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男子ツアーはまた1試合減の24試合。ZOZOが冠の米ツアー日本開催で償えるか?!

19年度男子ツアー日程を発表する青木功JGTO会長(右)と上田昌孝専務理事(左)=東京・ANAインターコンチネンタルホテル東京

新しい年が明けました。日本の国内ゴルフ本格シーズンはまだ先ですが、来週17日からはアジアンツアーとの共催によるSMBCシンガポールオープン(シンガポール・セントーサGC)で男子ツアーは一応幕をあけます。昨年まで2試合あったアジアンツアーとの共催試合、レオパレス21ミャンマー・オープンが開催中止となり、シンガポール1試合だけでの開幕です。それが終わると国内ツアーフタ明けの東建ホームメイト杯(4月18日)まで3ヶ月のブランクがあります。男子ツアーの今季日程は、2年続きの1試合減(2減1増)で24試合。米ツアーの「ZOZOチャンピオンシップ」が初めて日本での開催を決定。日本ツアーとの共催になったための1増では喜んではいられません。最近13年間では最少試合数に並んだ今季の男子ツアー。不況続きは相変わらずで″スポンサー詣〝が続いています。年末に発表された今季日程を検証します。

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発表の席上、18年度の賞金王・今平周吾(右)と握手する青木功会長(左)=東京・ANAインターコンチネンタル東京

3年前、″日本ツアーの海外進出〝と銘打って実現したアジアンツアーとの共催。その一つ、レオパレス21・ミャンマーオープンは3年間で早々と撤退です。「本業の方の都合で、とりあえず1年休みたいとの申し入れがあった」(小山競技管理部長)とのことですが、日本ツアーにとっては残念な開催中止通告でした。せっかく道を開いたアジアンツアーとの共催も今年はSMBCシンガポール・オープン1試合だけとなり、寂しい1月の海外日程です。昨年までは2週続きのアジアの試合とあって、日本からも50人を上回るツアープレーヤーが参戦しましたが、1試合だけとなった今季は日本からの遠征組は減るのでは?と懸念されています。

18年度、僅か1勝ながら安定したゴルフで超1億円を稼ぎ、初の賞金王になった今平周吾。

2試合減のもう1試合は、ISPSハンダマッチプレー選手権。半田晴久会長率いる国際スポーツ振興協会(ISPS)がスポンサーとなり、賞金総額2億3000万円(優勝5200万円)のビッグゲームが17年18年と2年間開催されました。ISPSは、その前身ISPSハンダグローバルカップ(賞金総額1億円)を15年16年の2年間開催しており、男子ツアーには大事なスポンサーでした。ところが18年のシーズン途中に日本ゴルフツアー機構との間で感情のもつれなどから関係が悪化。半田晴久会長は「マッチプレーの開催中止」を通告したのです。それだけではありません。18年のハンダマッチプレーの終了時に半田晴久会長は、マッチプレーのほかにストロークプレーの「ISPSハンダ東京オープン」(賞金総額5000万円)も19年度には千葉で新たに開催したいと明言していました。両者の関係の悪化で、19年度はマッチプレー、新規予定の東京オープン、さらにはチャレンジトーナメント(下部ツアー)で開催していたISPS HANDA燃える闘魂!!チャレンジカップも併せて撤退すると表明したのですから、ツアー機構は大きな痛手を受けました。

一作年の賞金王・宮里優作。昨季は海外挑戦が多かったが、出場した日本ツアーではギャラリーを集めた。

7月と9月と2回に分けて行っていたハンダマッチプレーがなくなり、男子ツアーの日程には大きな空白が生じました。19年度の日程をみると、7月は僅か1試合。9月は5試合から4試合に減りました。4月に開催していたパナソニック・オープンが、空いた9月に移動して東広野(兵庫)でと、開催週の変更が行われています。

ツアーの2試合減で頭を悩ましていた男子ツアーに、降ってわいた朗報?は米ツアーの初の日本進出プランです。スポンサーはあの月旅行計画を発表したファッション通販サイト・ZOZO TOWNを運営する前澤友作社長(43)。日本を代表する資産家である彼が、米ツアーからの要請を受けて米ツアーの日本開催に名乗り出たのです。話は一挙に進展して「ZOZOチャンピオンシップ」を日本ゴルフツアー機構と共催で10月24(木)~27日(日)に前澤社長のおひざ元の千葉、アコーディアゴルフ・習志野CCで開催すると発表しました。前澤社長の世界戦略の一端とみられています。

渡りに船の日本ゴルフツアー機構は、″共催〝のため日本ツアーの日程に繰り入れました。その週はブリヂストン・オープンの開催週でしたが、ブリヂストンが2週繰り上げて開催することをOKしたことから、ZOZOは希望通りこの週での開催となりました。
賞金額は日本ツアーとはケタの違う米ツアー。総額は975万㌦(約11億円)。優勝賞金175万㌦(約2億円)。JGTOは国内ツアーの賞金ランキングに加算することを決め、加算率を50%としました。日本円にして約1億円です。試合は出場人数78人。72ホールストロークプレーで予選カットなし。日本ツアーからの出場選手は、今季のシンガポールOPからブリヂストンOPまでの賞金ランキング上位7人。ブリヂストンOP上位3人の10人。スポンサー推薦8人のうち、日本ツアーから3人程度で計13人が上限とみられます。限られた人数しか出られない試合で高額賞金になるのは不公平との声もありますが、この決定で試合は実施されるようです。
昨季の賞金王で今季は選手会の副会長に就任した今平周吾は「米ツアーとの共催で、勝てば米ツアーに出られるという選手にとっては夢のような大会。自分もこれに出場できるように、そして年間3勝以上を目標にして感動を与えるプレーをしたい」と、米ツアーの日本開催を歓迎しています。しかし、試合数に繰り入れたのはいいですが、日米のゴルフのレベル差を見せつけられては日本ツアーにとってマイナスになるのでは?との懸念が根強く残っています。

盛り上がりを見せた昨季の日本オープン。(横浜CC)

その他、国内ツアーの幕開け、東建ホームメイト杯は昨季と同じ、マスターズが終わった翌週の4月18日~21日(東建多度CC名古屋)。日本ゴルフツアー選手権森ビルカップは、茨城・宍戸ヒルズ西コース(6月6~9日)。日本プロは例年の5月から7月(4~7日)に移って鹿児島・いぶすきGC。日本オープンは福岡・古賀GC(10月17~20日)。ZOZOチャンピオンシップは日本オープンの翌週、10月24日から(千葉・習志野CC)。シーズン閉幕は例年通り日本シリーズJTカップで、12月5~8日(東京よみうりCC)となっています。

試合数は減っても内容の濃い、味わいのある試合。そしてファンをひきつける花のあるプレヤーの出現に期待したいものです。

(了)