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いきなり米女子ツアー・メディアを驚かせた河本結(21)。スロープレー罰金の洗礼も。 急きょ、国内開幕戦出場が決定的!

強気なゴルフを身上とする河本結。米ツアー参戦でも初戦から脚光を浴びた。

ユイ・カワモトーいったい何もの?!フロリダで行われた米女子ツアーの今季第2戦「ゲインブリッジLPGA(フロリダ州ボカラトンのポカリオGC)でメディアルームは大騒ぎでした。大会初日から「68」の2位発進でいきなりリーダーボードに名前が出た河本結。攻めまくる強気のゴルフで4日間通算でも9アンダー、トップ10に入る8位で初戦をフィニッシュしたのです。この試合、畑岡奈紗が2週続けて2位に入る健闘で騒がれたのですが、デビュー戦の河本は活躍の傍らスロープレーで5000㌦(約55万円)の罰金を科せられる洗礼も。奈紗も真っ青な話題を振りまいたユイ・カワモト。本格参戦する今季の米ツアーは大注目です!

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米ツアー初戦からトップ10内の8位に入る健闘をみせた河本結。今季の戦いぶりが楽しみ。

奈紗と同じ21歳。河本結は日体大2年の2018年7月のプロテストで一発合格(9位)。日本ツアーでは昨年3月のアクサレディスで初優勝すると、すぐさま11月の米ツアー予選会を受験。9位で通過して米ツアー出場権をゲット。今季からはもう日本ツアーにバイバイして米国に飛び出したルーキーです。愛媛・松山市出身の女子大生プロ。プロテスト合格の18年には下部ツアーでいきなり年間4勝して賞金ランキング1位になったつわもの。米ツアーに乗り込んだ今年、予選会からの勝ち上がりのため、出場権がなかったツアー第2戦に繰り上げで急きょ出場が決まった幸運の初陣でした。
そのユイがスロープレーをとられたのは最終日。1番(パー5)は4日間ともバーディーを奪う好スタート。一進一退のあと16番(パー5)でバンカーから1㍍につけてバーディー。17番では4㍍を沈めて連続バーディーと、終盤でスコアを伸ばして3日目、最終日と連続69の上りで通算9アンダー、8位でのトップ10入りでした。ところがホールアウト後、「2ホールでプレーが遅かった」として、5000㌦の罰金を言い渡されて愕然(がくぜん)。競技委員によると「8番で前の組がペースアップしたのでついていくように注意した」という。さらに11番では『警告』が出され、ユイの組は計測の対象となったらしい。その結果が「5000㌦の罰金。ストロークのぺナルティは科さない」との判定。

98年生まれ、″黄金世代〝の中核にいる河本結。果敢に攻めるゴルフが魅力だ。

詳細を聞けば「全体としては18ホール4時間を切っていていいのだが、ホールごとで遅いプレーがあった。″計測の通知〝をしなかったのは、選手のプレーを妨げないため」という。米女子ツアーでは「1打を30秒以内で打たなければいけない。それをオーバーすればペナルティ。ユイの組は2ホールでタイムオーバーしていた」というもの。日本ツアーでのやり方とは違うといっても通用するものではありません。1ホールで2000㌦。2ホール目になるとさらに3000㌦で計5000㌦の罰金が河本と同組のカルロタ・シガンダ(スペイン)にそれぞれ科せられました。
米ツアーでは今季、男子ツアーがスロープレーへの罰則が厳しくなり、4月のマスターズ明けの「RBCヘリテージ」から実施されるという。その流れが女子ツアーにも波及しているらしい。米ツアーへ乗り込んでいきなりのペナルティには驚きを隠せないユイでしたが、自身のインスタグラムには「非常にお高いレッスン料でした。その分は絶対成績で取り返します」と書き込んだあたりは、なかなかの負けん気プロで頼もしい!?

 

米ツアー初戦ではスロープレーで5000㌦の罰金を科せられたのはご愛嬌。「お高いレッスン料でした」と苦笑いした河本結。

河本の世界ランクは早くも59位にランクされ、日本勢としては、畑岡奈紗、渋野日向子、鈴木愛、稲見萌寧に続く5番手に食い込んでいます。東京五輪への夢もまだ捨てきれない位置です。河本は98年生まれの″黄金世代〝の1人。畑岡奈紗はじめ勝みなみ、小祝さくら、新垣比菜、大里桃子らと同世代。小学時代からサッカーなどにもはまっていたスポーツ好き。しかし「引退後の方が人生は長い」と両親に教えられ文武両道にこだわって日体大体育学部に進学。ゴルフの腕も磨いたという女性。ゴルフの練習では曲げる球、低い球、カット打ちなど、球を操りいろいろ打ち分けることに時間を費やしたという。米ツアー進出が決まった昨秋からは、特にアプローチの練習に長い時間を割きました。飛ばし屋でもありながら、小技もこなせるユーティリティープレーヤー。環境もコースも変わる米国の試合にも適応力を秘めている頼もしいプレーヤーといえるでしょう。

日本ツアーでもルーキーイヤーから大勢のファンを集めた河本結。

今後の河本は、今週のISPSハンダ・ヴィック・オープン(2月6~9日=豪、13thビーチGL)、ISPS、ハンダ・オーストラリア女子オープン(2月13~16日=豪、ロイヤル・アデレードGC)と豪州での2連戦に出場。米ツアーで中国開催だったブルーベイLPGA(3月5~8日=海南島)が新型コロナウイルスの蔓延で中止が濃厚。同時期に開催される国内ツアーの開幕戦、ダイキン・オーキッドレディス(3月5~8日=沖縄・琉球)に出場することを決めたという。国内では開幕戦から4戦連続で出場。昨年ツアー初勝利を飾ったアクサレディス(3月27~29日=宮崎・UMK)は、大会2連覇がかかる注目の試合となります。4月は米ツアーに戻り、6月末までは東京五輪出場を目指してのランクアップを目指す多忙なスケジュールをこなします。

米ツアー1年目のユイ・カワモトが、持ち前の強気のゴルフで米国でのシード権を獲れるかどうか。さらに米ツアー初勝利というビッグドリームを実現できますかどうか、目の離せない今シーズンとなります。

(了)