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世界の夢舞台へ日本のアマチュア、14歳の山口すず夏(中3)が予選突破!全米女子OPへ日本地区予選で6人が出場権

中3、14歳のアマチュア、山口すず夏もはつらつとしたゴルフをみせて9アンダーで2位タイ通過。夢のメジャー出場がかなった。(兵庫・有馬 ロイヤルGC)=提供:いずれも日本ゴルフ協会
中3、14歳のアマチュア、山口すず夏もはつらつとしたゴルフをみせて9アンダーで2位タイ通過。夢のメジャー出場がかなった。(兵庫・有馬ロイヤルGC)=提供:いずれも日本ゴルフ協会

男子の全米オープンが終わって、次は女子の全米女子オープンが来週、7月9日から米ランカスターCC(ペンシルベニア州)の舞台で行われます。昨年はミシェル・ウィー(米)がメジャー初優勝。日本の横峯さくらが、海外メジャー自己最高の7位に入るなどで盛り上がりましたが、世界のメジャーを目指すゴルファーのために、昨年から日本地区の予選会が実施されています。2回目の今年は、兵庫・有馬ロイヤルGC(6月15日実施)で行われましたが、トップ通過した鈴木愛(21)ら6人の日本選手の本戦出場が決まっています。今年、予選会にトライしたのは86選手(プロ52人、アマ34人)。うち上位6人が出場権を得るという狭き門でしたが、その中に14歳のアマチュア、山口すず夏(相模原市立鵜野森中3年)が堂々と2位に入って夢の舞台への出場を決め、話題になっています。日本ゴルフ協会(JGA)によると、14歳の海外5大メジャーへの出場は最年少記録です。

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15年度全米女子オープン、日本地区予選の6スポッツをゲットとした6人。左端がトップ通過の鈴木愛。左から3人目が 14歳、中3のアマ、山口すず夏(兵庫・有馬ロイヤルGC)=提供:日本ゴルフ協会。
15年度全米女子オープン、日本地区予選の6スポッツをゲットとした6人。左端がトップ通過の鈴木愛。左から3人目が
14歳、中3のアマ、山口すず夏(兵庫・有馬ロイヤルGC)=提供:日本ゴルフ協会。

全米オープンの米国以外での予選会は、男子が05年から、女子は14年から始まりました。米国内各地での予選会だけでは遠い国からはなかなか参加しにくいのが現状でしたが、アジア地区にも広く門戸が開かれた予選会です。今年は男子も藤田寛之、川村昌弘ら5人が日本地区予選から出場しましたが、女子で6人の枠をゲットしたのは、鈴木愛、山口すず夏、葭葉ルミ、菊地絵理香、穴井詩、松森彩夏。トップ通過の鈴木は前週のサントリーレディスは予選落ちでしたが、不調だったパットを立て直し、1R目8バーディーで64とスコアを伸ばし、2R目も4つ伸ばす68で通算12アンダーのダントツで1位通過を果たしました。将来は米ツアー挑戦を視野に入れている鈴木だけに「全米でどれだけ通用するか、試してきたい」と、初のメジャー挑戦に目を輝かせています。昨年の日本女子プロ選手権を制した21歳の伸び盛り。今季もまだ優勝はありませんが、3月のヨコハマタイヤPRGRでプレーオフ負けの2位。6月のニチレイでは3位に入るなど、優勝を争える選手に成長しているだけに期待がかかります。

全米女子オープン、日本地区予選で2位に3打差をつけてトップ通過した鈴木愛のドライバーショット。
全米女子オープン、日本地区予選で2位に3打差をつけてトップ通過した鈴木愛のドライバーショット。

鈴木には3打差をつけられましたが、2位に食い込んだ14歳のアマチュア、山口すず夏が話題の主です。まだ中学の3年生。小学1年のときに父親と兄と一緒にゴルフ練習場に足を踏み入れたのがゴルフを始めるきっかけでした。「面白そう」と、父のクラブを振りまわして球を打ったのが始まり。そのころ中嶋常幸プロが主催するジュニアアカデミーにも参加したことがあり、基本的な技術や精神面の持ち方などを教わったそうです。「小2になって少しして試合に出始めて、最初は120ぐらい打っていました」(すず夏)といっていますが、日を追って本格的にゴルフに取り組み、中2の昨年、全米女子オープン日本地区予選(東名古屋CC)が日程的に他と重なって出られず「ハワイの予選会に行ってトライしました」という。しかし「体力的にもたなかったのと、芝が違うので全然ダメでした」と、こんな経験までしてきたすず夏ちゃんです。冬にはフィギュアースケートを楽しみ、夏は水泳もやっているというスポーツ好きな女の子です。

満を持して出た今年の日本地区予選会。アイアンが好調で1R目は4バーディー(1ボギー)。2R目はさらに調子を上げて7バーディー(1ボギー)。14番でボギーを叩いたあとの16番(パー5)では、130ヤードの第3打を9番アイアンで20㌢にからませるOKバーディーで締めくくりました。

☆69、66の通算9アンダー。ボギーは36ホールで2つだけ。堂々の2位で予選を通過した山口すず夏のコメント

プロ入り3年目、QT11位で今季ツアーに参加。フジサンケイ2位タイ、リゾートトラスト、ニチレイで ともに7位タイとトップテン入りしている松森彩夏。夢のキップをつかんだ。
プロ入り3年目、QT11位で今季ツアーに参加。フジサンケイ2位タイ、リゾートトラスト、ニチレイで
ともに7位タイとトップテン入りしている松森彩夏。夢のキップをつかんだ。

「66は自分のベストスコアタイです。全体的に調子はよかったし、ショットがピンに向かっていったので、プレッシャーのかかるパットがなかったのがよかったです。予選は通るという自信はありました。36ホールで体力勝負だと思いながらやってました。疲れてくると、インパクトで体が開きやすくなるんです。私はベタ足で打つ方なので左腰を止めるように意識してました。最後はパーを続けようと思ってやっていました」

プロトーナメントは、13年の日本女子オープンが予選落ち。14年のヨネックス49位。サマンサタバサ予選落ち。今季はリゾートトラスト24位。ヨネックス予選落ちの計5試合があります。

目標とする人は「海外で勝っていて凄い岡本綾子さん」とキッパリ。その憧れの舞台、全米女子オープンに出場できるようになったのですから凄いチャンスです。「ホントにうれしいです。予選を通過できればベストですけど、自分のゴルフができるかどか、ベストをつくしてきます」と、期待へ胸ふくらます14歳です。ゴルファーとしての目標は「20歳で賞金女王になって、東京五輪では金メダルを獲りたい。そのためにはツアーで優勝して世界ランキングを上げないと・・」と、果てしない夢が広がる乙女でもあります。昨年の日本地区予選会でも、16歳のアマチュア、橋本千里(愛知・ルネサンス豊田高)が日本予選を突破。本戦(パインハースト&リゾート)も予選を通過して最終的には通算22オーバーの68位で全米女子OPを終わっています。

山口すず夏らとともに首位に3打差の9アンダーで2位タイに入った菊地絵理香。
山口すず夏らとともに首位に3打差の9アンダーで2位タイに入った菊地絵理香。

そのほかの予選通過者は、飛ばし屋の穴井詩(27)。昨年の日本予選通過に続いて連続の全米OP出場。4月、KKT杯バンテリンでプロ8年目の初Vを挙げた菊地絵理香(26)。フジサンケイ2位の松森彩夏(21)、葭葉ルミ(22)ら若手の世界最高峰への初挑戦は楽しみ。日本地区予選組のひと暴れに期待です。本戦の全米女子オープンは7月9日からです。