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今年のGTPAルーキー・オブ・ザ・イヤーを総取りした黄金世代、20歳カルテット(女子)。

GTPA2018年ルーキー・オブ・ザ・イヤーで表彰された左から星野陸也、勝みなみ、松田鈴英(レイ)、新垣比菜(東京・ANAインターコンチネンタル東京)

今年最も輝いた″ルーキーたち〝に星野陸也、勝みなみ、新垣比菜ら5人(男1、女4)が選ばれ、表彰されました。スポンサーの集まりである日本ゴルフトーナメント振興協会(GTPA)が選ぶ「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」は今年で21回目。毎年、年の瀬に注目されるイベントですが、今年は男子は星野陸也(22)ひとり。女子で勝みなみ(20)、新垣比菜(20)、小祝さくら(20)、松田鈴英(レイ、20)の″黄金世代〝を代表する20歳カルテットが映えの受賞。女子プロ人気を象徴する若手群像がここでも席巻しました。これまで男女とも、この賞を受けた選手はトッププレーヤーへと成長しています。受賞者以外にもまだまだ″黄金世代〝は目白押しです。来季はこれらの若手群像の中から賞金王(女王)が生まれるかもしれません。表彰会場は東京・赤坂のANAインターコンチネンタル・ホテル東京。(小祝さくらは日・タイ親善試合のためタイ遠征中で表彰式欠席)

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石原俊爾理事長から表彰プレートを受ける勝みなみ(右)=東京・ANAインターコンチネンタルホテル東京

年末を飾る華やかな表彰パーティー。ダークスーツ姿の男子・星野陸也がまるで消え入るよう。ピチピチした20歳のヤングレディス、3人の登場が脚光を浴びました。167㌢の長身に黒のドレスをまとった松田鈴英(レイ)。同じ黒で胸元にレースをあしらった沖縄出身の新垣比菜。157㌢、やや小柄な勝みなみは、ネービーを基調にした柄入りのノースリーブ・ワンピースですらりとした美脚を披露していました。トーナメントで見るゴルフウエア姿とはまた違った女らしさを発散させて、関係者が集まったANA「プロミネンスの間」を華やかに彩っていました。

表彰プレートを持つ松田鈴英(レイ)=東京・ANAインターコンチネンタルホテル東京

勝みなみ。 アマチュア時代、鹿児島高1年の15歳で史上最年少ツアー優勝を成し遂げた勝は、昨年のプロテストで一発合格。20歳になった今季、11月の大王製紙エリエールでようやくプロ初優勝でした。「もう少し早く勝てるかと思っていた」(勝)という通り、すでに知名度も高く、折り紙つきの実力を備えた黄金世代のリーダー的存在の勝です。今季は終盤にやや調子を落としましたが、エリエールでの初優勝で、来季は女子ゴルフ界をリードするひとりにせり上がってくるはずです。技術面やメンタル面にも強いものを持っている選手なので、ますますの期待がかかる存在。今季は賞金ランク9位。6559万1278円を稼ぎました。

インタビューを受ける新垣比菜(左)=東京・インターコンチネンタルホテル東京

新垣比菜。17年のプロテスト合格組の中で、1番乗りでレギュラーツアー初優勝(4月のサイバーエージェント)。沖縄出身でトップアマとしても数々の実績を残し、プロツアーでもその実力をのぞかせていました。「宮里藍2世」と期待されるルーキーですが、今季は29試合と出場試合は少なかったものの、トップテンに6試合。2位も2回あって賞金ランクは23位に食いこんでいます。ただ、8月のCATレディスで初日トップに立ちながら、2日目の18番(パー5)のボギーをスコアカードには「5」と記入。過少申告で競技失格となる大ポカをしでかしました。サイバーエージェントに続くツアー2勝目を狙えるチャンスだったのに、大魚を自ら逃がした後半戦は予選落ちも4回とやや調子を落としました。
もう2度と同じ過ちはしないでしょうが、「充実した1年」(新垣)に残した汚点でした。表彰式の前日、12月20日に20歳の誕生日を迎え、この日はサプライズのバースデイケーキを贈られて「こんなに大勢の皆さんの中で祝福されて嬉しい。来年は複数優勝をぜひ果たしたい」と感激に浸っていました。

サプライズのバースデーケーキに顔を寄せる新垣比菜。
前日20歳を迎えて贈られた誕生日ケーキ。

松田鈴英(レイ)。男子の川村昌弘の後輩にあたる福井工大付属福井高の出身。17年度のプロテストでトップ合格(2度目の受験)。今季はQT18位の資格でレギュラーツアーを戦いました。秋の陣、10月には3週連続トップ4入り。ツアー終盤に入っての追い上げも鋭く、伊藤園、大王製紙エリエールと2週連続で最終日をトップで戦ったのは見上げたもの(10位と2位)。あと一歩が及ばず初優勝は成りませんでしたが、長身から繰り出すドライバーの飛距離はトップ級で今季「ドライビングデスタンス10位」でした。まだまだ荒削りのゴルフですが、賞金ランクは11位でのシード権獲得は立派。表彰式でも「来シーズンはツアー初優勝を果たしたい」とキッパリ。未知数の大物として来季の注目度は上がりそう。

小祝さくら。表彰式には欠席でしたが、昨年のプロテスト一発合格。今季ツアーではトップ10に13回入り、そのうちトップ5には8回、2位4度の実力はもう一流。トータルドライビング3位の上、総合的なショット力に優れています。その完成度の高さは、今季初優勝に恵まれなかったのが不思議なくらい。賞金ランクも8位に入っており、来季の活躍は約束された感があります。黄金世代を代表するひとりといえるでしょう。

星野陸也。 男性軍からただ一人選ばれた星野は、細身の長身(186㌢)を生かし超300ヤードの飛ばし屋で、すでに評価は高いものがあります。2年目の今季は、初シード選手として活躍。トップ10入りは9回。初優勝を飾った9月のフジサンケイでは4日間首位を守る大会コースレコードでの完全優勝でした。全米オープンにも初出場(予選落ち)。早々に大舞台も経験。男子ツアーの中ではトップクラスの期待の星です。男子ゴルフ界を代表する新しいスターに伸びていく可能性を秘めています。

≪GTPAルーキー・オブ・ザ・イヤーの選考基準≫

 

石原俊爾理事長からプレートを受けた星野陸也(右)=東京・ANAインターコンチネンタルホテル東京

男子ツアーはツアープロに転向してから、女子はプロテスト合格後、またはTPD登録をした者で、それぞれレギュラーツアーに初参戦してから「最長2シーズン以内。初年度は全試合数の3分の1位以内の出場であればその年は含まない」。かつ「その年度の来季シード権獲得者」。人格面並びにマナー、エチケット、話題性、将来性を加味して選考される。これまで谷原秀人、古閑美保、宮里藍、宮里優作、横峯さくら、上田桃子、石川遼、池田勇太、成田美寿々、松山英樹、比嘉真美子、鈴木愛、今平周吾、森田遥、畑岡奈紗、川岸史果らが選ばれています。

≪GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)≫とは。

選手会長として挨拶、乾杯の音頭をとった石川遼。

日本のゴルフトーナメントの振興支援を図るために1991年に設立(理事長:石原俊爾)。2011年には一般社団法人へ。より魅力的なトーナメントを目指し、その活性化でゴルフ界の振興・発展に寄与しようとする団体。男女トーナメント主催・協賛スポンサーである企業・団体のほか、テレビ局、新聞社、雑誌社、広告会社、トーナメント運営会社等112社が現在会員となって運営されています。

(了)