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“サマンサタバサ・ギャル “で盛り上がった異色の女子ツアー。3日間で集まったギャラリーは2万超!

平均飛距離240ヤードの前田陽子。飛ばし屋ではないが正確なショットで堅実ゴルフが身上(サマンサタバサレディース=茨城・イーグルポイントGC)
平均飛距離240ヤードの前田陽子。飛ばし屋ではないが正確なショットで堅実ゴルフが身上(サマンサタバサレディース=茨城・イーグルポイントGC)

今年第4回目を迎えた″異色〝の女子ゴルフツアー「サマンサタバサ・ガールズコレクション・レディース」が、茨城・イーグルポイントGC(7月17~19日)で開催されました。女性向けのファッション商品を主に扱う会社だけに、会場内は超華やか。毎日特別イベントが用意され、人気のハンドバッグやウエア、グッズなどがアウトレット並みの価格で購入でき、フードコートではサマンサタバサスイーツがお土産に。試合が終了する午後4時ごろからは、コース内でお笑いステージやモデルオーディション。さらにはトークショーや人気アーテストのLIVEステージを毎日開催。最終日の日曜日にはファッションショーなどでグランドフィナーレとなる楽しいイベントの数々。ゴルフ観戦はそこそこで、イベント目当てに入場してくる若い女性も大勢いて、最終日は1万人に迫る9,872人のギャルたちがコースを占領して盛り上がりました(3日間観客合計2万878人)。そのトーナメントに勝ったのは、プロ10年目の30歳。昨年11月伊藤園レディスのプロ初優勝に続くツアー通算2勝目の″地味な〝前田陽子だったのは

、ご愛嬌でしたー。

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友達と連れ立ってサマンサタバサレディースを観戦するギャル。(茨城・イーグルポイントGC)
友達と連れ立ってサマンサタバサレディースを観戦するギャル。(茨城・イーグルポイントGC)

楽しく素敵に女性のライフスタイルを演出する・・というサマンサタバサのスローガンは、そのままゴルフ場に持ち込まれました。会場は茨城県稲敷郡阿見町のイーグルポイントGC。池を巧みに配したアメリカンスタイルの美しいコースです。サマンサタバサの星じるしのロゴが、あちらこちらにちりばめられ、華やかなウエアの女子プロたちが行き交う明るい雰囲気が漂う会場でした。サマンサタバサが契約している女子プロは5人。カワイイ女子プロの代表格になった香妻琴乃(23)、実力も伴ってきた堀奈津佳(23)、それにダイナミックな山村彩恵(23)の3人が所属でホステスプロ。原江里菜はウエア契約、青木瀬令奈もサマンサタバサのウエアで″サマンサガールズ〝を務めました。

初日は申ジエ(韓国)が飛び出し、2日目のトップは同じ韓国の李知姫が入れ替わりました。初出場の全米女子オープン14位で、話題になった葭葉(よしば)ルミが、2日目66で1打差の2位に食い込んできたと思うと、初日16位にいた前田陽子が、首位に3打差の3位タイに浮上してトップをうかがう多彩な展開。日替わりの上位陣で、混戦が注目された最終日、持ち味の手堅いゴルフで4バーディー、ノーボギーで回った前田が、追撃してくる原江里菜、イ・ボミ(韓国)ら実力選手をイラつかせました。ツアー18勝の李知姫も、何度もチャンスにつけながらパットが入らずトップを奪えません。初の最終日最終組なのに落ち着きを失わなかった前田は、訪れたチャンスだけを確実に取る静かて冷静なゴルフ。ボギーを叩かない堅実さが最後までモノをいいました。「18番だけはさすがに緊張した」(前田)という約1㍍のウイニングパーパットを沈めて、通算8アンダーで実力者たちを振り切りました。

照りつける太陽の暑さもなんのその・・(サマンサタバサレディース)
照りつける太陽の暑さもなんのその・・(サマンサタバサレディース)

18番グリーンサイドには、スポンサー用の観戦特別スタンドと並んで″ガールズスタンド〝が設営されました。女性限定の屋根付きギャラリースタンドで、サマンサタバサ公式facebookなどに参画している女性が時間限定で利用できるものです。サマンサタバサブランドの人気アイテムや新作ハンドバッグやウエア等が購入できるショップがクラブハウス内と屋外に設営され、会場限定のアウトレットショップでは、人気バッグが5000円や3000円で購入できるなど、掘り出し物にも遭遇できる楽しみもー。″見て、食べて、贈って〝楽しめるとうたった大会限定のサマンサスイーツも用意する気の配りよう。女性限定のゴルフクラブ試打会や、PGA公認ティーチングプロからの特別ワンポイントレッスンを受けられる用意ももちろんありました。

若い女性ギャラリーであふれたイーグルポイントGC。(サマンサタバサレディース)
若い女性ギャラリーであふれたイーグルポイントGC。(サマンサタバサレディース)

10番ティーグラウンド付近の特別イベントステージでは、金、土、日ともに午後4時前後からはお笑いステージ、モデルオーディション、トークショーに日替わりのスペシャルLIVE。最終日の日曜日は有村実樹、ワンライフモデルのファッションショーにトークショー・・。プロたちの激しい女の戦いが終わった後は、夏の夕暮れ時のスペシャルイベントがたっぷり楽しめるという至れり尽くせりの「サマンサタバサの宴」つきのトーナメントでした。

★昨年に続き早々とプロ2勝目を挙げた前田陽子のコメント

「1勝目から2勝目は早かったですね。もう勝てないと思ってましたから・・正直。1勝目はみなさんから″たまたまじゃないか〝といわれたこともありましたけど、この2勝目は実力を発揮できたと思います。15番でチャンスを逃がした(1・5㍍)けれど、自分は攻めるタイプではないので、外したショックはありませんでした。下りのパットですし、入ればいいかなと思って打ったんです。ちょっと引っかけて、狙ったところに打てなくてダメだなとは思いましたけど、外したことは何とも・・。(李知姫がチャンスにつけながら外していたが)李さんのことは意識してなくて、李さんがチャンスにつけたのを全部入れたとしても、私は焦りはなかったと思います。私はがっついていって空回りするのが嫌なんです。ギャラリーから、もっと強めに打たなきゃ~といわれるときもありますが、(チャンスが)来るまで待つのが自分のゴルフの仕方なので・・。自分のゴルフをやってればチャンスがくるのが今回で分かりました。結構自信がつきました。スポンサーさんの期待にも応えられたと思います」

サマンサタバサ所属のカワイイ女子プロ″代表〝香妻琴乃(サマンサタバサレディース)
サマンサタバサ所属のカワイイ女子プロ″代表〝香妻琴乃(サマンサタバサレディース)

自分を貫き通した前田の強い意志。攻めまくる派手な攻撃ゴルフではないが、ボギーを避けて堅実にスコアを伸ばしていく前田ゴルフがこの逆転勝利を呼び込んだといえます。徳島県小松島市出身。小学6年からゴルフを始め、香川西高卒。ゴルフの楽しさにはまり、地元徳島の段ボール工場で8年間アルバイトをしながらゴルフの腕を磨き、下部ツアーにもトライ、08年5度目のプロテスト挑戦で合格。14年11月、伊藤園レディスで遅咲きのプロ初勝利。それが縁で今季から伊藤園所属となり、ラコステ、JA全農とはスポンサー契約と、サポーターにも恵まれてゴルフ一筋に打ち込める環境もようやくかちとった苦労人でもあります。小3から習った書道は7段の腕前。今後の目標も「もう2、3年はツアーに出ていたい」といい「ゴルフができればいいんです」と、ゴルフを根っから愛する前田は、あくまでも謙虚です。

派手なサマンサタバサレディスの会場で地味に勝利した前田陽子。チラリ横目で見ていたサマンサガールたちの陽子ファンが増えるかも・・。