Daily Archives: 2017 年 1 月 16 日

話題のシンデレラ・畑岡奈紗(18)、「森ビル」(所属)と「ダンロップスポーツ」(用品)とビッグなサポート!

用具契約したダンロップスポーツ・木滑和生社長(右)と握手する畑岡奈紗(左)=1月13日、東京・品川プリンスホテル
用具契約したダンロップスポーツ・木滑和生社長(右)と握手する畑岡奈紗(左)=1月13日、東京・品川プリンスホテル

日本女子オープンをアマチュアで初めて制してプロ転向した畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高3年)が、18歳の誕生日の1月13日、「所属は森ビル」「用品はダンロップスポーツ」と契約を結んだことを発表しました。両社ともに契約金額等は明らかにしていませんが、森ビルは3年、ダンロップスポーツは複数年契約(5年が有力)で総額2億円(いずれも推定)のビッグな契約と思われます。松山英樹と同じダンロップスポーツとの契約で、松山からは「お互いに世界一を目指してがばりましょう」と、さっそくビデオメッセージでエールを送られ感激でした。米女子ツアーの予選会もパスしている畑岡は、プロとして日本を飛び越しいきなり米国でデビューしますが、ウェイティング(出場順番待ち)1位の開幕戦「ピュアーシルク・バハマ・クラシック」に向けて今週渡米、米LPGAの新人研修会に臨んだあと第1戦に備えます。果たしてどんな第一報がとどきますか?

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発表の席上、シャープなスイングをみせる畑岡奈紗。
発表の席上、シャープなスイングをみせる畑岡奈紗。

父親、仁一さんの希望で18歳の誕生日を選んだ奈紗は、黒の上下スーツで緊張の面持ち。ダンロップスポーツ木滑和生社長と並んで記者発表の壇上に立ちました。場所は、東京・品川の品川プリンスホテル32F「アクアマリン32」。木滑社長が口を切りました。
「畑岡選手が世界に挑戦するための使用道具に当社のものを選んでいただいた。アマチュア時代から見続けてきた畑岡選手は、我々の想定より一段と早いスピードで階段を登ってきました。自分を見つめる冷静な目、向上心・・すべてに素晴らしいものを持っていて、きっとプロでも強い選手になると思う。まだ18歳になったばかり。練習に集中して邁進してほしい。世界で勝ちたいという夢の実現のために、ダンロップスポーツもともに戦っていきたい」

ジュニア時代から愛用してきたダンロップ「スリクソン・ブランド」の真新しいクラブとキャディバッグとともに。
ジュニア時代から愛用してきたダンロップ「スリクソン・ブランド」の真新しいクラブとキャディバッグとともに。

畑岡奈紗の挨拶が続きます。「ジュニア時代から使わせてもらっているダンロップ製品でプロとしても戦っていきます。クラブ、ボールもイメージ通りですし、よくサポートもしてもらってます。いきなりアメリカで戦う中で、難しい状況もあると思いますが、信頼できる道具なので・・。海外に行くと、体も大きい方ではないですし、いま250ヤードくらいの私の飛距離では足りないと思います。でも、短期間でなく長い時間をかけてその問題も解決していきたい。そのためのトレーニングも欠かせません。最後まであきらめずにやることが大事だと思います。海外メジャーで優勝することが私の目標ですので、サポートしてもらえるダンロップとともに戦っていきたい。米ツアーには沢山の国から選手が来ているので、そういう選手たちとの交流は楽しみです」

「海外メジャー優勝」と夢を記したボードに書き込んだ畑岡奈紗(NASA)のサイン。
「海外メジャー優勝」と夢を記したボードに書き込んだ畑岡奈紗(NASA)のサイン。

アマチュア時代は数々の戦歴を残しました。昨年10月には、高3・17歳で女子ゴルフの最高峰メジャー、「日本女子オープンゴルフ選手権」(栃木・烏山城CC)で史上初のアマチュア優勝。最年少優勝の快挙も達成しました。64年東京五輪の開幕日でもあった10月10日にプロ転向表明(日本人史上最年少)。国内第1戦の「伊藤園レディス」でも予選を突破し、26位タイの第一歩を記しました。その後12月の米女子ツアー最終予選会では5日間の厳しい挑戦。2、3日目にトップに立つなどで驚かせましたが、4、5日目に崩れて14位フィニッシュ。20位までに与えられる今季の出場権は見事に獲得しました。

話題を振りまいた2016年は数々の表彰も受賞。プロとしての「所属先」や「使用ゴルフ用品契約先」が、注目の的でした。契約したダンロップの使用クラブは、「スリクソンZ765」(ドライバー)。ボールは最新の「NEWスリクソンZ-STARシリーズ」。以下のクラブや、ウエア、キャディーバッグ等、すべてスリクソンブランドを使用します(ウェッジはクリーブランド588RTX2.0プレシジョンフォージド)。

ボールも「SRIXON」。
ボールも「SRIXON」。

所属先に決まった大手不動会社の森ビルは、ゴルフ場運営やトーナメント支援などのゴルフ事業も展開しています。同社のグループ会社である茨城・宍戸ヒルズCCで中嶋常幸プロが主宰する「ヒルズゴルフ・トミーアカデミー」の一期生でもある畑岡は、地元笠間市立岩間中2年からここを拠点に練習を積み、中嶋常幸プロからも指導を受けてきました。母親博美さんはこの宍戸ヒルズCCに勤務しています。長年、森ビルとの関係は深かったことから、所属契約が結ばれたものとみられます。森ビルとして、アスリートとの所属契約は初めてのこと。キャディーバッグには「森ビル」のロゴが入ります。

畑岡奈紗の契約発表に集まった約100人の報道陣(東京・品川プリンスホテル「アクアマリン32」)
畑岡奈紗の契約発表に集まった約100人の報道陣(東京・品川プリンスホテル「アクアマリン32」)

プロとして「所属」が決まることは、ツアー費用の拠出や成績に対するボーナスなど、ツアー選手にとっては甚大なサポートを得られるため、心強いスポンサーの登場といえます。これから世界に立ち向かっていく18歳に、必要とされる重要課題が次々と整備されました。1月26日からのバハマでの開幕戦は、ウェイティング1位のため、まだ出場決定ではありませんが、欠場者が出た場合に1番手で出られます。ほぼ出場できる見込みですが、第2戦からは豪州・アデレードでの「ISPSハンダ豪州女子OP」、タイでの「ホンダLPGAタイランド」とアジア方面での日程が続きます。3月2日からの国内開幕戦、「ダイキンオーキッド」(沖縄・琉球)には一時帰国して出場したい意向ですが、そのためにも米ツアーの開幕ダッシュを期待したいものです。