、17歳の永井花奈(東京・日出高3年)。東京・大井町駅近くの人気ラーメン店の一人娘で話題になりましたが、勝みなみとはナショナルチーム仲間で、昨季10代旋風を巻き起こした一人でもあります。今季は3月のTポイントレディスの12位タイに続き、KKT杯バンテリンでも初日から6位、9位(2日目)とトップテンをキープ。最終日に73で14位まで落ちましたが、プロに交じって堂々の戦いを演じています。今季新垣らとともに″若手アマ旋風第2弾〝を演じる女子軍の主力になるでしょうかー。